鳥獣保護管理法

鳥獣の保護及び管理並びに狩猟の適正化に関する法律 平成26年(2014)5月30日公布、平成27年(2015)5月29日施行

鳥獣保護法(鳥獣の保護及び狩猟の適正化に関する法律)の内容を一部改訂して成立。鳥獣保護法は狩猟方法を規制し、狩猟鳥獣を”保護”することが目的であったが、保護されたニホンジカ(日本鹿)ニホンイノシシ(日本猪)が増えすぎたことから今度は植物・農作物(のうさくぶつ)などの被害が深刻化。これを受けて、適正数を超えたものは捕獲(要するに駆除・殺処分)も行い、保護と捕獲の両輪でバランスを保って自然環境を”管理”しようと試みる法律。

原則として、野生のすべての鳥獣(鳥類および哺乳類、卵を含む)の捕獲・採取・損傷は禁止されている。(第8条)

狩猟鳥獣

鳥獣保護法の時代から指定を受けていた”狩猟対象となる鳥獣”。本法により狩猟方法等の規制がかけられ、保護を受ける。平成28年(2016)8月1日現在、狩猟鳥獣の指定を受けているのは全48種(鳥類28種、獣類20種)。なお狩猟鳥獣に指定されていない鳥獣は、原則の通り全面的に狩猟禁止である。

具体的な規制は、(1)狩猟免許の取得、(2)都道府県への狩猟者登録・狩猟税の納付、(3)狩猟鳥獣に限定、(4)狩猟期間の限定、(5)狩猟禁止区域の設定、(6)猟法の限定。

鳥類(28種)

カワウ、ゴイサギ、マガモ、カルガモ、コガモ、ヨシガモ、ヒドリガモ、オナガガモ、ハシビロガモ、ホシハジロ、キンクロハジロ、スズガモ、クロガモ、エゾライチョウ、ヤマドリ(コシジロヤマドリを除く)、キジ、コジュケイ、バン、ヤマシギ、タシギ、キジバト、ヒヨドリ、ニュウナイスズメ、スズメ、ムクドリ、ミヤマガラス、ハシボソガラス、ハシブトガラス

ウズラは、平成25年(2013)狩猟鳥獣の指定解除。平成24年(2012)の環境省第4次レッドリストにおいて「絶滅危惧II類」に挙げられたため、保護の方向へ舵が切られた。

獣類(20種)

タヌキ、キツネ、ノイヌ、ノネコ、テン(ツシマテンを除く)、イタチ(オス)、チョウセンイタチ(オス)、ミンク、アナグマ、アライグマ、ヒグマ、ツキノワグマ、ハクビシン、イノシシ、ニホンジカ、タイワンリス、シマリス、ヌ-トリア、ユキウサギ、ノウサギ

指定管理鳥獣

鳥獣保護管理法で”管理”(保護と捕獲)するよう指定された鳥獣のこと。狩猟に関する規制が緩和される。

獣類(2種)

ニホンジカイノシシ

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『鳥獣保護管理法』へのコメント

  1. 里山ライフ 投稿日:2020/08/08(土) 15:58:28 ID:4a999f221 返信

    環境省:野生鳥獣の保護及び管理 ~人と野生鳥獣の適切な関係の構築に向けて~
    なる「お題目」があるが、実情はお寒い。

    私が居住する栃木県では、
    野鳥の「オナガ」は県内全域でありふれた鳥でした。
    https://ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%82%AC
    しかし近年は、目撃例が市街地に限られており、郊外では見ることができなくなっています。
    日本野鳥の会栃木県支部による「オナガの生息分布調査」
    https://wbsj-tochigi.jimdofree.com/%E8%AA%BF%E6%9F%BB-%E7%A0%94%E7%A9%B6/%E3%82%AA%E3%83%8A%E3%82%AC%E6%83%85%E5%A0%B1%E5%8B%9F%E9%9B%86/

    郊外(田舎)には、
    大抵の庭先に「柿」の木があり、秋には、どこの柿の木もオナガで賑わっていました。
    県東部の谷津(谷戸)の丘陵上に居を構えて四半世紀ですが、
    その当初は、当地でも「オナガ」はありふれた存在で、数多く(いたるところで)繁殖していました。
    わが家の植栽にも「オナガ」が営巣した事例があります。

    ハシボソガラスが
    「屋敷林」で繁殖し個体数が目に見えて増加する一方で、オナガやスズメの存在が希薄になっていきました。
    わが家に営巣したオナガは、
    その托卵中に二羽のハシボソガラスの襲撃を受け、他に数羽のオナガが防戦に加勢して(二対多での攻防)も為す術がなしでした。爾来、わが家や近隣では「オナガの集団が姿を現す」程度になり、オナガの営巣は確認できていません。

    わが家の裏に林立している杉木立に、
    一組のハシボソガラスが「6年前から毎年営巣」し雛が巣立っています。その親は、私を認めると、すかさず何処からともなく舞い降りてきて、私の目を覗き込み「ガァー」と挨拶するようになり、私の傍で楽しそうに過ごします。わが家は彼らの領分でもあり、先住で棲み着いていた「アオダイショウやシマヘビ、スズメバチ類」が駆逐(捕食)されてしまいました。

    当地でオナガの存在が感じられなくなって、かれこれ10年の歳月が流れています。少なくとも、5年前からは当地で「5月から7月の繁殖期での出没例は皆無」であり、県東部に在住する知人たちも『オナガは、昔はそこらへんで見掛けた(庭の「柿」の実に群がった)が、もう何年も前からオナガを目撃したことがない。もはや、当地ではお目にかかれない』と同様な感想でした。

    天敵(ハシボソガラス)の存在もさることながら、
    散在する「丘陵地の雑木林が皆伐」され、
    大規模な「太陽光発電システム(ソーラーパネル)」に置き換わり、
    竹林や薮が失われていることも、野鳥や動植物の生態系に甚大な影響を及ぼしていると感じています。
    地球温暖化やネオニコとの因果関係(食物連鎖が寸断される)も大きい。
    屋外猫の増加も野生動物の驚異となっています。

    当地で感じている事例:
    ●今冬、当地では「ツグミ」が目立って少なかった。
    ●薮が失われ「ウグイス」の存在が希薄になっています。毎年、当地は「ホトトギス」で大賑わいでしたが、今年は嘘のように閑散としていました。
    ●そこかしこに生息していた「フクロウ」も激減しています。わが家の近隣では、四方に数多くが生息し営巣していましたが、昨年からは東側に「ひとつがい」のみです。
    ●年中、日常茶飯で出没していた「トラツグミ」が、今年は確認できていません。
    ●わが家の裏(杉木立)では、毎年「サンコウチョウ」が営巣していましたが、今年は確認できていません。
    ●当地の鳥類で個体数が減少していない種は、ハシボソガラスとヒヨドリぐらいです。どちらの種も、生存の拠り所を「人」に共棲(寄生)し、したたかに生き抜いているようです。
    ●谷戸(谷津)の当地でさえ、昆虫類(蜂、蝶、トンボ、セミ)、両生類(カエル)、爬虫類(ヘビ、トカゲ)、(コガネ、ジョロウ、オニ)蜘蛛までもが、年々激減していると実感しています。
    (生態系の一員である)ホモサピエンスが共生する「自然界」は、非常に深刻な状況と感じています。