日暮 昆虫/カメムシ目/セミ科/ヒグラシ属 成虫期/7月~8月
学名/Tanna japonensis Distant, 1892
在来種
ヒグラシ 山北町・西丹沢ビジターセンター・奥中川園地 2017/07/31
やや涼しめな山地や丘陵地の林内で甲高く「カナカナカナ‥」と鳴く中型(やや小型)のセミ。この声を聞けば気分はたちまち志賀高原(長野県)か軽井沢(同)だが、神奈川県南部でも三浦丘陵や大磯丘陵のみならず清水谷(しみずやと)や茅ケ崎里山公園周辺といった丘陵とも言い難いちょっとしたアップダウンある土地にも生息している。しかし完全な平地には一匹たりともいないから不思議。ほんのわずかでもいいから地面が傾斜していないと嫌だ、という確固たる信念が伺える。住宅街にもいない。小山があって森があって日影が多い(ヤブカ(藪蚊)が大量に飛び回っているような)場所にヒグラシはふつうにいる。とはいえ、樹上にいるので声は聞こえど姿は見えぬ。
ヒグラシ 山北町・西丹沢ビジターセンター・奥中川園地 2017/07/31
ヒグラシ 藤沢市・江の島・児玉神社 2019/07/25
ヒグラシ 山北町・西丹沢ビジターセンター・奥中川園地 2017/07/31
ヒグラシ 山北町・西丹沢ビジターセンター・奥中川園地 2017/07/31
ヒグラシの茶色が強めな個体 藤沢市・新林公園 2017/07/27
大きさはアブラゼミ(油蝉)やミンミンゼミ(みんみん蝉)よりは小型で、ツクツクボウシ(つくつく法師)とほぼ同サイズか。ツクツクボウシは明らかに細身。ミンミンゼミの体色は黒と緑。ヒグラシは茶色と緑色である。
ヒグラシ 藤沢市・江の島・児玉神社 2019/07/25
鳴き声がうるさいと嫌われがちなセミにあって、数少ない人々に愛されるセミ。避暑に出かけた山間部などの豊かな自然とイメージが重なるためだろうか。声はどこかさびしく、はかなげで、懐かしい、幼少を過ごした田舎の風景を思い起こさせる。夏の終わりの夕暮れを連想させるが、本当のところは哀愁もへったくれもなく夏の始めからがんがん鳴いている。鳴く時間は主に朝と夕。真昼間は鳴かない傾向あり。
ヒグラシ 藤沢市・江の島・児玉神社 2019/07/25
新林公園、江の島(児玉神社など林内に ※児玉神社は令和元年(2019)競売(けいばい)にかけられ翌年落札のち封鎖されたため令和6年(2024)12月現在立入禁止)、高麗山公園(麓はクマゼミ多い、湘南平)