薇 ゼンマイ目/ゼンマイ科/ゼンマイ属 旬/3月下旬~4月上旬 花期/4月中旬~下旬
食用自生種稀少保護
#ゼンマイ(男ゼンマイ) 横浜市南区・こども植物園 2018/03/15
シダ植物。水気の多い場所を好み、川っぺりなどに生える。綿毛に覆われた状態で生えてくる新芽が食用になる。韓国料理のナムルに入っている茶色い山菜もゼンマイである。湘南・鎌倉・三浦半島でもちらほら見かけるが、栽培ないしその名残りと思われるものばかりである。
栄養葉が繁茂した#ゼンマイ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/06/20
ゼンマイの芽
採取してよいのは胞子葉(男ゼンマイ)ではなく栄養葉(女ゼンマイ)の芽のみ。男の方は硬くておいしくないとか、資源保護のため残しておくようにするのだとかいう。先に生えてくるのは男ゼンマイの方で、巻いた部分がボールのように丸っこいのが特徴。綿毛が黄金色なのでその見た目から男ゼンマイは”キン〇マ”ゼンマイとも。
#ゼンマイ(男ゼンマイ) 横浜市戸塚区・俣野園 2017/03/30
食べるには綿毛をしごき取って(ふわっと覆っているだけなので簡単に除去できる)つるつるにし、重曹などを用いた灰汁抜きをする必要がある。湯がいたら一旦乾燥させるのが昔ながらのやり方。
#ゼンマイ(男ゼンマイ) 箱根湿生花園 2017/04/10
#ゼンマイ(長く伸びているのは男ゼンマイ) 横須賀市・塚山公園 2017/04/15
#ゼンマイ(長く伸びているのは男ゼンマイ) 鎌倉広町緑地 2017/04/14
#ゼンマイ(男ゼンマイ) 横浜市南区・こども植物園 2018/03/15
真上から見た、丸っこい男#ゼンマイ(胞子葉)=摘み取らない 横須賀市・塚山公園 2017/04/15
真上から見た、扁平な女#ゼンマイ(栄養葉) 鎌倉広町緑地 2017/04/14
食用・非食用のシダの”すごくいい加減な”見分け方
コゴミだのゼンマイだの、シダ植物の新芽には食べられるものがある。鎌倉の山野を歩き回っていると多くの種類のシダ植物を見かけるが‥、いったいその内のどれが食用になるのだろう‥?
大雑把な判断基準は以下のとおり。
食用になるものは、(1)完全に無毛。(2)人為的に植えられた、あるいはかつて栽培されていた可能性を疑わせるような里山付近の平地に分布する。(3)食用に適したある程度の大きさがある。
食用にされないものは、(1)僅かでも毛が生える。(3)丘陵地の林内のハイキングコース沿いに自生する。(3)大きさは様々(大きいものは剛毛に覆われ、小さく細くひょろひょろのものは僅かながら毛が生える)。
結局のところ、湘南・鎌倉・三浦半島の山野に生えているシダは基本的にすべて食用にならない。がっかり。
ゼンマイの花(胞子葉)
便宜的に花と呼んでおくが、シダ植物なので花は咲かない。種子も作らない。花のように見える胞子葉が、種子植物でいうところの(受精済みの)種子に該当する胞子を飛散させることで子孫を増やす。ゼンマイでは男ゼンマイが成長して、まるで花粉を飛ばすがごとく様相で胞子を飛ばす。
#ゼンマイの、伸長し胞子を飛散している胞子葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/16
#ゼンマイの、胞子飛散中の胞子葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/04/16
成長した#ゼンマイ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/14
緑色の葉が女ゼンマイだった栄養葉、茶色い花のように見えるものが男ゼンマイだった胞子葉。大きく成長してしまうともう誰もこれがゼンマイだとは気づくまい。栄養葉が完全に大きく展開し終えるとほぼ同時に、胞子葉も胞子の飛散を終えるようである。
#ゼンマイの胞子葉(胞子放出後と思われる) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/14
#ゼンマイの胞子葉(胞子放出後と思われる) 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/14
#ゼンマイの栄養葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/06/20
#ゼンマイの栄養葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/14
横浜市南区・#こども植物園、横浜市金沢区・#金沢自然公園(しだの谷)、横浜市戸塚区・#俣野園
#塚山公園、#円覚寺黄梅院、#鎌倉中央公園(田んぼのへり、おそらく人為的に栽培されていた名残り)、#鎌倉広町緑地、#氷室椿庭園
秦野市・#生き物の里(指定第1号柳川)