豆加密列 キク目/キク科/マメカミツレ属 花期/通年 結実期/通年
外来種駆除
マメカミツレ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/21
オーストラリア原産の一年草(越年草)。マメカツミレではなくマメカミツレ。マメは小さいの意。カミツレは、ハーブティー(ハーブは香りある植物全般を指す)によく利用されるカモミールというキク科の植物の和名。オランダ語Kamille(カミルレ、カミッレ)の転訛(てんか)だそうな。どの辺がカモミールに似ているのかはまったくもって不明。強いていうなれば葉か。新しい帰化雑草として日本へ入って来ては分布域が拡大の一途らしい。湘南・鎌倉・三浦半島ではほぼ普通種。比較的見かける機会が多いのは、市街地の道端。人に踏まれてぺしゃんこになっているものは多いが、ど根性系で枯れずに花や実は倒れてはいるもののたくさん付けている。草丈は人の足首まで。乾燥地が好きかというとそうでもないようで、川べりのやや湿った農地跡に大群落を作っていたりもする。その場合花茎(かけい)を長く直立させるので、草丈は人の脛(すね)くらいまで立ち上がる。人目に触れるのは地面にべたあっと貼り付いているような姿の方だろう。日向、日陰を問わず生える。
道端に生えたマメカミツレ(オランダミミナグサ、コハコベと混生) 逗子市・富士見橋バス停 2019/03/14
マメカミツレ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/21
人が立ち入らない場所なので立ち上がるように生えたマメカミツレ 茅ヶ崎市萩園・相模川 2018/04/28
マメカミツレ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/16
マメカミツレの花
よく咲き出すのは春以降。器の役目を果たす総苞の中に両性の筒状花が多数びっしり並ぶ。肉眼では見えないが、両性花を縁取るように(総苞片と両性花の間に)じつは雌花があり、子房から雌蕊をにょきっと突き出している。
マメカミツレ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/05/11
マメカミツレ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/05/11
マメカミツレの花と実の残骸(※数字は本文記載の時系列に従う) 茅ヶ崎市萩園・相模川 2018/04/28
マメカミツレの花らしきものは様々な姿をしておりどれが花なのかさえ理解しがたいところであるが、以下の順序を辿っているものと推察される。
1)小さくて黄色い=(両性花)雄性期で黄色い花粉を飛ばしている・(雌花)雌蕊を出して受粉している。
2)小さめで中心部が白い=(両性花)雌性期で雌蕊を出して受粉している・(雌花)若い実ができつつある。
3)大きめで中心部が白い=(両性花)若い実もできつつある・(雌花)緑色の実が大きく成長しつつある。
4)茶色っぽくなる=(両性花)実がほぼ熟す・(雌花)実がほぼ熟す。
5)茶色いが周辺部か白っぽくなる=(両性花)実が熟す・(雌花)実が熟す。
6)周囲に花弁を持つ花のような姿=実が脱落したあとの残骸。花弁のように見えなくもないのは総苞片。
マメカミツレの多彩な姿の花や実(※数字は本文記載の時系列に従う) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/21
マメカミツレの実
両性花の実、雌花の実、の二種類ができる。ともに緑色から茶色に熟す。雌花の実には翼(よく)があり、実が熟す頃には翼は白っぽく変色する。
マメカミツレの若い実 茅ヶ崎市萩園・相模川 2018/04/28
マメカミツレの未熟な実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/16
マメカミツレの雌花の熟した実 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/16
氷室椿庭園