伊豆浅葱、伊豆浅月 クサスギカズラ目/ヒガンバナ科/ネギ属 花期/5月中旬~6月上旬 結実期/6月下旬~7月上旬
学名/Allium schoenoprasum L. var. idzuense (H.Hara) H.Hara form. purpuratum Konta
自生種稀少保護
環境省レッドリスト「絶滅危惧II類(VU)」
神奈川県レッドリスト2020「絶滅危惧IA類」
神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25
海岸の岩崖(がんがい)下の草地に生える多年草。食用にされるアサツキや外国産のエゾネギ(蝦夷葱、英名チャイブ)と変種の関係に位置付けられているもの。静岡県の伊豆半島で発見され、伊豆半島と神奈川県の三浦半島でのみ自生が確認されている固有変種。土中にある球根(学術的には鱗茎(りんけい)という)は(同じネギ属の)ラッキョウ(辣韮)に似た形をしており、地上部の葉はネギ(葱、長ネギ)と同様に中が空洞である。従ってぱっと見は小型なネギである。神奈川県内では現在は三浦市内の海岸の一地点に小群落(150株以上)が一個あるのみか。『神奈川県レッドデータブック2022』は’県内の海岸風衝草地に生育する植物のうちでは最も絶滅が危惧される種’と評価している。環境省レッドリスト2020では「絶滅危惧IB類(EN)」であったが、新たに発表された環境省レッドリスト2025では「絶滅危惧II類(VU)」に格下げされた。伊豆半島では保護されて増えているということだろうか。

花茎(かけい)が立ち上がってきた#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/05

蕾を付けた#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/15

蕾を付けた#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/16

開花し始めた#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/20

開花し始めた#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/24

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開のイズアサツキ 三浦市 2026/05/25

満開に近い#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/28

満開の#イズアサツキ 茅ヶ崎市浜之郷 2026/06/01
葉は、アサツキはかなり細くて万能ネギに似ており、ぴんと直立する姿勢が感じられるが、イズアサツキは太めなのでネギ(長ネギ)らしい形状をしており、直立せず曲線的に垂れる。一般の人の目には、畑から投棄された農作物の小型品種のネギ(長ネギ)が海岸に生えちゃっているようにしか見えなかろう。三浦半島の自生地にはノウサギ(野兎)が生息しているが、齧(かじ)ったり掘ったりした形跡はないので食べられてしまう心配はなさそうである。葉は、花茎が伸びてきた頃(5月上旬)から徐々にじわじわ枯れてくるものが出始める。

イズアサツキの葉 三浦市 2026/05/25

#イズアサツキの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/24

#イズアサツキの葉 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/24
イズアサツキの花
ネギ(長ネギ)と同様に、初夏に、ネギ坊主形の花を咲かせる。花色は、ネギ(長ネギ)は(うっすらと黄緑がかった)白色、本種はラッキョウの仲間と同様のやや淡く明るい紫色(ピンク色)。伊豆半島ではごく希に白花を咲かせる(野生の)品種があり、シロバナイズアサツキ(白花伊豆浅葱)と呼び分けることがある。対して(本頁で掲載している)一般的な紫色(ピンク色)の品種を指してモモイロイズアサツキ(桃色伊豆浅葱)という。

#イズアサツキの若い蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/03

#イズアサツキの蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/15

#イズアサツキの蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/15

#イズアサツキの開花直前の蕾 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/24

#イズアサツキの花 茅ヶ崎市浜之郷 2026/05/24

#イズアサツキの咲き始め 茅ヶ崎市浜之郷 2026/06/01

イズアサツキの花 三浦市 2026/05/25

イズアサツキの花 三浦市 2026/05/25

イズアサツキの花 三浦市 2026/05/25

#イズアサツキの花 茅ヶ崎市浜之郷 2026/06/01
アサツキは花被片が長く、雄蕊は花被片からちょこっとだけ突き出るが、イズアサツキは花被片が短く、雄蕊は更に短いため花被片からまったく突き出ない。花被片先端は尖る。

イズアサツキの花 三浦市 2026/05/25

イズアサツキの花のサイズ感 三浦市 2026/05/25

#イズアサツキの咲き終わり 茅ヶ崎市浜之郷 2026/06/04
花茎は葉束(ようそく)の中から伸び出るが、本種の特性として葉束から離れたところから生え出ることもあるらしい。花茎はアサツキより太め。高さは20cm内外。

イズアサツキの葉束から出た花茎 茅ヶ崎市浜之郷 2026/06/01

#イズアサツキの花茎(太さ7mm) 茅ヶ崎市浜之郷 2026/06/01
なおラッキョウの仲間の開花は秋である。雄蕊が長く突き出て、花被片先端は尖らず丸い。
参考資料
『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)
『日本の固有植物』 加藤雅啓・海老原淳編 東海大学出版会発行(2011)
ネギ(長ネギ)
タマムラサキ(ハマラッキョウ)
ヤマラッキョウ
ラッキョウ