あめりかきかし草 フトモモ目/ミソハギ科/キカシグサ属 花期/7月?~10月?
Rotala ramosior (L.) Koehne
外来種駆除
アメリカキカシグサ 開成町(-まち)延沢(のぶさわ) 2024/08/25
日当たりの良い湿地や浅い水辺に生える、北米から熱帯アメリカを原産とする一年草。主に田んぼに帰化している水田雑草である。日本国内では平成9年(1997)に横浜市で気付かれたのが最初の発見。但しのちに、昭和末期(-1989)には千葉県内に既に帰化していたことが明らかになった。いずれにせよ、新しい帰化植物といえる。侵入経路は不明。ぱっと見た感じの姿は、キカシグサよりも、ヒメミソハギ(姫禊萩)や外来種ホソバヒメミソハギ(細葉姫禊萩)の方が雰囲気が似ており、これらと混同しかねないので注意が必要。神奈川県内では主に開成町周辺に帰化が多い。湘南・鎌倉・三浦半島にはまだ侵入していないようである。
田んぼに生えたアメリカキカシグサ等 開成町延沢 2024/08/25
田んぼに生えたアメリカキカシグサ 開成町延沢 2024/08/25
田んぼに生えたアメリカキカシグサ 開成町延沢 2024/08/25
田んぼに生えたアメリカキカシグサ 開成町延沢 2024/08/25
田んぼに生えたアメリカキカシグサの大株 開成町延沢 2024/08/25
田んぼに生えたアメリカキカシグサの大株 開成町延沢 2024/08/25
葉は十字対生し、狭楕円形。葉身基部はすらっと細い葉柄(ようへい)状。
アメリカキカシグサ 開成町延沢 2024/08/25
アメリカキカシグサの花
大きさはホソバヒメミソハギくらいで、色はヒメミソハギのようなかわいらしい薄ピンクの花が咲く。従って、うっかりするとどちらかと誤同定しかねない。草姿はヒメミソハギにより近いこともあって、ヒメミソハギってこんなに花が大きかったっけなあ、こんな葉っぱだったっけなあ、と少し疑問に感じながらも、うっかりするとヒメミソハギなのだろうとしてしまいかねない。が、ホソバヒメミソハギもヒメミソハギもヒメミソハギ属に分類される植物なので、葉腋(ようえき)に複数個の花が咲くという特徴がある。本種はキカシグサ属に分類される植物であり、葉腋に一個だけ花を付ける、という決定的な違いあり。よく見ればホソバヒメミソハギやヒメミソハギとは葉身基部の形状も明らかに異なっている。
アメリカキカシグサ 開成町延沢 2024/08/25
アメリカキカシグサ 開成町延沢 2024/08/25
開成町延沢(あしがり郷 瀬戸屋敷の南東の水田)
参考資料
早川宗志・藤井俊夫「水田雑草アメリカキカシグサ(ミソハギ科)の初帰化年の整理および四国・九州への新帰化」
/ 『雑草研究 第67巻2号』 日本雑草学会発行(2022)
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)