パラグアイオニバス

ぱらぐあい鬼蓮 スイレン目/スイレン科/オオオニバス属 花期/(露地)8月~10月
学名/Victoria cruziana Orbign.

危険外来種稀少

温室で栽培されている開花中のパラグアイオニバス 東京都調布市・神代植物公園 2022/04/02 曇天・14:08

温室で栽培されている開花中の#パラグアイオニバス 東京都調布市・神代植物公園 2022/04/02 曇天・14:08

水面に浮かぶ葉が大きくておもしろいことから植物園にある池で希に栽培されることがある、南アメリカ大陸のパラグアイやアルゼンチンなどを原産とする大型な一年草で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。パラグアイオオオニバス(ぱらぐあい大鬼蓮)とも。スイレン(睡蓮)の仲間なので、水底の土中に根を張って、水面に葉を浮かべる浮葉植物。葉にいかつい棘(とげ、植物学ではふつう「刺」と表記される)が多いので名前に鬼が冠されている。棘は草食動物に食べられないよう身を守るためにあるのだとか。

温室で栽培されているパラグアイオニバス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

温室で栽培されている#パラグアイオニバス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

温室で栽培されているパラグアイオニバス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19

温室で栽培されている#パラグアイオニバス 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19

スイレン池で栽培されているパラグアイオニバスの鉢植え 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

スイレン池で栽培されている#パラグアイオニバスの鉢植え 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

旧温室で栽培されているパラグアイオニバス(白花は熱帯スイレン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

旧温室で栽培されている#パラグアイオニバス(白花は熱帯スイレン) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09


覚えておきたいオニバスの仲間は以下の四種───

ビクトリア・ボリビアナ(学名/Victoria boliviana
オオオニバスから独立して令和4年(2022)に新種と認められたボリビア原産種。オオオニバスの研究者がタネを取り寄せてイギリスのキュー王立植物園(Royal Botanic Gardens, Kew、キューはロンドンにある地区の名称)でオオオニバスやパラグアイオニバスと並べて育ててみたらば形態に違いが感じられ、DNA検査をしたら新種であることが確定した、というもの。オオオニバスよりむしろパラグアイオニバスに近い遺伝子を持っていることも判明した。葉は直径が3.2mに達するものもあり、オニバスの仲間としてのみならず(葉が分割された複葉でない)単葉としては世界最大で、ギネス世界記録にも認定されている。和名はまだない。パラグアイオニバスに準ずればボリビアオニバスになろうか。日本国内で栽培展示している植物園もまだない。

オオオニバス(学名/Victoria amazonica
ブラジルのアマゾン川流域原産。ビクトリア・ボリビアナの登場で世界最大から世界最大”級”に成り下がってしまったが、水面に浮かんだ本種の大きな葉っぱの上に子供が乗っかってもあれあれびっくり沈みません、という映像が世界仰天ニュース的なテレビ番組によく登場しているはず。オニバスやオオオニバスといわれて多くの人が頭に思い浮かべるだろうものはこれ。耐寒性に難があるらしく、日本国内で栽培されているとしたら植物園の温室の中にある大きな池で。滅多に見かけるものでなし。

パラグアイオニバス
みんなが見たいのはオオオニバスだが、日本国内の植物園で栽培展示されているのはだいたいはパラグアイオニバスである。オオオニバスに比べるとやや小型とされる。日本国内の特に露地で栽培すると葉の直径は1m余りとさほどでっかくはならないため見た目のインパクトに欠け、「思ってたのと違う」、「期待してたのはこんな小さな葉っぱじゃない」、と正直ちょっとがっかりな感じに終わるはず。温室内で栽培されているものであれば、もう少し大きく成長してくれるだろうが。昨今の地球温暖化はオニバス類の生育には追い風になっているはず。オオオニバスよりは耐寒性がやや高めで比較的栽培しやすいらしい。オオオニバスと人為的に交配された園芸品種も。栽培しやすいとはいえ一年草なので、植えっ放しで毎年勝手に生え出てくるものではなく、大規模に多数株を育てて人工授粉させてタネを取って毎春発芽させるか、そのようなところから苗を購入してきて毎春植え付けるか、の二択しかない。場所を取るうえ、手間や入手コストが尋常でないのである。「もっと大きな葉っぱを見たかったのに」という文句は、入園料2,000円払ってから言え、という話。

オニバス(学名/Euryale ferox
アジアの広域原産。関東地方以西の日本国内にも自生がある。神奈川県には分布なし。上記三種に比べてしまうとぜんぜん小型で、葉の縁は立ち上がらない。(オオオニバス属に分類される)上記三種の花は夜間に咲くが、(オニバス属に分類される)本種は日中に開花する。


葉の縁(ふち)は立ち上がる。立ち上がった縁の外側(葉裏側)の色はやや淡い緑色である、といわれるのだけれど、パラグアイオニバスとされているものでも多少赤みを帯びているものも見受けられる。オオオニバスは赤みを帯びる。

スイレン池で栽培されているパラグアイオニバスの鉢植え 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/11

スイレン池で栽培されている#パラグアイオニバスの鉢植え 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/11

パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

#パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

#パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

#パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

#パラグアイオニバスの葉 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

パラグアイオニバスの葉の縁にある棘 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

#パラグアイオニバスの葉の縁にある棘 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/01

パラグアイオニバスの葉の縁にある棘 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/08/18

#パラグアイオニバスの葉の縁にある棘 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/08/18

秋(露地では11月)になったら枯れて終わり。

パラグアイオニバスの花

夜間に咲く。一晩目の花は白色で、雌性(しせい)。甘く香って花粉を媒介する(原産地に生息する)甲虫を引き寄せるらしい。二晩目の花は薄いピンク色を帯びて、雄性(ゆうせい)。オオオニバスであれば二晩目の花はしっかりと濃い赤紫色になる。たった二晩で咲き終わり、水中に没する。日中は花は閉じてしまっているが、特に二晩目の花は暗い曇天日であれば夜でなくとも開いていたりすることがあるかもしれない。植物園では本種の開花時期に合わせて特別に夜間開園されることがある。

パラグアイオニバスの(翌日の夜に開花する)蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

#パラグアイオニバスの(翌日の夜に開花する)蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/09

閉じている花を覆う萼片(がくへん)には(ほとんど)棘がない。棘が多かったらオオオニバス。中間的な性質であったら交配種である疑い。

パラグアイオニバスの開花直前と思われる蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19

#パラグアイオニバスの開花直前と思われる蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/08/19

パラグアイオニバスの開花一晩目の翌朝に閉じた花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/11 09:13

#パラグアイオニバスの開花一晩目の翌朝に閉じた花 鎌倉市・大船フラワーセンター 2025/09/11 09:13

パラグアイオニバスの二晩目の花 東京都調布市・神代植物公園 2022/04/02 暗い曇天・14:09

#パラグアイオニバスの二晩目の花 東京都調布市・神代植物公園 2022/04/02 暗い曇天・14:09


東京都新宿区/渋谷区・#新宿御苑(温室、オニバスも、オオオニバスはない)、東京都調布市・#神代植物公園(つつじ園の池、大温室、8月「オオオニバスに乗ろう!」 =事前申し込み(7月)制・体重30kgまでの小学生以下対象 ※オオオニバスと称しているが正しくはパラグアイオニバス、9月「秋の大温室夜間公開」 17:30-20:30 参加費1,000円=つつじ園の池も開放、植物多様性センターにオニバスも、オオオニバスはない)、横浜市南区・#こども植物園(平成27年(2015)バラ園の特設簡易プールで栽培、現在はない)

#大船フラワーセンター(令和7年(2025)現在 二ヶ所=スイレン池の東端に鉢ごと沈めた1株・グリーンハウス(現在は無加温の旧温室)内の熱帯スイレン池に少数、8月「夜間開園」 -20:30、9月「宵喫茶」 -20:30、グリーンハウス前にオニバスも、オオオニバスはない)

静岡県・東伊豆町・#熱川バナナワニ園(オオオニバスも)、静岡県・#掛川花鳥園(インコのスイレンプールにオオオニバス、※令和7年(2025)に破産閉園したのは富士花鳥園)

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