ナガバジャノヒゲ

長葉蛇の髭 キジカクシ目/キジカクシ科/ジャノヒゲ属 花期/7月上旬~中旬 結実期/12月~3月

自生種

ナガバジャノヒゲ 鎌倉中央公園 2018/07/08

ナガバジャノヒゲ 鎌倉中央公園 2018/07/08

丘陵地などの日当たりのよくない林床に生える常緑の多年草。ジャノヒゲの変種とされる。ジャノヒゲ同様、神奈川県内に広く分布する普通種。葉しか生えていないものは成長具合によってはジャノヒゲなのか何なのかよくわからないものも。なおオオバジャノヒゲ(大葉蛇の髭)は名前が紛らわしいだけでそっくりなものではない。

丘陵地斜面に生えたあまり大きく生育はしていないナガバジャノヒゲ 鎌倉中央公園 2018/07/08

丘陵地斜面に生えたあまり大きく生育はしていないナガバジャノヒゲ 鎌倉中央公園 2018/07/08

ハイキングコース沿いに点在するナガバジャノヒゲの大きな株 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ハイキングコース沿いに点在するナガバジャノヒゲの大きな株 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

葉は細い線形。ジャノヒゲ同様に、葉の表は主脈部分が一本線に凹まない、葉裏には緑色と白っぽい緑の縞々模様がある。葉の縁(ふち)には視認できない程度の小さなぎざぎざがあるため、指で(葉先から基部の方向に向かって)なぞるとざらざらする。

ナガバジャノヒゲの葉表 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの葉表 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの葉裏に見える緑と白の縞々模様 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの葉裏に見える緑と白の縞々模様 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

葉の長さはジャノヒゲよりも明らかに異様に長く、目安として30cm以上。ときに40cm程度、人の指先から肘(ひじ)くらいの長さに達する。

ナガバジャノヒゲの葉 鎌倉市山崎(やまさき) 2018/07/08

ナガバジャノヒゲの葉(定規は15cm) 鎌倉市山崎(やまさき) 2018/07/08

葉の幅は、『神奈川県植物誌2018』によればジャノヒゲより細いらしい。実見したものでは差異なく共に3mm程度。

ジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、オオバジャノヒゲの葉の幅の比較

ジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、オオバジャノヒゲの葉の幅の比較

地下茎を伸ばした先に子株を作って増えてゆくジャノヒゲに対し、ナガバジャノヒゲは地下茎を出さず、自らの叢生(そうせい)する葉をどんどん増やして株を大きく太らせてゆく。そうなるとこんもりと葉が茂り、歌舞伎役者が演じる石川五右衛門の髪型のようなふっさふさな姿になってゆく。(スゲの仲間も同様の姿になるが、葉裏に緑と白のストライプ模様があればナガバジャノヒゲである。)

こんもりと葉を茂らせたナガバジャノヒゲ 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

こんもりと葉を茂らせたナガバジャノヒゲ 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

こんもりと葉を茂らせたナガバジャノヒゲ 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

こんもりと葉を茂らせたナガバジャノヒゲ 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲは、ジャノヒゲ同様に密生させて栽培しグラウンドカバーとして用いられることがある。

ナガバジャノヒゲの密生、左上に見える白っぽい小花はマンリョウのもの 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

#ナガバジャノヒゲの密生、左上に見える白っぽい小花は#マンリョウのもの 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

葉の長さがジャノヒゲとナガバジャノヒゲの中間くらいのものにヒメヤブラン(姫藪蘭)があり、花や実がないと見分けは厄介。これらよりは大型で葉がやや幅広だったら、オオバジャノヒゲ、ヤブラン(藪蘭)キチジョウソウ(吉祥草)あたりだろう。株が突出して巨大だったらノシラン(熨斗蘭)

ヤブラン・ジャノヒゲ類の違いのまとめ

ヤブラン・ジャノヒゲ類の違いのまとめ

ナガバジャノヒゲの花

ジャノヒゲに同じ。花柄(かへい)を伸ばすも葉よりは短いためやはり葉に隠れる。ナガバジャノヒゲは葉が長いため、葉を手で掻き分け掻き分けしてようやく葉の付け根あたりで花を見つけられるような感覚。小花はジャノヒゲ同様下を向いて咲くためやはり観察に難。花色も同じく、ほぼ白色。厳密にはうっすらと紫がかっているが、肉眼では白っぽく見える。

ナガバジャノヒゲ 鎌倉中央公園 2018/07/08

ナガバジャノヒゲ 鎌倉中央公園 2018/07/08

ナガバジャノヒゲ(栽培) 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

#ナガバジャノヒゲ 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

ナガバジャノヒゲ(栽培) 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

#ナガバジャノヒゲ 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

ナガバジャノヒゲ(栽培) 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

#ナガバジャノヒゲ 鎌倉市・光則寺 2018/07/08

ナガバジャノヒゲの実

ジャノヒゲに同じで、実(のように見える露出した種子)は冬に緑色から紺色(コバルトブルー)に熟す。実の大きさはジャノヒゲよりもやや大きめで、直径10mm前後。ジャノヒゲの実と違ってよく跳ねるものでない。

ナガバジャノヒゲの未熟な実 横須賀市・武山ハイキングコース 2016/11/06

ナガバジャノヒゲの未熟な実 横須賀市・武山ハイキングコース 2016/11/06

ナガバジャノヒゲの熟しかけの実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ナガバジャノヒゲの熟しかけの実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ナガバジャノヒゲの熟しかけの実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ナガバジャノヒゲの熟しかけの実 鎌倉中央公園 2017/11/16

葉を掻き分けてようやく見えてきたナガバジャノヒゲの実 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

葉を掻き分けてようやく見えてきたナガバジャノヒゲの実 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの実 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの実 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの実 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲの実 葉山町/逗子市・森戸川源流 2018/12/21

ナガバジャノヒゲは花も実も長い葉に埋没してしまっているため花柄(かへい)ないし果柄(かへい)の長さは見た目ではわからないが、引っこ抜いてみると思いのほか長くて15cm(成人男性の中指の長さの二倍)くらいあった。ジャノヒゲの柄(え)とは比較にならない長いものである。

オオバジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、ジャノヒゲの果柄の比較

ジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、オオバジャノヒゲの果柄の比較

ジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、オオバジャノヒゲ、ヤブランの実の比較

ジャノヒゲ、ナガバジャノヒゲ、オオバジャノヒゲ、ヤブランの実の比較


武山ハイキングコース(砲台山分岐付近)、大楠山、森戸川源流、神武寺(薬師堂境内)、#光則寺(門前参道石段の左右にグラウンドカバーとして)、鎌倉中央公園(農家風休憩舎~疎林広場)

新林公園

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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