アキカラマツ

秋唐松　キンポウゲ目／キンポウゲ科／カラマツソウ属　花期／7月～11月上旬　結実期／10月中旬～翌年1月
学名／Thalictrum minus L. var. hypoleucum (Siebold & Zucc.) Miq.

有毒薬用自生種

アキカラマツ　横浜市緑区・四季の森公園　2020/08/01

山野の明るい草地や林縁などに野草として生える多年草。名は、カラマツソウ（唐松草）に姿が似ているが花が秋の始め（夏の終わり）に咲く傾向が強いもの、の意。カラマツソウは咲いた花の蕊の様子がカラマツというマツの短い葉に見立てられた名前。だいぶ大型に成長し、草丈は最高1.5mになる。が、夏に周辺の雑草共々機械で刈払いされることが多く、再生しても結局茎が立って来ずに人の膝（ひざ、高さ50cm）にも届かないくらいの姿で終わるものを多く見かける。最早、名をアキカラレマツ（秋刈られ松）に改めた方が良いのではないかとさえ思うほど、見かけるのは人に一旦刈られてしまった貧弱な再生個体ばかり。神奈川県内では、湘南・鎌倉・三浦半島を含めてちょくちょく見かける普通種。市街地にはない。

林縁に生えたアキカラマツ　茅ヶ崎市・市民の森　2023/05/24

アキカラマツ　平塚市／大磯町・湘南平　2022/09/26

刈られて再生した道端のアキカラマツ　三浦市・城ケ島公園　2023/09/29

刈られて再生した道端のアキカラマツ　横須賀市・塚山公園　2023/09/29

アキカラマツの葉　伊勢原市沼目・筒川（どうがわ）土手　2023/09/25

アキカラマツの葉　横須賀市・塚山公園　2023/09/29

アキカラマツの葉　鎌倉中央公園　2023/08/02

アキカラマツの葉　茅ヶ崎市・市民の森　2023/05/24

アキカラマツの大きく成長した株の葉　平塚市／大磯町・湘南平　2022/09/26

県内では丹沢などには同属の近似種があるので注意。腺毛（せんもう）が生えている、葉の形状が明らかに違う、などの違和感あらば別種の疑い。湘南・鎌倉・三浦半島ではそれっぽいものはすべて本種と考えて差し支えなく、小葉に切れ込みが入らないマツカゼソウ（松風草）が紛らわしいくらい。カラマツソウは県内自生なし（箱根に古い記録あり）。

アキカラマツの花

開花する期間は長く、いつどのタイミングで咲くかはその個体次第。概ね真夏の暑さが和らぎ始めた頃（9月下旬）が最盛期ではあるも、蕾や咲き終わりかけているものばかりで、きれいに咲いている状態でお目にかかれる機会は少ない。前述の通り、人に一旦刈られてしまったのちに再生してきたものが多く、そのような個体では花はろくずっぽ咲かない。