小白根 シソ目/シソ科/シロネ属 花期/7月下旬~10月
学名/Lycopus cavaleriei H.Lèv.
自生種稀少保護
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
日当たりの良い湿地に生える多年草。名は、草丈が1mにもなる大型なシロネに比べれば小さなもの、の意。シロネは地下茎が白いのだそうな。本種の草丈は人の膝(ひざ、高さ50cm)内外。茎はふつう分枝せず、直立する。別名イヌシロネ(犬白根)。サルダヒコ(猿田彦)という謎の異名もある。猿田彦(さるたひこ、さるだひこ)とは記紀(『古事記』と『日本書紀』)に掲載されている天孫降臨(てんそんこうりん)という神話において、瓊瓊杵尊(ににぎのみこと)という神が天上から日本国に降り立った際にその道案内をしたとされる神のこと。地域の祭礼で神輿渡御(みこしとぎょ)の先導をしている高下駄を履いた天狗がそれである。ちょっと意味は分からない。神奈川県内では丹沢を除いて広い範囲に分布するので普通種の扱い。湘南・鎌倉・三浦半島にも自生あり。湿地自体が多くはないので、従って自生地もさほど多くはないはずである。タコノアシ(蛸の足)が生えているようなところを探してみると見つけられるかも。近似種ヒメシロネ(姫白根)などとは葉の形状の違いで見分ける。
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネ 鎌倉広町緑地 2022/09/25
コシロネの葉 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネの葉 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネの葉 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
茎がよく分岐して、その結果葉が小さくなったものを、かつては変種に位置付けてヒメサルダヒコ(姫猿田彦)と呼び分けていた。現在はコシロネの一形態という扱い。ヒメコシロネ(姫小白根)とは言わない。
コシロネの花
葉腋(ようえき)に密接して、白色の小さな花を咲かせる。
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
コシロネ 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2023/07/31
鎌倉広町緑地(入口広場と田んぼの間の湿地)、藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)