デンジソウ

田字草 デンジソウ目/デンジソウ科/デンジソウ属 見頃/5月~10月
学名/Marsilea quadrifolia L.

自生種稀少保護

環境省レッドリスト2018「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧II類」

デンジソウ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09

#デンジソウ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09

浅い水辺に生える多年草。湿地や水田で四つ葉のクローバーがたくさん生えているのを見つけたら本種かもしれない。昔は厄介な水田雑草だったらしいが、農薬の進歩で駆逐を達成。現在は絶滅が危惧されて保護の対象に。見かけによらずシダ植物なので花は咲かない、花粉も種子も作らない。代わりに胞子を飛ばして増殖する。神奈川県内では”耕作していない水田に生えていたが宅地造成されて滅失”をひたすら繰り返して絶滅危惧種に。湘南・鎌倉・三浦半島では平塚市の水田地帯の一部に自生が残っているとかどうとかいうだけなので、見かける機会はないに等しかろう。出どころの知れないものがメダカ(目高)の飼育用などとして市販されていることがある。

デンジソウ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10

#デンジソウ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10

デンジソウ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10

#デンジソウ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10

デンジソウ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10

#デンジソウ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2018/11/10

デンジソウ 中井町・厳島湿生公園 2019/08/03

#デンジソウ 中井町・厳島湿生公園 2019/08/03

デンジソウの特徴

紛らわしい近似種にナンゴクデンジソウ(南国田字草)なるものがある。日本では沖縄などに自生があるらしい。おそらくこれの東南アジア産だろうものが(ウォータークローバーの名で)アクアリウム向けや園芸用に流通しており、その逸出がもしかしたら神奈川県内の野外にも存在している可能性がある。デンジソウを見かけた場合、念のためナンゴクデンジソウでないことを確認しておきたい。両者の外観はよく似ているが、胞子嚢果(ほうしのうか、胞子の詰め合わせパック)の生え方が異なっている。


デンジソウ

胞子嚢果は、葉柄(ようへい)基部(付け根の部分)から離れて少し上の部分(つまり葉柄の途中)から生えてくる。

ナンゴクデンジソウ

環境省レッドリスト2018「絶滅危惧IB類(EN)」

胞子嚢果は、葉柄基部から生えてくる。

デンジソウとナンゴクデンジソウの、胞子嚢果の生え方の違い

デンジソウとナンゴクデンジソウの、胞子嚢果の生え方の違い


ナンゴクデンジソウであった場合は、神奈川県内においては稀少な自生種たるデンジソウにとって侵略的外来種になる危険性が高いため、早急に駆除されることが望ましい。

デンジソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

#デンジソウ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

デンジソウ 秦野市・葛葉緑地 2023/09/20

#デンジソウ 秦野市・葛葉緑地 2023/09/20


東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター(情報館脇の水草水槽)、横浜市南区・#こども植物園(事務所前池に鉢植え)

平塚市真田(水田に自生という)、平塚市北金目(水田に自生)

#大船フラワーセンター(滅失、平成30年(2018)4月1日リニューアルオープンで再展示=由来不明)、#長久保公園(滅失)

厚木市・#神奈川県自然環境保全センター(秦野市内にあった自生地より移植)、秦野市・#葛葉緑地(でんじそう池では滅失、残存をでんじそう池内のプランターで細々と栽培、中井町自生地のもの)、秦野市渋沢・#生き物の里(指定第3号 峠、秦野市尾尻(造成で滅失)からの移植)、中井町(中井中学校周辺の水田に自生とか)、中井町・#厳島湿生公園(町内自生地からの移植、北窪自治会館口から階段を下りて木道左側の池との境目の湿地=名板あり・高めの木道から見下ろすため観察に難あり、平成28年(2016)9月 確認できず、平成29年(2017)8月 オオフサモに圧迫されながらも細々とあるとのこと、令和元年(2019)8月 多からずあることはある、令和4年(2022)木道がより高架なものに架け替えられ間近では観察できなくなってしまった)、小田原市桑原・#メダカビオトープ

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『デンジソウ』へのコメント

  1. ケンモチ ナオミ 投稿日:2022/07/24(日) 23:44:35 ID:fab81297a 返信

    mirusiru.jpさんのデンジソウ愛にはかないません、、、
    が諦めないで探すのも植物愛だと思い シーズン中は数回に分けてトライしてみます。

    今年の5月に埼玉県の唯一のデンジソウ自生地の手入れの映像をYouTubeで見ました。
    1992年に野草研究家が偶然に見付けて後に県や市が自生地保護のお墨付きをして
    今現在に至る、、感動しました。
    年に3回の葦を刈るなどの手入れを継続していると、、

    もちろん農家さんに怒られない様に マナーは守ると約束します。
    惜しい、、あと20年早くに探していれば見付けていたと思うのです。

    平塚名物は都まんじゅうしか知らなかったので カロライナツユクサの観察も楽しみです。
    ナマズもまじまじ見た事ないので探せたら楽しいな♪
    水を抜かれてアメリカザリガニが難儀してる様子は見ましたが。

    カヤツリグサ科ハンドブック
    なるほど、図書館で借りて全部カラーコピーするのも良いかも、、
    ついでに少し拡大して製本すれば見やすくなるし。
    こう言うやり方で儲けようとするアマゾン川と関わらなくて済む(笑)
    私は亥年らしく真っ直ぐですが 人様に迷惑をかけないですよ
    生きて帰りますから安心してくださいませ

    植物ブログのコンセプトは未定ですが準備中です。
    お楽しみに!

    • mirusiru.jp 投稿日:2022/07/25(月) 04:43:24 ID:7156ef665 返信

      数回に分けてなんて、そんな遠慮なさらずに、毎日のようにどうぞよろしくお願いします。中干し期間中は農家さんは田んぼに踏み込めるようになるので、よく除草が行われます。急がないと、7月に探していれば見付けていたと思うのですとかならないうちに、いざ平塚!
      片岡交差点の北西域だけに限定して徘徊してもいいんじゃないかなー、って思ってます。デンジソウがいるのはごく狭い範囲内だけ、って聞いてます。ただ三年くらい前だったか、今まで生えていた場所からデンジソウが消えたとかいう残念な話はどこぞで見かけました。私が覗いたときは、ずいぶんと強烈な除草剤がふんだんに使われているなぁと感じました。さて、今もいるのかどうなのか。絶滅の瀬戸際かもしれません?
      埼玉県のデンジソウ自生地も一ヶ所なんですか。デンジソウ、絶望的ですね。ホームセンターで売ってるくせに。神奈川県は何にもやりませんね。移植でせいぜい。移植して放ったら貸すので結局絶えるという。

      都まんじゅう、むかし(四半世紀前)一個27円くらいじゃありませんでした?もう、高くて買えない。涙

      あ、しまった。夜が明けてしまった。庭に水撒いてきます。
      ブログ、期待してます!

  2. ケンモチ ナオミ 投稿日:2022/07/24(日) 17:13:06 ID:fab81297a 返信

    こんにちは
    平塚の田園地帯の交差点付近へ散策に行ってきました。
    お宝発見できず、、というかいろんな意味で難易度高いです
    真剣に観察してる私を、、まるで不審者が居るみたいな視線がイタイ・・・。
    夕方はウォーキングしてる方や農作業してる方が意外と多いのだ。
    しかしカタバミとクローバーは紛らわしい

    アメリカタカサブロウは観察できて
    カヤツリグサ属 スゲ属も見れて楽しかった
    今度は長靴を履いて自己責任で散策して来ます(笑)

    以前 教えて頂いた本で”カヤツリグサ科ハンドブック”が
    アマゾン川で中古本が定価の3倍から5倍以上の価格です。
    当のカヤツリグサもビックリな事でしょう

    • mirusiru.jp 投稿日:2022/07/24(日) 21:38:54 ID:e6d72ff57 返信

      ほんとうに、行ってる。。ほんとうに、行った。。。さすがです。尊敬します。
      長靴は、やめた方が。汗
      たぶん、べちゃっとぬかるみ気味な畦を歩こうとか、草が茂っている休耕田の周りを歩いてみようとか、そんな企みではないかと予想しますが、誰でも気軽に入れるところを超えて侵入すると、農家さんの逆鱗に触れそうな気がします。田んぼは私有地です。第一のミッションは、農家さんを怒らせないこと、こちら側からしたら嫌な思いをせずに無事に帰宅すること、です。その一線は越えない方がよろしいかと。成果を諦めても。特に今は、田んぼは中干しの時期です。イネの出穂を前に水量を調節しなければならないので、農家さんは畦の管理に神経を尖らせているはずです。畦は土をただ盛っただけのところも多いので簡単に崩れます。妙な場所に入り込むと、怒鳴られそうな気が。遠くからでも農家さんにじいーっと見られているときは特に、当たり障りのない行動に踏みとどまることをお薦めします。という意味でも、難易度が上がります。雨が降ればぬかるんで水没して観察できず、雑草茂っていれば踏み込めず覗き込めず、雑草が刈られていれば目的のものも何もかも消滅していて、気温30℃を超えれば熱中症一直線、農地内は日陰も自販機もありません、重たい飲み物担いで汗びっしょり、中干しの最中に日照りが続けばデンジソウなんて生きていられるのかどうなのか、曇天日を選べばヤフー天気予報に騙されて雨に降られ、とかなんとかで、地獄です。
      去年、(北)大根川~(東)おだあつ~(南)金目川~(南西)金目親水公園~(北西)真田橋、の範囲を複数回に分けて歩きましたが、空振ってます。一昨年も空振ってます。半分水没したカタバミには何度も引っかかってます。今年はメンタルがないので棄権。お嬢様にすべてを託しました。まずは、生きて帰ってください。平塚名物カロライナツユクサの観察をお忘れなく。ウリカワイボクサヒルムシロ、あと何がありましたかねえ。水が抜かれた田んぼの隅に残った水溜まりも、今の時期はナマズとか取り残されていて見所です。

      カヤツリグサ属、スゲ属、ブログで特集してくださいね。私ぜんぜんわからないです。おしえてください。
      『カヤツリグサ科ハンドブック』、諦めてなかった。。笑
      藤沢市(大庭)などの図書館にあるようですね。一回の貸し出しと返却期限延長で四週間借りられますから、見放題かと。見てもなんにもおもしろくないですけどね!