ジュンサイ

蓴菜 スイレン目/ハゴロモモ科/ジュンサイ属 花期/5月中旬~6月 旬/6月~7月
学名/Brasenia schreberi J.F.Gmel.

食用稀少

神奈川県レッドリスト2020「絶滅」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅」

水面に葉を浮かべたジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/06/11

水面に葉を浮かべた#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/06/11

水草として、日当たりの良い浅い池などに生える多年草(宿根草)。日本のみならず、朝鮮半島や中国(China)、インド、オーストラリア、北米、アフリカなど、世界各地に分布する。名は中国名(読みはチュンカイ)をそのまま用いたもの。スイレン(睡蓮)同様に、水底の土中に根を張って水面に葉を浮かべる浮葉植物(ふよう-)の一種。水中にある新芽などが透明のぬるぬるした粘液で覆われているのが特徴で、開く前の幼葉(ようよう、ようば、おさなば)が食用にされる。食材として流通している国内産ジュンサイはほとんどが秋田県の三種町(みたねちょう)産である。安価で売られているのは中国(China)産の水煮。神奈川県内にかつて自生があったらしいが、戦後の高度経済成長期(1954-)に入ったあたりの時期を最後に絶滅した。元々かなり少なかったようではあるが。知名度は高いものの食材としてさほど人気なく花の観賞価値も乏しいせいか、県内では栽培されているものも滅多に見かけない。栽培難易度自体は平易で、田んぼの土を入れた駄温鉢(だおんばち)に植え付けて水を張ったスイレン栽培用の水鉢にでも沈めてやればそれでよい。小さな苗だと植え付けてから開花に至るまで三年くらいを要するか。葉柄(ようへい)が細くて軟らかく傷みやすい(折れやすい、千切れやすい)ので取り扱いには注意する。

晩春に再生し始めたジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/04/17

晩春に再生し始めた#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/04/17

水鉢で栽培されているジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/16

水鉢で栽培されている#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/16

水鉢で栽培されている開花中のジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:11

水鉢で栽培されている開花中の#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:11

水鉢で保護栽培されている開花中のジュンサイ 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 10:02

水鉢で保護栽培されている開花中の#ジュンサイ 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 10:02

水鉢で保護栽培されているジュンサイ 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22

水鉢で保護栽培されている#ジュンサイ 東京都八王子市・長池公園 2024/06/22

水鉢で栽培されているジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/08/25

水鉢で栽培されている#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/08/25

水鉢で栽培されているジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/09/10

水鉢で栽培されている#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/09/10

葉は水面に浮かぶ。スイレンより小型。葉身には切れ込みが入らないのが特徴。楕円形。大きさは様々だが、長さ5~7cmくらいのものが多い。葉裏の真ん中に柄(え)が付く楯状葉(じゅんじょうよう)。葉裏は赤みを帯びるものがある。類似するものはないので、葉の形状だけで本種と見分けがつく。

ジュンサイの食用になる幼葉 茅ヶ崎市浜之郷 2025/07/13

#ジュンサイの食用になる幼葉 茅ヶ崎市浜之郷 2025/07/13

食用になるのはぬるぬる粘液で覆われた小さな葉芽。葉柄も食べられる。葉芽は大きくなればなるほどえぐみが出てくるらしいので、欲張らないで極力小さな葉芽を選ぶと良い。

ジュンサイの葉 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21

#ジュンサイの葉 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21

ジュンサイの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/06/11

#ジュンサイの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/06/11

ジュンサイの葉裏 茅ヶ崎市浜之郷 2025/07/13

#ジュンサイの葉裏 茅ヶ崎市浜之郷 2025/07/13

ジュンサイの葉柄を包んだぬるぬる粘液 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/08/25

#ジュンサイの葉柄を包んだぬるぬる粘液 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/08/25

ジュンサイの越冬する殖芽になるだろう芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/11/27

#ジュンサイの越冬する殖芽になるだろう芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2024/11/27

冬枯れたジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/01/04

冬枯れた#ジュンサイ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/01/04

ジュンサイの越冬する殖芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/01/04

#ジュンサイの越冬する殖芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/01/04

ジュンサイの越冬する殖芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/02/05

#ジュンサイの越冬する殖芽 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/02/05

ジュンサイの花

スイレンと同じく水面に浮かぶように、あるいは水面から少し突き出て咲く。地味な赤っぽい紫褐色(しかっしょく)で、小さめ。開花しているのは、たったの二日間だけらしい。雌性先熟で、開花一日目は雌性期、二日目は雄性期、で咲き終わり。しかもきれいに開いているのは午前中だけ。

ジュンサイの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/06/02

#ジュンサイの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/06/02

ジュンサイの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/06/02

#ジュンサイの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/06/02

ジュンサイの雌性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:11

#ジュンサイの雌性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:11

ジュンサイの雌性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:14

#ジュンサイの雌性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:14

ジュンサイの雌性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/28 10:06

#ジュンサイの雌性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/28 10:06

ジュンサイの雌性期の花 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 09:58

#ジュンサイの雌性期の花 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 09:58

ジュンサイの雄性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:14

#ジュンサイの雄性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:14

ジュンサイの雄性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:15

#ジュンサイの雄性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:15

ジュンサイの雄性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:17

#ジュンサイの雄性期の花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/05/23 10:17

ジュンサイの雄性期の花 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 10:00

#ジュンサイの雄性期の花 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 10:00

ジュンサイの雄性期の花 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 09:59

#ジュンサイの雄性期の花 東京都八王子市・長池公園 2025/06/21 09:59

ジュンサイの雄性期の花のサイズ感 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/28 10:08

#ジュンサイの雄性期の花のサイズ感 鎌倉市・大船フラワーセンター 2022/05/28 10:08


東京都文京区・#小石川植物園(温室前の池)、東京都小平市・#東京都薬用植物園(温室前の水鉢区画)、東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター、東京都八王子市・#長池公園(絶滅⇒長池のかいぼりによって令和2年(2020)復活⇒自然館中庭の水鉢に、名札に「沈水植物」とあるのは誤り)

#大船フラワーセンター(グリーンハウス前に水鉢、5月下旬)

静岡県・東伊豆町稲取・細野高原・桃野湿原(柵内の池に、遠目に眺めるのみ、静岡県指定天然記念物「細野湿原」)

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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