テッポウユリ

鉄砲百合　ユリ目／ユリ科／ユリ属　花期／6月

稀少

#テッポウユリ　鎌倉市・大船フラワーセンター　2017/06/09

南西諸島（九州～台湾間にある沖縄などの諸島群）に自生する多年草でユリの一種。別名リュウキュウユリ（琉球百合）。花はラッパ形に咲き、大輪で、清楚な純白が美しい。知名度、ブランド力、人気、いずれも最高レベルのユリである。鉄砲という名前は、中世ヨーロッパで使用された古式ラッパ銃ブランダーバス（Blunderbuss）に形状が似ていることに由来するのだとか。テッポウユリは戦前から西洋への主要輸出品目であったので、もしかしたらカール・ツンベルク（1743-1828）やシーボルト（1796-1866）あたりが名付けたのかもしれない。太平洋戦争で使用された大日本帝国陸軍の主力の銃「九九式軽機関銃（きゅうきゅうしき－）」の先端に取り付けられていた消炎器（フラッシュハイダー）の形状が見事なラッパ形であるけれど、テッポウユリという和名は戦後になって付けられたわけではさすがにあるまい。神奈川県内では栽培ものをごくごく希に見かける程度。ユリは園芸品種がとっても多彩なため、本当にテッポウユリなのか何者なんだか得体の知れないものもいっぱい。ホームセンターの園芸コーナーで球根が大量に安価で市販されている「鉄砲百合」を名乗るものはすべて偽物と断じてまず間違いない（国華園のネット通販で「原種ユリ球根原種鉄砲ユリ 1球」は約二千円というお値段）。テッポウユリの開花を報告するブログ等のいうそれもまた、九分九厘テッポウユリでない。