藻屑蟹 甲殻類/エビ目/イワガニ科/モクズガニ属 見頃/9月~10月
食用在来種
岩の隙間から出てきて食事中のモクズガニ 鎌倉市雪ノ下・鶴岡八幡宮・御谷川 2017/09/19
基本的には川にいるカニ。淡水性のカニとしては日本最大種(成人女性の手のひらサイズ)。体色はふつうモスグリーンのような黒っぽいような色。秋に産卵のため河口へ下るため、海に近い湘南・鎌倉・三浦半島ではその直前の時期に比較的多く目撃できるのではないか。名はハサミ脚に”もふもふ”が生えており、これが藻屑に喩(たと)えられたもの。モズクガニではなくモクズガニ。昭和時代(-1989)は用水路や川を漁(あさ)ればまま見かけることができた普通種だったが、激減しているとかいう噂。
岩陰に隠れようとするモクズガニ 鎌倉市雪ノ下・鶴岡八幡宮・御谷川 2017/09/19
基本的に夜行性。身を隠すことができる岩の隙間などの狭い場所を巣(隠れ家)にしており、薄暗くなってくるとそこからこそこそ這い出てきて、見かけによらずちまちまと川底のデトリタス(動植物由来の屑)をつまんで食べている。
岩の隙間から出てきて食事中のモクズガニ 鎌倉市雪ノ下・鶴岡八幡宮・御谷川 2017/09/19
岩の隙間から出てきて食事中のモクズガニ 鎌倉市雪ノ下・鶴岡八幡宮・御谷川 2017/09/19
通称シャンハイガニ(上海蟹)は、シナモクズガニ(支那藻屑蟹)ないしチュウゴクモクズガニ(中国藻屑蟹)という名前の近似種。中華料理の食材としてお馴染みであるが、じつは特定外来生物に指定されており、生きた状態での輸入や保管・販売などは(国の許可を得ている場合を除いて)違法である。なおモクズガニも食用になりおいしいという。清流ではなく濁ったドブ川にも生息するため一般人が捕って食べることはあまりしないと思うが。
農業用水路に入り込んだモクズガニ 茅ヶ崎市浜之郷 2019/08/20