三島柴胡 セリ目/セリ科/ホタルサイコ属 花期/6月中旬~11月上旬
学名/Bupleurum stenophyllum (Nakai) Kitag.
薬用自生種稀少保護
環境省レッドリスト「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IA類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」

#ミシマサイコ 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03
丘陵地や山地の日当たりの良い草地に生える多年草。根を乾燥させたものが解熱・鎮痛などに効く生薬・漢方薬の柴胡(さいこ)になる。和製ハーブ(独特な芳香ある食草や薬草全般の総称)の一種で、全草苦くさい。なお中国など外国産の柴胡は別の近似種の根から作られたものである。精神を意味する英語のサイコ(Psycho)や富士五湖の西湖(さいこ)とは関係ない。古くは鎌倉で採れたものが最上品とされカマクラサイコ(鎌倉柴胡)と呼ばれていたようだが、伊豆・箱根・富士の裾野といった辺りで産出するものが現在の静岡県三島市に集荷され特産品として名物になったことから、現在はミシマサイコの名称で定着している。この薬草掘りはいいカネになったらしく、明治時代初期(1870年頃)には伊豆国の大川村が年間100kg超の柴胡を生産していたとの驚異的な記録も見つかっており(令和元年(2019)7月6日 伊豆日日新聞)、どうやら昭和時代初期(1926年頃)にはもう日本各地で採り尽くされてしまったようである。神奈川県内では、相模原台地から丹沢・箱根にかけて、あるいは三浦半島や大磯丘陵などに広く自生があったようだが、いま現在はじつはもう絶滅してしまっているのではないかとの懸念あり。近年は目撃例がない。植物園などで栽培されることあり。相模原市の南部は昔”柴胡が原”と呼ばれていたことがあるとかで、相模原柴胡の会が丹沢の塔ノ岳に自生していた株の子孫を精力的に保護育成している。

#ミシマサイコ 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03
発芽と初期の生育が遅く、雑草に負けて滅しやすい。茎は極細でひょろひょろ、草丈は人の腰より上(80cm)くらいにはなり、倒れやすい。大きく成長したあとでも葉が細くて数が少ないため、他の雑草に埋もれると負けて滅する。特技は根腐れ。とにかく水はけを最重視した土を用い、水と肥料は最小限に控えること。

#ミシマサイコ 相模原市南区・相模原麻溝公園 2019/08/17
葉は互生で、カーネーションのように細長い。もっと幅広で基部が豪快に茎を抱いていたら近似種ホタルサイコ(蛍柴胡)。これもまた既に絶滅しちゃってる疑惑がかけられている希少種である。

#ミシマサイコの葉(周囲の広葉はイヌタデ) 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03

#ミシマサイコの葉 相模原市南区・相模原麻溝公園 2019/08/17
節間がきゅっと短くなった海岸型は品種ハマミシマサイコ(浜三島柴胡)という。かつて三浦市・城ヶ島で産出したとかいうミシマサイコはこれだろうか。三浦半島の海に接した岩崖(がんがい)周辺の草地にもしかしたら自生が残っているかもしれないが、近頃は発見の報告がないので、やはり絶滅している可能性も。
カワラサイコ(河原柴胡)やスズサイコ(鈴柴胡)はまったくの別種。ただしこれらも絶滅危惧種。なぜかサイコの名が付くものはみな不幸な運命をたどっている。
ミシマサイコの花
雰囲気は黄色花のカスミソウ(霞草)といった感じ。生け花などに使われることがある。小花は直径2mmしかなく、ルーペ(10倍)でも覗かない限り肉眼では細部が見えたものでなし。鮮やかな濃い黄色を発しているときが咲いているときである。小花の中心部に雌蕊(厳密には柱下体という)あり。花弁は五枚で内側にくるりんと強く巻いており、開かない。雄蕊はすべての小花に出現するわけではないのか(順次脱落してしまっているのか)、花弁の間から変な感じに一本から三本突き出ることがある。見頃は8月中旬。

#ミシマサイコ 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03

#ミシマサイコ 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03

#ミシマサイコ 茅ヶ崎市浜之郷 2022/08/03

#ミシマサイコ 相模原市南区・相模原麻溝公園 2019/08/17

#ミシマサイコ 相模原市南区・相模原麻溝公園 2019/08/17
よく栽培されている夏に咲く黄花はオミナエシ(女郎花)である。
東京都文京区・#小石川植物園(分類標本園、薬園保存園)、東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター、東京都小平市・#東京都薬用植物園(漢方薬原料植物区)、横浜市南区・#こども植物園
#長谷寺(書院(写経会場)庭)
相模原市中央区・#エコパークさがみはら(環境情報センター、プランター栽培)、相模原市南区・#「県立相模原公園前」バス停(柴胡が原陸橋命名碑横に花壇)、相模原市南区・#相模原麻溝公園(緑の広場と第1駐車場の間の通路沿いに花壇、8月にサイコフェア=種苗の頒布も)、相模原市南区・#モナの丘(畑に柴胡育成園)、海老名市・#今福薬医門公園、静岡県賀茂郡東伊豆町・稲取細野高原
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
カワラサイコ
スズサイコ
オミナエシ
こんばんは!
昔は広大な草原だったらしく 開拓すると自分の所有地になるという時期に
こぞって農地にしたと聞いた事が有ります。
もしかしたら私の家の辺りも柴胡が原だったのかもしれません・・・。
野草のくせに少々ひ弱なミシマサイコ
保護育成や周囲に存在を周知してもらう団体があるって良かったね
mirusiruさんの撮って出しの画像と過去の画像の説得力
解説も全て分かりやすくて柴胡フェアの前で 致せり尽くせりです。
ミシマサイコは無口ですが おしゃべりな私が変わって感謝申し上げます
そして早速 ミシマサイコ講習会の申し込みしました。
受講すると苗も頂けるそうで今から楽しみです。
お盆過ぎたら平塚の田んぼ歩きを再開します
野草沼に浸かって 自分には何が出来るのか考えるのも夢があって楽しい
・身近な野草の観察園
・水田ビオトープ
入園料100円 団体は割引あり
管理が大変そうだな・・・。
ひとまずブログからだな(笑)