小雁皮 アオイ目/ジンチョウゲ科/アオガンピ属 花期/6月末~7月上旬(~9月) 結実期/9月~10月
学名/Wikstroemia ganpi (Siebold & Zucc.) Maxim.
シノニム(Synonym)=Diplomorpha ganpi (Siebold & Zucc.) Nakai
自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧II類」

コガンピの花 三浦市 2024/07/05
主に丘陵地や山地の、ときに海岸近くの日当たりの良い草地に生える落葉性の半低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。高さは1m以下。周囲の草木に埋もれた茎下部は木質化するので樹木であるが、目に見える上の方は草本。冬は基部のみ残して上の方はすべて枯れる。別名イヌガンピ(犬雁皮)。名は、樹皮の繊維が紙(古くは斐紙(ひし)、今は雁皮紙(がんぴし)と呼ばれる和紙)の原料になるガンピという樹木よりも小振りなもの、あるいは役に立たないもの、の意。ガンピという名は、古名カニヒから転じたとか、カミヒ(紙斐)の転訛(てんか)だとかいうがよくはわからない。黒いハクチョウ(白鳥)みたいな鳥のガン(雁、カリ)とは関係がない。神奈川県内では相模原台地から丹沢、箱根に分布があるようながら少ない。湘南・鎌倉・三浦半島では三浦半島の三地点に小群があるのみかもしれない絶滅寸前種。

草地から生え出たコガンピ 三浦市 2025/05/27

開花直前のコガンピ 三浦市 2025/06/27

開花直前のコガンピ 三浦市 2025/06/27

開花中のコガンピ 三浦市 2025/07/03

開花中のコガンピ 三浦市 2025/07/03

開花中のコガンピ 三浦市 2025/07/03

開花中のコガンピ 三浦市 2024/07/05

開花中のコガンピ 三浦市 2024/07/05

開花中のコガンピ 三浦市 2024/07/05
葉は密に螺旋(らせん)状に付く。葉はヒメイタビ(姫崖石榴)にやや似る。

コガンピの葉のサイズ感 三浦市 2025/05/27

コガンピの葉裏 三浦市 2025/05/27

コガンピの葉 三浦市 2025/06/27

コガンピの葉 三浦市 2025/06/27

コガンピの葉 三浦市 2024/07/05

コガンピの木質化した幹(樹皮) 三浦市 2025/08/05
神奈川県内では箱根から伊豆半島方面にかけてその地方特産の絶滅危惧種サクラガンピ(桜雁皮)なる近似種が分布。日本固有種。
コガンピの花
茎の頂上部付近で咲く。小花は一斉には咲き揃わず、ぱらぱらと順に咲き進む傾向。ジンチョウゲ(沈丁花)の花冠筒部(かかんとうぶ)をやたら長くした感じの姿。花色は白っぽいかうっすらピンク色を帯びる。ピンク色の濃さは同一個体でも時期によって変わるので、環境に左右されるのだろう。かわいらしい花なので、初めて見た人は外国産の園芸植物が生えているように感じてしまうのではないか。

コガンピの蕾 三浦市 2025/06/27

コガンピの開花直前の蕾 三浦市 2025/06/27

真上から見た開花直前のコガンピ 三浦市 2025/06/27

コガンピの花 三浦市 2025/06/27

コガンピの花 三浦市 2025/06/27

コガンピの花 三浦市 2024/07/05

コガンピの小花(花径1cm) 三浦市 2024/07/05
夏の間はあんまり見栄えはしないが細々だらだらと咲き続ける。ヒガンバナ(彼岸花)が見頃を迎える夏の終わりの短い期間だけもう一度ぱっと華やいで、暑さが鎮まって秋の涼しさを感じたら咲き終わり。

試験的に保護育成している三浦市産#コガンピの花 茅ヶ崎市浜之郷 2025/08/13

試験的に保護育成している三浦市産#コガンピの花 茅ヶ崎市浜之郷 2025/08/13
コガンピの実

コガンピの未熟な実 三浦市 2025/08/05

コガンピの未熟な実 三浦市 2025/08/05

コガンピの未熟な実 三浦市 2025/08/05

コガンピの未熟な実のサイズ感 三浦市 2025/08/05

コガンピの未熟な実 三浦市 2025/08/05

コガンピの未熟な実 三浦市 2025/08/05
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)
三浦市、横須賀市長井
静岡県・東伊豆町稲取・細野高原・桃野湿原(たいへん多い、静岡県指定天然記念物「細野湿原」)