婆蕎 キク目/キキョウ科/ツルニンジン属 花期/7月下旬~8月 結実期/10月中旬~11月上旬
保護
環境省レッドリスト2019「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」
バアソブ 東京都日野市 2019/08/07
丘陵地や山地の林縁部など明るい草地に生える蔓性の多年草。ツルニンジン(蔓人参)の近似種で小型のもの。ツルニンジンの別名ジイソブ(爺蕎)に対して、小さめなのでバアソブ。花に見られる斑点が婆(ばばあ)のそばかすに見立てられた名前。ツルニンジンに対してヒメツルニンジン(姫蔓人参)と呼ばれることもあるらしい。神奈川県では最北の山地などに分布が細々と確認されている程度で、湘南・鎌倉・三浦半島に自生なし。栽培ものも見かけない。
草地に生えたバアソブ 東京都日野市 2019/08/07
草地に生えたバアソブ 東京都日野市 2019/08/07
葉は概ね三枚を輪生(葉が出る位置がちょっとずれている偽輪生)。二枚ないし四枚のことも。有毛で、特に葉裏面には毛が多い。細かい毛なので目立たないけれども。
バアソブの葉 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの葉 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの葉裏に密生する細かい毛 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの茎(細い蔓の方) 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの花
ツルニンジンに比べて、花期が早く、花が小さい。花冠はおよそ長さ2.5cm×幅2.5cmで、成人男性の大きな手の(中指などの)関節一個分くらいの大きさ。ボリューム感あるツルニンジンの立派な花に比べると、小さめでかわいらしい印象を受ける。花はふつう下向きに咲き、咲き終わると上向きに変わって実を結ぶ。
バアソブの蕾 東京都日野市 2019/08/07
バアソブ 東京都日野市 2019/08/07
バアソブ 東京都日野市 2019/08/07
バアソブ 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの花の大きさ 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの花冠内部 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの萼 東京都日野市 2019/08/07
バアソブの実
実はツルニンジンとほぼ同形で、やや小型。ただし収納されている種子はツルニンジンのものとは大きく違って、翼(よく)はなく、光沢ある暗褐色(肉眼では黒色に見える)の小さな粒である。長さ約2mm。一つの実を調べてみたところ八十五個の種子が収まっていた。実が枯れて乾くと上面が裂けて種子放出口ができる。強風で揺れるとぱらぱらこぼれ落ちる仕組み。
バアソブの未熟な実、ハート形の葉はオニドコロ 東京都日野市 2019/10/20
バアソブの未熟な実 東京都日野市 2019/10/20
バアソブの未熟な実 東京都日野市 2019/10/20
バアソブの少しだけ熟しかけている実、直径(萼片を除いて)1.2~1.5cm 東京都日野市 2019/10/20
バアソブの未熟な実(緑色)と完熟した実(黒色) 東京都日野市 2019/10/20
バアソブの完熟して口を開けた実 東京都日野市 2019/10/20
バアソブの種子 東京都日野市 2019/10/20
東京都調布市・#神代植物公園、東京都小平市・#東京都薬用植物園(温室裏に鉢植え)、東京都日野市、東京都八王子市・高尾山
相模原市・陣馬山
私の庭に、数株のバアソブが今、無数の蕾が、ついていますよ。これから色づいて来るのが楽しみです。