クロマツ

黒松 マツ目/マツ科/マツ属 花期/4月~5月 結実期/12月
学名/Pinus thunbergii Parl.

自生種保護

クロマツ 鎌倉市・長谷寺 2017/01/25

#クロマツ 鎌倉市・長谷寺 2017/01/25

本来は海辺に自生するとかいう常緑の高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)の雌雄異花。見ての通りの針葉樹。やや女性的な姿でメマツ(雌松)の異名ある近似種アカマツ(赤松)に対して、オマツ(雄松)とも。神奈川県内至る所に生えてはいるが、自生なのか植栽由来のものなのかは区別が付かないのでよくわからない。単にマツといった場合はマツ属に分類される樹木の総称であるが、一般的に植えられ、ふつうに私たちがマツとして認識しているものはおよそクロマツの方。姿が渋いので年行った爺にこよなく愛され、盆栽としても人気。東海道(国道1号線)の松並木はクロマツ、国道134号線沿いの湘南海岸砂防林もクロマツである。名前は幹(樹皮)が黒っぽい色をしていることに因む。幹が黒いのがクロマツ、赤いのがアカマツ、とよくいわれるが、実際のところは特徴が不明瞭だったり、両者の雑種と思しきものも多く、見分けはいうほど簡単ではない。

クロマツ 鎌倉市・鶴岡八幡宮・太鼓橋 2024/01/07

#クロマツ 鎌倉市・鶴岡八幡宮(つるがおか-)・太鼓橋 2024/01/07

クロマツ 鎌倉市・鶴岡八幡宮・祓所(はらえど) 2024/01/07

#クロマツ 鎌倉市・鶴岡八幡宮・祓所(はらえど) 2024/01/07

クロマツ 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/03

#クロマツ 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/03

クロマツ 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/03

#クロマツ 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/03

クロマツ 鎌倉市・大巧寺 2018/05/18

#クロマツ 鎌倉市・大巧寺 2018/05/18

クロマツ(横浜市名木古木指定) 横浜市金沢区・龍華寺 2019/04/06

#クロマツ(横浜市名木古木指定) 横浜市金沢区・龍華寺 2019/04/06

日本庭園に植えられたクロマツ 東京都文京区・小石川植物園 2020/01/21

日本庭園に植えられた#クロマツ 東京都文京区・小石川植物園 2020/01/21

クロマツ 東京都調布市・神代植物公園 2020/02/08

#クロマツ 東京都調布市・神代植物公園 2020/02/08

クロマツの高木(毎年樹上でカラスが営巣している) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2020/01/10

#クロマツの高木(毎年樹上でカラスが営巣している) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2020/01/10

クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯 2024/01/08

#クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯 2024/01/08

クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯・東小磯歩道橋 2024/01/08

#クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯・東小磯歩道橋 2024/01/08

クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯 2024/01/08

#クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯 2024/01/08

クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯 2024/01/08

#クロマツ(東海道松並木) 大磯町東小磯 2024/01/08

クロマツ 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

#クロマツ 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

クロマツ(飛砂防備保安林) 大磯町西小磯・太平洋岸自転車道 2024/01/08

#クロマツ(飛砂防備保安林) 大磯町西小磯・太平洋岸自転車道 2024/01/08

クロマツ(飛砂防備保安林) 大磯町西小磯・太平洋岸自転車道 2024/01/08

#クロマツ(飛砂防備保安林) 大磯町西小磯・太平洋岸自転車道 2024/01/08

クロマツ 大磯町・旧島崎藤村邸 2024/01/08

#クロマツ 大磯町・旧島崎藤村邸 2024/01/08

クロマツ 大磯町役場 2024/01/08

#クロマツ 大磯町役場 2024/01/08

クロマツ 真鶴半島 2017/01/16

#クロマツ 真鶴半島 2017/01/16

クロマツ 真鶴半島 2017/01/16

#クロマツ 真鶴半島 2017/01/16

クロマツ 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08

#クロマツ 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08

枯れたクロマツ 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

枯れた#クロマツ 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

クロマツとアカマツの最も簡単で明瞭な違いは、冬芽の色と形状。クロマツの芽は白色の糸状なものに包まれており、白銀に輝く。鱗片(りんぺん)は反り返らず、芽にぴったり貼り付いた状態。アカマツの芽はもっと赤茶けた色をしていて、鱗片は反る。

クロマツの白色の冬芽 茅ヶ崎市・鶴嶺八幡社 2020/01/25

#クロマツの白色の冬芽 茅ヶ崎市・鶴嶺八幡社 2020/01/25

クロマツの白色の冬芽 茅ヶ崎市・鶴嶺八幡社 2020/01/25

#クロマツの白色の冬芽 茅ヶ崎市・鶴嶺八幡社 2020/01/25

クロマツの白色の冬芽 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08

#クロマツの白色の冬芽 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08

クロマツの白色の冬芽 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08

#クロマツの白色の冬芽 相模原市南区・相模原公園 2020/12/08

クロマツとアカマツの冬芽の違い 鎌倉市・建長寺 2024/01/09

#クロマツと#アカマツの冬芽の違い 鎌倉市・建長寺 2024/01/09

クロマツの白色の冬芽 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

#クロマツの白色の冬芽 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

遠くから見ても白銀に輝くクロマツの白色の冬芽 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

遠くから見ても白銀に輝く#クロマツの白色の冬芽 大磯町・明治記念大磯邸園 2024/01/08

葉は、アカマツよりも長くて硬く、先端に触れるとよく突き刺さってちくっと痛い。ただし、葉の長さは個体差あり、痛い痛くないも感覚的なものではある。

クロマツ 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/03

#クロマツ 鎌倉市・浄妙寺 2017/02/03

クロマツの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

#クロマツの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

クロマツの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

#クロマツの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

クロマツの葉 横浜市鶴見区・大黒海づり公園 2016/12/28

#クロマツの葉 横浜市鶴見区・大黒海づり公園 2016/12/28

マツを枯らしてしまう”松くい虫”(マツノマダラカミキリが媒介して広めるマツノザイセンチュウがその正体)なるものの存在は聞いたことがあろうが、マツの葉を食い荒らす害虫がいるとは知らなんだ。マツノミドリハバチ(松緑葉蜂)の幼虫は初夏から秋にかけて出現し、ときに百匹程度が一斉に発生する。体長約20mm、体色は黄色っぽい緑色のいわゆる青虫で、頭部は黄色、目とヘアバンドと手は黒い。マツの細い葉っぱにしがみついてじつにかわいらしい姿をしているが、集団でむしゃむしゃむしゃむしゃと良く食べるので、葉を失ったマツは枯死してしまうことさえあるという。なんか葉が枯れてきた、周辺に散った雄花の屑みたいなものが落ちているけど何だこれ(答えは大量の糞)、と感じたらただちに犯人探しをしたい。一般的な殺虫剤(住友化学園芸「ベニカXファインスプレー」等)を散布すれば死滅させられるだろう。

クロマツの葉に付いたマツノミドリハバチの幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/16

#クロマツの葉に付いたマツノミドリハバチの幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/16

クロマツの葉に付いたマツノミドリハバチの幼虫(11匹写っている) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/15

#クロマツの葉に付いたマツノミドリハバチの幼虫(11匹写っている) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/15

クロマツの葉に付いたマツノミドリハバチの幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/15

#クロマツの葉に付いたマツノミドリハバチの幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/15

幹(樹皮)は黒っぽい色をしているのが基本。とはいえ、”赤っぽくないか?”と感じなくもないクロマツはかなり多い。大きく成長したアカマツの幹上部は樹皮が剥がれて赤色を露出するので、そうなっていなければクロマツと判断は付く。

クロマツの赤っぽい幹(樹皮) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

#クロマツの赤っぽい幹(樹皮) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/12/28

クロマツの黒っぽい幹(樹皮) 横浜市鶴見区・大黒海づり公園 2016/12/28

#クロマツの黒っぽい幹(樹皮) 横浜市鶴見区・大黒海づり公園 2016/12/28

かつてはどこにでもたくさん植えられていてたいへん身近な木であったため、神奈川県内では、三浦市の木、葉山町の木、藤沢市の木、大磯町の木、小田原市の木、に制定されている。三浦と葉山は臨海地域、藤沢・大磯は東海道沿い、小田原は小田原城址公園にクロマツあるゆえか。見た目が渋すぎて昭和(-1989)臭さを感じる、西洋かぶれこそ正義の時代にあって和風が過ぎる、葉がちくちく刺さってとにかく痛くて不快、落ち葉が風に飛ばされず腐りもしないので掃き掃除が面倒、などの理由だろう、特に女性からは嫌われているに違いない。新築の民家庭に植栽されることはほとんどなくなった。とはいえ、日本庭園には必需品。旧家には今でも多く残っていて、門の上に枝が覆いかぶさるように仕立てた”門かぶりの松”は家の格式を誇示している。

クロマツの花

花穂っぽく見えるのは雄花、赤紫色のツクシ(土筆)の頭のようなものがあったらそれが雌花で成長すれば実ができる。

クロマツの蕾 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2018/04/03

#クロマツの蕾 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2018/04/03

クロマツの若い雌花 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2018/04/03

#クロマツの若い雌花 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2018/04/03

クロマツの若い雄花 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#クロマツの若い雄花 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

クロマツの雌花と雄花と新梢 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

#クロマツの雌花と雄花と新梢 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

クロマツの雌花と雄花と新梢 茅ヶ崎市今宿 2018/04/12

#クロマツの雌花と雄花と新梢 茅ヶ崎市今宿 2018/04/12

開花中のクロマツ 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

開花中の#クロマツ 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

クロマツの雌花 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

#クロマツの雌花 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

クロマツの雄花 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

#クロマツの雄花 茅ヶ崎市柳島・湘南海岸砂防林 2017/04/26

クロマツの実

球果(きゅうか)と呼ばれる種類の実ができる。いわゆる松ぼっくり、松かさ。アカマツと大差ない形状。熟して乾燥すると種鱗(しゅりん)が開き、間に挟まっていた翼(よく)付きの種子が風に飛ばされる仕組み。

クロマツの松ぼっくり(松かさ) 横浜市鶴見区・大黒海づり公園 2016/12/28

#クロマツの松ぼっくり(松かさ) 横浜市鶴見区・大黒海づり公園 2016/12/28

クロマツの松ぼっくり(松かさ) 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2018/04/03

#クロマツの松ぼっくり(松かさ) 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2018/04/03


三浦市・#三崎小学校(校庭にシンボルツリー「五常の松」、かまくらと三浦半島の古木・名木50選「三崎小学校のクロマツ」)、立石公園(市指定市民文化資産(名勝)「立石」、かながわの景勝50選「秋谷の立石」)、森戸大明神(千貫松、かながわの景勝50選「森戸の夕照」)、#浄妙寺(本堂前)、#建長寺(アカマツも)、#長谷寺(門前)、茅ヶ崎市・#鶴嶺八幡社(市指定天然記念物「鶴嶺八幡宮参道及び松並木」)、#大磯プリンスホテル(樹高21mとも25mとも、町指定天然記念物「諏訪神社の大松」、かながわの名木100選「国府本郷の諏訪神社の大マツ」、滅失・指定解除)、#明治記念大磯邸園(令和2年(2020)部分開園)

荒崎公園(かながわの景勝50選「荒崎」)、城ヶ島(水垂の松(みずったれのまつ)、かまくらと三浦半島の古木・名木50選「城ヶ島のクロマツ」、滅失)、#氷室椿庭園、#柳島しおさい公園、平塚市・#扇松、平塚市・#月湘庵、#大磯町役場(陸前高田の松、平成29年(2017)実生を植栽)

相模原市緑区・小倉橋(おぐらばし、かながわの景勝50選「小倉橋周辺」)、#小田原城址公園(市指定天然記念物「小田原城跡本丸の巨松」)、#真鶴半島(かながわの名木100選「真鶴半島のクロマツ」=枯死、他に巨木多かったが減った)

参考資料

『大磯町文化財調査報告書 第12集』 大磯教育委員会発行(1974)