塩屋虻 昆虫/ハエ目/ムシヒキアブ科 成虫/7月~9月
学名/Promachus yesonicus Bigot, 1887
在来種
シオヤアブのオス 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2020/08/11
体長2.5cmくらいある大型の、ぱっと見はハチ(蜂)なのかハエ(蠅)なのか迷うところではあるが、アブの一種。オオスズメバチ(大雀蜂)ほどではないにせよかなり大きなアブなので人の目に留まることが多い。多くの人が「刺されるのではないか」「咬(か)まれるのではないか」という恐怖に近い緊張を強いられるだろうが、(素手で捕まえるなどしない限りは)特に害はない。人に危害を加えるアブは本種ではない。
シオヤアブのメス 小田原市早川 2023/08/01
梅雨が明けた真夏、ハイキングコースはもちろん、公園、草原、何なら市街地の民家の庭にだって飛んでくる、よく見かけるごくごくありふれた普通種。ぶーんと大きな羽音を立てて飛び回るだけでなく、葉っぱなどの上に止まってじっとかしていることも多いので、一般の人もシオヤアブの姿は一度は見たことあるだろう。肉食で、チョウ(蝶)でもコガネムシ(黄金虫)でも何でも構わず昆虫を捕らえて食らう。スズメバチさえも襲って食べちゃうことがあるため、”最強の暗殺昆虫”の称号を得る(ことがある)。カマキリ(鎌切)のようにむしゃむしゃかじって食べるのではなく、タピオカ用の極太ストローを思わせる口をぶっ刺して獲物の体液をちゅうちゅう吸引する。結構長いお時間をかけてお食事されるので、その間はそっと近寄って観察することも可能。人間を襲ってくることはまずないが、ごく希にとち狂った奴がこちらに向かって飛んで来ることもあるので注意はしておきたい。その場合は(スズメバチへの対処方法とは違って)手に持っていた汗拭きタオルをぶんぶん振り回すなどして追い払って構わない。戦って撃退すべし。大きな肉食アブなので恐怖を感じる人は多いと思うが、しつこく付きまとってくることはないはず。何にもしてこなければ、こちらから積極的に殺しに行く必要もなし。基本は、距離を保って無視。何もしないで放置。ふつうは昆虫を食べているだけなので、人間からしたら益虫ともいえる。チャームポイントは尻先の白いふわふわ。これがいつも塩を携えているように見えることから塩屋の名前が付けられた模様。なお白毛があるのは雄(オス)だけ。
シオヤアブのオス 横浜市栄区・横浜自然観察の森 2020/08/11
交尾中のシオヤアブ 横浜市栄区・小菅ケ谷北公園 2019/06/26
昨日1匹電殺ラケットで撃墜。刺さないのですね。気の毒なことをした。でも刺しそうな勢いでまとわりつく。汗の匂いに反応しているのか何なのか。人に寄ってくる蚊やアブを狙っているのかも。まとわりつく理由を教えていただければ幸いです。