鬼の矢柄 クサスギカズラ目/ラン科/オニノヤガラ属 花期/5月中旬~6月上旬
学名/Gastrodia elata Blume var. elata
薬用自生種稀少保護

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2026/05/26
クヌギ(橡)やコナラ(小楢)などが生える雑木林の日当たりの良くない林床に出現する、大型な短命の多年草。異様に背高に育ったヤセウツボ(痩靫)みたいな姿をしているが、野生のランの仲間。名は、鬼が使用するのではないかと思われるほど大きな弓矢の矢、に喩(たと)えられたもの。別名カミノヤガラ(神の矢柄)。茎を一本直立させて、およそ高さは60cmとか70cm程度になる。それより背丈が低いもの、高いものもあり。神奈川県内広域に自生があると思われるが、そもそも個体数が少ない上に、急ににょきにょき生え出たと思ったら短期間で一気に成長をして花を咲かせるが花持ち悪く、きれいに咲いている個体を目にできる機会は極めて希である。葉緑体を持たず光合成を行わない腐生植物(菌従属栄養植物)。コナラなどの朽ち木に生えるナラタケ(楢茸)の菌を食らって生きているらしい。ツチアケビ(土木通)しかり、この手の植物は多年草とは言いながら毎年同じ場所に生え出てくるとは限らず、生え出る場所が移動した、姿を消してしまった、という事態が発生しがち。意外にも(雑木林内の)ササ(笹)が生えているところに出現しやすいとかどうとか。同属のクロヤツシロラン(黒八代蘭)やアキザキヤツシロラン(秋咲八代蘭)も竹林だ笹藪だに好んで生え出る性質がある。全体的に褐色(茶色)。うっすら翡翠(ひすい)のような緑色を帯びることがある。

伸長途中のオニノヤガラ 鎌倉市浄明寺 2026/05/17

開花中のオニノヤガラ 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

少し遅れて生え出てきたやや小型なオニノヤガラ 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの咲き終わり 鎌倉市浄明寺 2025/06/04

オニノヤガラの咲き終わり 鎌倉市浄明寺 2025/06/04
土中に芋状の塊茎(かいけい)あり。人の足の形に似ており、生え出る場所が神出鬼没であることから、別名ヌスビトノアシ(盗人の足)とも。塊茎は漢方薬(生薬)の天麻(てんま)になる。
全体的に翡翠色をした野生の品種があり、アオテンマ(青天麻)と呼び分けられることがある。小型で全体的に白っぽい変種はシロテンマ(白天麻)という。どちらもオニノヤガラに輪をかけて希少。
オニノヤガラの花
茎の上部に多数の花を付ける。小花はぱっとは開かず、カシューナッツのような形をしている。

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの(虫食い多い)花 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの花のサイズ感 鎌倉市浄明寺 2026/05/26

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2025/06/04

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2025/06/04

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2025/06/04

オニノヤガラの花 鎌倉市浄明寺 2025/06/04

オニノヤガラの傷んだ咲き終わりの花 鎌倉市浄明寺 2025/06/04

オニノガヤラの花の咲き終わり 大井町山田 2021/05/29
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
アオテンマ
ヤセウツボ
キバナヤセウツボ
ツチアケビ