タチイヌノフグリ

立犬の陰嚢 シソ目/オオバコ科/クワガタソウ属 花期/3月末~5月 結実期/4月中旬~6月
学名/Veronica arvensis L.

外来種駆除

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

ヨーロッパなどを原産とする一年草。乾燥した市街地の道端やら公園やらに帰化しており、雑草としてあちらこちらにたくさん生えている。草むしりを怠っている花壇にも、よく他の雑草に紛れて生えてくる。同様に帰化雑草であるオオイヌノフグリ(大犬の陰嚢)の仲間で、葉がよく似ており紛らわしい。名は、茎に直立する傾向がみられることから。湘南・鎌倉・三浦半島でありふれた普通種。但し、花がオオイヌノフグリよりも格段に小さく視認しづらいこと、日が差してようやく花弁が開くが昼過ぎにはさっさと散ってしまうことから、身近でありながらもあまり一般の人の目には留まらない地味な存在かもしれない。全体的なサイズ感や個々の葉の大きさは個体差あり様々。ボールペンを立てたくらいの草丈になるのが平均的と思われるが、楊枝(ようじ)ほどの草丈さえないものもある。

花期始めのタチイヌノフグリ 鎌倉市・円覚寺 2019/03/31

花期始めのタチイヌノフグリ 鎌倉市・円覚寺 2019/03/31

花期始めのタチイヌノフグリ全体図 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/04/02

花期始めのタチイヌノフグリ全体図 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/04/02

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

石垣の間に生えていた完全直立型タチイヌノフグリ 鎌倉市・円覚寺 2019/03/31

石垣の間に生えていた完全直立型タチイヌノフグリ 鎌倉市・円覚寺 2019/03/31

花壇に生えたタチイヌノフグリ 藤沢市・長久保公園 2018/05/14

花壇に生えたタチイヌノフグリ 藤沢市・長久保公園 2018/05/14

花期後半のピンク花のタチイヌノフグリ 藤沢市・長久保公園 2018/05/14

花期後半のピンク花のタチイヌノフグリ 藤沢市・長久保公園 2018/05/14

オオイヌノフグリとフラサバソウ(フラサバ草)は秋に発芽するのがふつうであるが、タチイヌノフグリが湧き出てくるのは明らかに遅くて春の気配を感じるようになってから。(暖秋暖冬の年はオオイヌノフグリ等と同時期に発芽も。)

イヌノフグリと紛らわしい、若いタチイヌノフグリの葉 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/02/26

イヌノフグリと紛らわしい、若いタチイヌノフグリの葉 茅ヶ崎市・ほし潮香公園 2019/02/26

葉は対生、茎上部では互生。茎下部に生える葉の形状と大きさはオオイヌノフグリにそっくりなものがある。但し、オオイヌノフグリの開花時期はとっくに到来していながらもなっかなかソメイヨシノ(染井吉野)が咲き始めるまで)花を付けない、よく見れば葉に生えている毛がオオイヌノフグリよりも少なめで、葉脈がまるでイヌノフグリのようにくっきりと凹んで見える、などの僅かな違いあり。なお、花が咲くようになれば(ムシクサ(虫草)を除く)近似の他種とは明瞭に区別できる姿に変わる。

タチイヌノフグリの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/02/29

#タチイヌノフグリの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/02/29

タチイヌノフグリの葉、中心部に密生している幼芽が細め 横須賀市・鴨居3丁目公園 2018/03/11

タチイヌノフグリの葉、中心部に密生している幼芽が細め 横須賀市・鴨居3丁目公園 2018/03/11

オオイヌノフグリと紛らわしい、花期始めのタチイヌノフグリの葉 鎌倉市・妙本寺道 2019/03/31

オオイヌノフグリと紛らわしい、花期始めのタチイヌノフグリの葉 鎌倉市・妙本寺道 2019/03/31

オオイヌノフグリとタチイヌノフグリの見分け方 茅ヶ崎市浜之郷 2020/01/14

オオイヌノフグリとタチイヌノフグリの見分け方 茅ヶ崎市浜之郷 2020/01/14

タチイヌノフグリの苞(ほう、茎最上部の花が咲くあたりにある小さな葉)は成葉(せいよう)と形状が明らかに異なっていて、やや細めな三角形をしている、のも大きな特徴。

オオイヌノフグリとタチイヌノフグリのの苞の違い 茅ヶ崎市浜之郷 2020/02/28

オオイヌノフグリとタチイヌノフグリの苞(白色矢印)の違い 茅ヶ崎市浜之郷 2020/02/28

茎が長く成長した花期終わりのタチイヌノフグリ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

茎が長く成長した花期終わりのタチイヌノフグリ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/05/17

タチイヌノフグリの花

苞の間から顔を覗かせるようにして咲く。苞に窮屈に挟まれてしまって花冠をしっかり開けないことも。花の大きさはオオイヌノフグリとは比較にならないほど小さく、どちらかといえばイヌノフグリやフラサバソウと同程度。花色は基本的にはオオイヌノフグリと同じ青であるが、イヌノフグリやフラサバソウと同じ淡い赤紫色(薄ピンク色)をしているものもある。”花が小さくてピンク系は在来の稀少種イヌノフグリ”と思い込んでいるとタチイヌノフグリのピンク花にまんまと騙されることに。蕾は白っぽい。開花はオオイヌノフグリなどから明らかに遅れてソメイヨシノ(染井吉野)以降。但し暖冬であれば二月くらいから咲いていることも。

タチイヌノフグリ 茅ケ崎里山公園 2017/04/17

タチイヌノフグリ 茅ケ崎里山公園 2017/04/17

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

タチイヌノフグリ 鎌倉市・JR横須賀線扇ガ谷ガード周辺 2019/03/31

ピンク花のタチイヌノフグリ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/04/07

ピンク花の#タチイヌノフグリ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/04/07

タチイヌノフグリの青花とピンク花の比較 藤沢市・長久保公園 2018/05/14

タチイヌノフグリの青花とピンク花の比較 藤沢市・長久保公園 2018/05/14

なお花期後半はムシクサとたいへん紛らわしい姿になるため混同しないよう。ムシクサはふつう無毛で、白花。タチイヌノフグリの葉には毛がよく目立つ。

タチイヌノフグリ(青花)とムシクサ(白花) 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/30

タチイヌノフグリ(青花)とムシクサ(白花) 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/30

タチイヌノフグリの実

タチイヌノフグリの実 藤沢市・辻堂海浜公園 2019/06/08

タチイヌノフグリの実 藤沢市・辻堂海浜公園 2019/06/08

タチイヌノフグリの実 藤沢市・辻堂海浜公園 2019/06/08

タチイヌノフグリの実 藤沢市・辻堂海浜公園 2019/06/08

実は無柄(むへい)で、ほとんど膨らまない。中にはイヌノフグリのよりも小さな種子がニ十個近くはあるだろうか収まっている。

タチイヌノフグリの実 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/14

タチイヌノフグリの実 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/14

タチイヌノフグリの熟した実 藤沢市・辻堂海浜公園 2019/06/08

タチイヌノフグリの熟した実 藤沢市・辻堂海浜公園 2019/06/08

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