疣取木、水蝋樹 シソ目/モクセイ科/イボタノキ属 花期/5月中旬~6月上旬 結実期/11月~12月
自生種
イボタノキ 横浜市戸塚区・舞岡公園 2017/05/16
明るい山野に生える落葉低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。湘南・鎌倉・三浦半島ではどうもあまり見かけた記憶がないのだが、あちこちに生えているどうということのない普通種という。開花時期に天園などのハイキングコースを歩けばたくさん出会えるかも。
葉は、主脈一本くっきり凹む。
イボタノキの葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/08/02
近くには幼虫がイボタノキを食草とするウラゴマダラシジミがちらちら飛んでいるかもしれない。
イボタノキの、メギと見間違えそうになる生え方をした結実期の葉 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/11/15
イボタノキの花
近縁種のネズミモチ(鼠黐)の花を思わせるきれいな白色。
イボタノキ 藤沢市・長久保公園 2017/05/15
イボタノキ 藤沢市・長久保公園 2017/05/15
同系統の花を咲かせるものに、ミヤマイボタ(深山水蝋)、ミウライボタ(三浦水蝋)、オカイボタ(丘水蝋)、オオバイボタ(大葉水蝋)があり見分けが極めて厄介。ミヤマイボタは山地に分布し、神奈川県内では丹沢や箱根にのみあり。他は湘南・鎌倉・三浦半島にも自生。ミウライボタはミヤマイボタの低丘陵型変種。オオバイボタの内陸型変種がオカイボタで、オオバイボタは海辺に生える海岸型。
なお雄蕊が花冠から長く突き出て明らかに花糸(かし)まで露出しているならネズミモチかトウネズミモチ(唐鼠黐)の花だろう。
イボタノキの実
緑色から暗い紺色に熟す。が、肉眼ではほぼ黒色に見える。
イボタノキの若い実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/08/02
イボタノキの若い実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/08/02
イボタノキの実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/11/15
イボタノキの実 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2018/11/15
横浜市栄区・横浜自然観察の森(モンキチョウの広場)、横浜市港北区・#新横浜公園(中央広場周辺の生垣にセイヨウイボタ、5月15日頃?)、横浜市戸塚区・舞岡公園
三浦アルプス、江の島・龍野ヶ岡自然の森(オオバイボタ)
#浄光明寺、#長久保公園、清水谷
相模原市南区・#相模原公園(グリーンハウスとフランス式庭園の間にシルバープリベット)
>明るい山野に生える落葉低木で、中略、あちこちに生えているどうということのない普通種という。
>近くには幼虫がイボタノキを食草とするウラゴマダラシジミが…
>イボタノキの花:近縁種のネズミモチ(鼠黐)の花を思わせるきれいな白色。
>イボタノキの実:緑色から暗い紺色に熟す。が、肉眼ではほぼ黒色に見える。
いつもながら、的確で明快な「解説」に感心させられます。
イボタノキは、
かくいう我家にもボコボコと出現します。
当初、何なのかが分からず、地域の人や造園業者に尋ねても「ザクロに似ているけど…」程度の回答だった。
物珍しさから、一本だけ残して様子を見ることにした。
初夏、ライラックを小振りにしたような花を付け、ギンモクセイのような良い芳香もある。
成長が遅く、コンパクトにまとまっているので、庭木として残すことにした。
それから数年、園芸種ではないため「花付きは疎らで、花も短命」で、邪魔な存在に感じて抜いてしまった。
今でも、ヒヨドリが止まる枝下には「イボタノキを始め、サンショウ、イヌツゲ、ヤブラン、ジャノヒゲ属、など」がボコボコと生えだしてくる。その実は、さながら「正露丸」のように黒く小さく目立たないが、ヒヨドリにとってはご馳走らしく、いち早く無くなってしまう。(いつまでも残るのは、美しいナンテンの実。美しくもない「黒い実のものは、大概に人気」なので美味しいのかな)
ウラゴマダラシジミが好むのならば、また「一本」ぐらいは残そうかな。