虫草 シソ目/オオバコ科/クワガタソウ属 花期/4月~5月中旬
学名/Veronica peregrina L.
自生種
ムシクサ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/30
やや湿った場所に好んで生えるという一年草。田んぼ周辺や湿地、川べりなどでムシクサを探したことがないので本当にそうなのかは知らないが、ふつうにその辺の乾燥した道端や特に畑の周辺にも生えているので、おそらくは特にどうということのない雑草なのではないか。ただし、花が極めて小さく目立たないため、ふつうに歩いている、あるいは地面に生えている花を観察しながら歩いている程度の注意力ではなかなか目に入って来ないかもしれない。背丈は人の足首程度。名は、実がことごとくムシクサコバンゾウムシに寄生され虫癭(ちゅうえい、虫こぶ)になることから、という。
ムシクサの若めの株 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/03/30
ムシクサの若めの株 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03
水田雑草に混じって生えたムシクサ 寒川町田端・田んぼ 2020/04/11
花期始めの若い株と成長した花期終わりでは全体的な様子がまったく異なるので注意したい。若いものはふつうのありがちな草の様相、成長すると茎がにょきにょき徒長してタチイヌノフグリ(立犬の陰嚢)の大きな個体とそっくりに。タチイヌノフグリは全体的に毛が多く花は青(または薄紫)、ムシクサは無毛で花は白なので見分けは容易。タチイヌノフグリの葉には毛がよく目立つ違いも。ヤエムグラ(八重葎)の仲間のようにも感じられることがある。
ムシクサの大きく成長した株 茅ヶ崎市東海岸南 2018/04/14
ムシクサの大きく成長した株、周囲に徒長しかけの茎が出始めている 茅ヶ崎市東海岸南 2018/04/14
ムシクサ、成長して茎が徒長 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/28
ムシクサ、成長して茎が徒長 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/28
ムシクサ、成長して茎が徒長 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/28
ムシクサ、成長して茎が徒長 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/30
タチイヌノフグリ(青花)とムシクサ(白花) 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/30
ムシクサの花
花は葉腋に付き、すこし潰れた感じで、白色。これがじつに目立たない。
ムシクサ 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/28
ムシクサの実
扁平なハート形。赤みを帯びてぱんぱんに膨らんでいるものは虫癭である。
ムシクサの虫癭(虫こぶ) 茅ヶ崎市萩園・相模川沿い農地 2018/04/28
開巻第一、巻頭の画像に刮目した。
周囲の「自生」種です。
庭では「他種との生存競争に負ける」せいか、
出現個所は「決まって、取付道路(アスファルト舗装)のひび割れ箇所や施工ジョイント部の隙間」で、放置すれば「根が深く張り、地上部は繁茂」します。
日光が直射し、アスファルト舗装ならではの蓄熱もあり、さながら「ソノラ砂漠」的に過酷な環境と思われるが、へこたれることもなく、生き生きと成長します。
その(他種が寄り付かないような)過酷な環境が「適地」なのかもしれない。
花は可憐です。
舗装の劣化要因を懸念するため、早々に抜根しており「虫癭」には縁がなかったようです。(他所で)見かけることがあれば観察してみます。