菊薊 キク目/キク科/トウヒレン属 花期/10月
学名/Saussurea ussuriensis Maxim.
自生種稀少保護
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IB類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IB類」
キクアザミ 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
主に山地の日当たり良い草地に生えるという多年草(宿根草)。名は、葉にキクのような切れ込みが入ることから。アザミ属には分類されていないので厳密にはアザミではないが、アザミに極めて近い仲間。キントキヒゴタイ(金時平江帯)などのなんちゃらヒゴタイ類と同属である。神奈川県内では丹沢や箱根といった山地を中心に三浦半島や大磯丘陵などにも分布はあるもかなり少なく、お目にかかれる機会は皆無に近い。花が小さいため目の前で咲いていてもぜんぜん気づかず素通りしてしまう。
キクアザミ 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミの茎 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミの茎上部の葉 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
葉の形状が独特で、中裂気味に切れ込みが入る。葉表はざらざらで、裏はつるつる。葉は硬めで鋸歯に小さな棘(とげ、植物の世界では「刺」と表記される)が見えるのだが、触っても意外と痛くない。切れ込みなければタンザワヒゴタイ(丹沢平江帯)、深裂していればミヤコアザミ(都薊)である疑い。
キクアザミの葉 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミの葉 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミの葉 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミの未開花株の根生葉 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミの花
花序は最も一般的なアザミであるタイアザミ(大薊)よりぜんぜん小さく細い。総苞はとげとげ尖らず、触っても痛くなく、白いクモ毛が生えており、べたべた粘着しない。
キクアザミ 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
キクアザミ 横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間 2024/10/26
横須賀市湘南鷹取/逗子市沼間(やや暗い木陰)
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)