ヨシ

葦、芦、葭 イネ目/イネ科/ヨシ属 見頃/9月中旬~11月

自生種保護

元の名はアシ。「悪し」に通じて縁起が悪いとして「良し」に反転してヨシと呼ばれるようになった。標準和名はヨシ。漢字表記はアシもヨシも同じ。現代でも一般にはアシの呼称を用いることが多い。(以下、本項でもアシを用いる。)

湿地を好み、淡水はもちろん、汽水域のみならず海水に完全に浸かる干潟にも群生する。逆にいえば、草原や道路沿い、社寺境内などの乾燥した地面には生えない。

豊葦原中国(とよあしはらのなかつくに)、豊葦原(とよあしはら)といったら日本国を意味する。古代日本は湿原が多くアシがよく繁っていたことを物語っている。

コンクリートで護岸が固められ生態系が破壊し尽くされたようなどうしようもない都市河川で土砂が堆積すると、そこにアシが大群落を形成することが多い。近年は地球温暖化に伴い日本へやって来る台風が大型化、いつまでも豪雨が止まずに河川に水が溢れる越水の危険に頻繁に晒されるようになった。そのため河川に重機を入れて浚渫(しゅんせつ、土砂を取り除くこと)工事を行うことが多くなったように思う。当然ながら、更なる泥堆積の原因を作るアシも徹底して駆除されることになり数を減らしている。
大規模公園の池周辺や湿地にもよく生える。生えるときは数本のみ生えているということはなく、決まって群生する。

アシの葉 鎌倉中央公園 2016/10/10

アシの葉 鎌倉中央公園 2016/10/10

アシの葉は、中心に一本走るはずの葉脈がくっきり浮き出ない。この点だけで明確にススキ(芒)オギ(荻)、あるいはセイバンモロコシ(西蕃蜀黍)と見分けがつけられる。

朝露に湿ったアシの穂 鎌倉中央公園 2016/10/10

朝露に湿ったアシの穂 鎌倉中央公園 2016/10/10

穂は若いうちは緑色で、花が終わると茶色っぽく変色する。ススキやオギとは異なり、風にそよぐ美しいふわっとした白い穂にはならない。茶色みがかったあまりきれいでない穂、はアシである。赤紫色を帯びていたらセイバンモロコシの可能性を疑いたい。

大型で茎が丈夫なため、葦簀(よしず、立てかけて使用する大きく固い簾(すだれ))などによく利用される。「人間は考える葦である」(人間はアシのように弱い存在だが、”考える”という知能があるから偉大なのだ)とはフランスの哲学者パスカルの言葉。


江奈湾干潟

毘沙門海岸、引地川親水公園湿生植物園(オギも)、清水谷、千の川

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする