軍配昼顔 ナス目/ヒルガオ科/サツマイモ属 花期/7月中旬?~11月?
学名/Ipomoea pes-caprae (L.) R.Br.
有毒自生種稀少保護

グンバイヒルガオの葉 三浦市・毘沙門海岸 2024/09/06
九州南部や沖縄県などの主に開けた砂浜に、ときに礫浜(れきはま)にも生え得る、茎が長く伸びて匍匐(ほふく)する蔓性の多年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。温暖な南国の植物であるが、種子が黒潮に乗って運ばれて神奈川県の海岸にも漂着し、かなり希ながら発芽に至ることがある。海岸に巨大な流木などが大量に打ち上げられるようなひどい荒天が過ぎると、ゴミだらけの砂浜で漂着物に混じってぽつりと生え出ていたりする。但し寒さに弱いため、神奈川県内では越冬できずに枯れ死んでしまうとされている。つまり県内では生え出た瞬間に「絶滅危惧IA類」相当の希少性が認められるわけだが、その後に迎える冬には「絶滅」する、という状態を繰り返している。定着が認められないためだろう、県のレッドリストには掲載はない。神奈川県内では越冬できないどころか、開花した記録もないと思われる。花はどうやら二年目以降の(それなりに大きく育った)株で咲く。花色はやや濃いめのピンク。朝開いて昼頃にはしぼみ始める一日花だとか。県内および近隣都県では温室で栽培されているということもなく、花を見られる機会はいまのところ皆無。昨今の地球温暖化が功を奏して、もしかしたら越冬に成功した個体が県内のどこかの浜辺で密かに花を咲かせてくる可能性も。千葉県では既に越冬も開花も確認されているようである。

グンバイヒルガオが生えた砂浜 三浦市・毘沙門海岸 2024/07/18

グンバイヒルガオ 三浦市・毘沙門海岸 2024/07/18

グンバイヒルガオが生えた砂浜 三浦市・毘沙門海岸 2024/07/18

グンバイヒルガオ 三浦市・毘沙門海岸 2024/07/18

グンバイヒルガオが生えた砂浜 三浦市・毘沙門海岸 2024/08/14

グンバイヒルガオ 三浦市・毘沙門海岸 2024/08/14

グンバイヒルガオが生えた砂浜 三浦市・毘沙門海岸 2024/09/06

グンバイヒルガオ 三浦市・毘沙門海岸 2024/09/06

グンバイヒルガオ 三浦市・毘沙門海岸 2024/11/08
葉は互生で、全縁(ぜんえん)。葉先が凹むため、軍配(武田信玄が手に持っている団扇(うちわ)みたいな道具)のような形状をしているのが名前の由来。(花柱の先端が二裂する)ヒルガオ属のヒルガオやハマヒルガオ(浜昼顔)とは違い、アサガオ(朝顔)と同じ(花柱の先端が二裂しない)サツマイモ属に分類されている。

#グンバイヒルガオの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2024/10/14

#グンバイヒルガオの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2024/10/14

グンバイヒルガオの葉裏 三浦市・毘沙門海岸 2024/07/18
茎は直線的に長く伸び、地面を這う。接地した(葉が出る)節から発根する、らしいのだが、発根はしにくいようで、あちこちの節々からどばどば根を出して活着してはたちまち巨大株に成長していくというような旺盛な性質は見られなかった。周囲の草木に絡まって上に上に登ってゆくということはない。

グンバイヒルガオの茎 三浦市・毘沙門海岸 2024/08/14

#グンバイヒルガオの茎と節 茅ヶ崎市浜之郷 2024/10/14

グンバイヒルガオの発根する節 三浦市・毘沙門海岸 2024/08/14
令和6年(2024)三浦市南下浦町(みなみしたうらまち)毘沙門(びしゃもん)の海岸に自然に生え出た一株より、生育に大きな支障をきたさないだろう小さめの茎を試験的に一本採取し、節ごとに切断して鉢に挿し栽培を試みたが、室内・屋内窓際・屋外軒下いずれも越冬に失敗して冬に溶けて消滅した。満足いく根張りが得られなかった、冬場の適切な水やり頻度がわからなかった、ことが要因か。現地の親株も翌年は発芽せず滅失した。近くにあった大きな石もなくなっていたことから、冬の寒さで枯れ死んだのか、波にさらわれて流されてしまったのかは、不明。

#グンバイヒルガオの鉢植え 茅ヶ崎市浜之郷 2024/09/08

#グンバイヒルガオの鉢植え 茅ヶ崎市浜之郷 2024/09/21

#グンバイヒルガオの鉢植え 茅ヶ崎市浜之郷 2024/10/14
神奈川県南部では、12月、イチョウ(公孫樹)が黄葉する頃に株が傷み始めて地上部が枯れる。
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
三浦市・毘沙門海岸(令和6年(2024)1株、同株は令和7年(2025)発芽せず)、鎌倉市・坂ノ下海岸
ハマヒルガオ