ヤブニッケイ

藪肉桂 クスノキ目/クスノキ科/クスノキ属 花期/6月上旬 結実期/11月
学名/Cinnamomum yabunikkei H.Ohba

自生種

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

林内に生える常緑の小高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。名は、その辺の藪の中に生えている、桂皮(けいひ)が採れる中国原産のトンキンニッケイ(東京肉桂)のようなものの意。トンキンニッケイに比べて香りなどが弱いため有用でない。ニッキ飴や八つ橋、シナモンクッキーなどに用いられている桂皮、肉桂(にっき)、あるいはシナモンと呼ばれるものは中国などを原産とするトンキンニッケイ、別名シナニッケイ(支那肉桂)の樹皮が原料になっている。同じ中国原産のニッケイが江戸時代に日本へ入ってきて帰化もしているようだが、香りや味はトンキンニッケイに劣る。それより更に劣るのが日本在来のヤブニッケイである。神奈川県内に自生あり。湘南・鎌倉・三浦半島でも身近な林に生えている普通種。

ヤブニッケイの葉 箱根町湯本 2018/12/01

ヤブニッケイの葉 箱根町湯本 2018/12/01

葉は三行脈(さんこうみゃく)が特徴的で、縁(ふち)が少し波打つ。葉裏は少し白っぽいがシロダモ(白梻)ほどの白さではない。ので、別名クロダモ(黒梻)。

ヤブニッケイの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイの葉 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイの葉裏 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイの葉裏 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイの葉 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイの葉 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイの葉裏 藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園 2017/11/21

#ヤブニッケイの葉裏 藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園 2017/11/21

クスノキ(楠)の仲間なので葉を千切ると香気が感じられる。正確には、香気があったりなかったりする。個体差が大きく、ただふつうに青臭いのみで味も特異でない葉も多い。

ヤブニッケイの虫こぶ

虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。


ニッケイハミャクイボフシ

ヤブニッケイの葉の一部が膨れて瘤(こぶ)状になったもの。葉脈の真上ないしその近くがぷっくり膨れる。ニッケイトガリキジラミの幼虫が(葉裏から)寄生している状態という。一つ二つでは済まされず大量にできるため、株全体が病気に侵されてしまっているようでかなり見苦しい葉となる。

ニッケイハミャクイボフシ 茅ヶ崎市下町屋 2018/05/30

ニッケイハミャクイボフシ 茅ヶ崎市下町屋 2018/05/30

若いヤブニッケイの幹 藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園 2017/11/21

若い#ヤブニッケイの幹 藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園 2017/11/21

葉の生え方が等間隔でなく、葉の縁が波打たず、葉先がもっと長ければニッケイである可能性。イヌガシ(犬樫)もヤブニッケイと似たような葉をしているようだが、湘南・鎌倉・三浦半島に自生はないらしい。

ヤブニッケイの花

両性花。小さく、葉と色が同化してしまって目立たない黄緑色。よく見ればかわいらしい形状をしている。クスノキ同様、一斉に満開はせず少しずつ咲いてはすぐに枯れてゆく模様。

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/30

#ヤブニッケイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/30

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/30

#ヤブニッケイ 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/05/30

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイ 茅ヶ崎市西久保 2018/05/29

ヤブニッケイの実

あれだけたくさん咲かせていた花はいったい何だったのか、とぼやきたくなるほど実の付きは悪い。一枝に実が一つでもあれば豊作。はじめ緑色で、濃紺(赤紫色を帯びることも)に染まって熟す。肉眼ではほぼ黒色に見えるだろう。

ヤブニッケイの未熟な実 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/11/08

#ヤブニッケイの未熟な実 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/11/08

ヤブニッケイの実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイの実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイのほぼ熟した実 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/11/08

#ヤブニッケイのほぼ熟した実 茅ヶ崎市下町屋・小出川沿い 2018/11/08

ヤブニッケイのほぼ熟した実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイのほぼ熟した実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイのほぼ熟した実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイのほぼ熟した実 鎌倉中央公園 2017/11/16

ヤブニッケイのほぼ熟した実 箱根町湯本 2018/12/01

ヤブニッケイのほぼ熟した実 箱根町湯本 2018/12/01


三浦アルプス(中尾根、葉がかなり幅広なものも)、鎌倉中央公園

#光則寺(池の墓地側にニッケイ?)、#藤沢土木事務所汐見台庁舎海浜自然生態園(樹名板あり)

#座間市西栗原(民家、かながわ名木100選「栗原のニッケイ」)

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『ヤブニッケイ』へのコメント

  1. 広永勇三 投稿日:2021/05/16(日) 15:09:08 ID:42223c8e0 返信

    千葉県の埋立地の公園の植栽林の生育について調べている者です。
    公園内に常緑樹林内に高さ5m程度のヤブニッケイがあり、全体の半分程度の葉にニッケイハミャクイボフシと思われるこぶがあり、多くの葉が黄変→茶変・壊死しています。今からでも駆除等しないと残っている半分の健全葉にも広がり、いずれはこの個体は枯死してしまう気がしています。対処の仕方をご存知でしたらお教えいただけると幸いです。
    公園内に他のヤブニッケイの個体もあると思われますが、未確認です。

    • mirusiru.jp 投稿日:2021/05/16(日) 20:38:20 ID:a5d6ae9f3 返信

      広永さん、こんばんは。
      端的に申し上げれば、対処の仕方は存じません。
      ヤブニッケイを実際に栽培されている方、園芸業者、農薬メーカーあたりにお尋ねになられた方が参考になる話を聞けるような気がします。まずは園芸相談を受け付けている公園や植物園に連絡されてみてはいかがでしょうか。

      以下のサイトには「有機リン剤を3月下旬から数回散布する」とあります。
      http://www.greenery-niigata.or.jp/qa/detail.php?plant_id=662

      基本的には、春に予防するものと思います。今からクスリを撒いても、既にある虫こぶに絶大な効果が現われることは、あまり期待できないかもしれません。
      株自体の生命力を高める目的で、周辺に堆肥・肥料(株が弱っていたり真夏に強く効くと逆にダメージを与えてしまう可能性があります)・活力剤などを施して養生してもよろしいかと思います。可能であれば、少し朝日が当たるよう周囲をちょっと刈り込んであげるとか。

      もっと緊急を要するような状態でしたら、樹木医にご相談を。

      • 広永勇三 投稿日:2021/05/18(火) 16:19:38 ID:d64e7b3ed 返信

        mirusiru.jp 様
        丁寧なご回答ありがとうございました。
        薬剤散布の紹介ありがとうございます。私は薬剤散布は行ったことはありませんが、公園ですので管理者と相談したいと思います。
        埋立地周辺の自然林の調査を行うとヤブニッケイはよく見ます。ヤブニッケイは林縁から林内にかけて位置し、やや通風不良地にもよく生育している印象です。虫こぶも普通に見ますが、今回のように樹木全体に虫こぶが広がりしかも茶変までした個体はあまり記憶にありません。このヤブニッケイは、公園の園路脇にあり陽当たりや風通しも極端な環境にないことから、今回の虫こぶの樹木全体の広がりが気になります。できれば、樹木医の方に立地環境との関係など診てもらいたく思います。ご助言ありがとうございました。