狸豆 マメ目/マメ科/タヌキマメ属 花期/7月~10月上旬 結実期/8月~12月上旬
学名/Crotalaria sessiliflora L.
薬用自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IA類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅」

開花中の#タヌキマメ 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03 12:36
やや湿った草地に生える一年草。名は、茶色っぽい毛に覆われた実の姿がタヌキに見立てられたものと思われる。細い茎がしゅっと直立して草丈は人の膝(ひざ、高さ50cm)よりもやや背高に育つ。神奈川県内では、昭和60年(1985)に横浜市青葉区あざみ野三丁目で、平成10年(1998)に横浜市栄区中野町で採取された標本があるようだが、両自生地ともに滅失し県内絶滅。ただしその後、平成22年(2010)に大磯町で発見されたという話。具体的にどこでどのような状態で生えているのかは知らない。実の姿がおもしろいので希少な山野草として栽培されることがないではないが、見かける機会は希。茶花(ちゃばな)に使われることも。

プランター栽培されている#タヌキマメ 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

プランター栽培されている#タヌキマメ 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

開花中の#タヌキマメ 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03 12:00

花期終盤の#タヌキマメ 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

実がなったタヌキマメ 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

実がなった#タヌキマメ 大磯城山公園(おおいそじょうやま-) 2017/11/07

実が熟した#タヌキマメ 鎌倉市・円覚寺(えんがくじ)松嶺院 2020/10/31

実が熟した#タヌキマメ 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11
葉は互生で、細長い。マメ科の植物は三出複葉か羽状複葉のものが圧倒的に多いが、(ハナズオウ(花蘇芳)やハーデンベルギアなどと同様に)本種は単葉である。

#タヌキマメの葉 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

#タヌキマメの葉 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

#タヌキマメの葉 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03
タヌキマメの花
マメ科の蝶形花(ちょうけいか)。花色は紫色。青紫色といわれることが多いがやや赤紫色をしたものもある。マメ科の紫花は色味に振れ幅が出やすいので、本種もそうなのかもしれない。花は午前中は咲いておらず、季節・天候・日当たり具合などにも多少左右されるとは思うが、およそ正午前後以降に開いて午後に咲く。夕方には閉じてしまう一日花らしい。

タヌキマメの花 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03 12:01

#タヌキマメの花 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03 11:54
タヌキマメの実
花が咲いた後すぐに下向きに垂れるようにして膨らんだ実ができる。毛が生えているのはじつは萼で、萼に包まれるようにしてその中にコーヒー豆みたいな姿をした果実がある。種子は極小の粒。発芽率が悪いので、少々のタネを入手してちょろっと播(ま)いてみたところでやすやすと生え出てくることはないだろう。

#タヌキマメの未熟な実 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

#タヌキマメの未熟な実 東京都八王子市・長池公園 2025/10/03

#タヌキマメの未熟な実のサイズ感 東京都調布市・神代植物公園 2018/11/10

#タヌキマメの熟した実 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11

#タヌキマメの熟した実 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11
東京都文京区・#小石川植物園(分類標本園)、東京都調布市・#野草園、東京都調布市・#神代植物公園(植物多様性センター武蔵野ゾーンAエリア情報館前池畔、山野草園)、東京都小平市・#東京都薬用植物園(鉢植え)、東京都八王子市・#長池公園(自然館の中庭テラスで保護育成の鉢植え、築池北西端の保護植物育成エリア)、東京都町田市・#小山内裏公園(おやまだいり-)
#明王院(客殿前庭)、#円覚寺松嶺院
#大磯城山公園(山野草園、平成30年(2018)なし、滅失か)
大和市・#常泉寺
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
タヌキノカミソリ
オオバナイトタヌキモ