烏野豌豆 マメ目/マメ科/ソラマメ属 花期/3月~4月 結実期/5月
学名/Vicia sativa L. subsp. nigra Ehrh. var. nigra
自生種
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ) 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/18
そもそもの原産地はヨーロッパなどとされる、蔓性の一年草(越年草)。現在は道端や農地周辺、草地や林縁など、随所で大量に茂っているただの雑草。カラスが冠されているのは、人間にとって役に立たない(食べる価値がない)マメ(豆)なのでカラスにでも食わせておけ、の意だろう。無用の植物にはそのサイズ感に合った動物の名がよく冠される。”カラスの、エンドウ”ではなく、”カラス、ノ、エンドウ”。カラスにでも食わせておけばよい、その辺の野良に生えている、エンドウのような植物の意。イヌソラマメ(犬空豆)とも。イヌも役立たず(食べる価値なし)の意。なお標準和名(この植物を指す際に植物関係の学者が一般的に用いる名、環境省や学会等がこれと決めて使用を推奨しているものではない)はヤハズエンドウ(矢筈豌豆)というため、図鑑などでにこの名で登場する。矢筈は、弓矢のお尻の窪んだ弦に引っかける部分のこと。小葉の先端が少し凹むことから。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の群生 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/03/18
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の群生、葉先は凹まず 平塚市・総合公園 2018/03/27
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ) 茅ケ崎里山公園 2018/03/28
葉は偶数羽状複葉。葉が細く、葉先が凹まないものは変種でホソバヤハズエンドウ(細葉)と呼ばれている。葉が細からず(ときにむしろやや幅広で)葉先が凹まないものもあるが、はて。発芽は早いもので前年の十月から。十一月下旬には人目に付く姿となってそこここに生えているだろう。
#カラスノエンドウと#スズメノエンドウの発芽 茅ヶ崎市浜之郷 2020/10/11
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の葉 大磯町生沢 2019/04/13
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の先端が凹まない葉 鎌倉市西御門 2017/03/05
近似種にスズメノエンドウ(雀野豌豆)とカスマグサ(かす間草)がある。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の花
花色は紅紫色(こうししょく、マゼンタ)。かわいらしい濃いピンク色から、やや紫がかったものまでやや変異あり。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ) 茅ケ崎里山公園 2018/03/28
暖秋・暖冬だと年が明ける前から花が咲き始めることも。平成30年(2018)12月28日 一番花を確認。
花が白色のものはシロバナヤハズエンドウ(白花矢筈豌豆)と呼ばれる。滅多に見かけることはない。
#シロバナヤハズエンドウ、赤紫花はホトケノザ 横浜市泉区・天王森泉公園 2019/04/15
シロバナヤハズエンドウ、ナナホシテントウ付き 茅ヶ崎市浜之郷 2019/04/16
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の実
花がいつの間にか咲き終わった頃には、草刈りと葉の虫食いでカラスノエンドウなのか何なのかよくわからない姿になっていることが多く、カラスノエンドウの実だ、という認識がされることはなかなかないかもしれない。
シロバナヤハズエンドウの若い実 茅ケ崎市浜之郷 2019/04/16
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の若い実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/12
若いうちは見慣れたキヌサヤ(絹鞘)、つまりエンドウ(豌豆)の未熟な実に近い姿。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の若い実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/12
中の豆が膨らんで鞘が黒くなって熟す。
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の熟した実 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/12
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の熟した実と種子 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25
カラスノエンドウ(ヤハズエンドウ)の熟した種子(緑色は未熟なもの) 茅ヶ崎市浜之郷 2018/05/25