トキワハゼ

常盤爆 シソ目/サギゴケ科/サギゴケ属 花期/3月下旬~10月 結実期/5月~11月
学名/Mazus pumilus (Burm.f.) Steenis

自生種

トキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/03/23

トキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/03/23

農地周辺や公園などにぽつりぽつりと生えている一年草(越年草)。少しばかり湿った場所(乾燥しない場所)を好むように感じられ田んぼの畔では群生していたりもするが、意外と乾燥地にも生えている。近似種ムラサキサギゴケ(紫鷺苔)と姿がたいへん紛らわしいので要注意。ランナー(走出枝、ストロン・匍匐茎 ※当サイトでは両者を厳格には区別せずランナーと呼ぶ)を出すムラサキサギゴケはよく群生するが、トキワハゼは匍匐茎を出さないので周囲にぱらぱらと点在して生える程度であることがほとんど。湘南・鎌倉・三浦半島で、ちょくちょく見かける普通種。住宅地周辺にも雑草として生えていたりも。しなしながらその辺を探せば簡単に見つけられるものではなし。名前の由来はよくわからない。トキワは春から秋まで長きに亘って花を咲かせることから常緑(ではないのだが)を意味する「常盤(常葉)」、ハゼは実が熟すと炸裂するから弾け飛ぶを意味する「爆(は)ぜる」だ、というが、花はともかく、実は弾けない。

石畳の隙間に生えたトキワハゼ 鎌倉市・たからの庭 2021/08/29

石畳の隙間に生えたトキワハゼ 鎌倉市・たからの庭 2021/08/29

乾燥地に生えたトキワハゼ 鎌倉市・光則寺 2019/08/27

乾燥地に生えたトキワハゼ 鎌倉市・光則寺 2019/08/27

乾燥地に生えたトキワハゼの小さな株 鎌倉市・光則寺 2019/08/27

乾燥地に生えたトキワハゼの小さな株 鎌倉市・光則寺 2019/08/27

乾燥地に生えたトキワハゼの小さな株 鎌倉市・光則寺 2019/08/27

乾燥地に生えたトキワハゼの小さな株 鎌倉市・光則寺 2019/08/27

トキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/03/23

トキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/03/23

茎の基部に毛が多い。

トキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/03/23

トキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2018/03/23

トキワハゼ 横須賀市・衣笠山公園 2017/04/30

トキワハゼ 横須賀市・衣笠山公園 2017/04/30

田んぼ周辺に生えたトキワハゼ、周囲の葉はオオチドメ 鎌倉広町緑地 2019/07/21

田んぼ周辺に生えたトキワハゼ、周囲の葉はオオチドメ 鎌倉広町緑地 2019/07/21

田んぼの畔に群生したトキワハゼ(ごく一部ムラサキサギゴケ混生) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/24

田んぼの畔に群生したトキワハゼ(ごく一部ムラサキサギゴケ混生) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/24

芝生の広場に生えたトキワハゼ 鎌倉広町緑地 2019/07/21

芝生の広場に生えたトキワハゼ 鎌倉広町緑地 2019/07/21

梅雨終盤のトキワハゼとムラサキサギゴケの比較 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/20

梅雨終盤の#トキワハゼ(世代交代)と#ムラサキサギゴケ(勢力拡大)の比較 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/20

トキワハゼの花

かつてゴマノハグサ科に分類されていたものは花の見た目がよく似ているが、中でもムラサキサギゴケにそっくりなので慣れるまでは見分けが難しい。トキワハゼの花の方が一回り小振りで、色が薄め。花色は淡紫色(薄いピンク紫色)。上唇(じょうしん)の切れ込みが浅めで小さく、目立たない(というより切れ込みがあるのかないのか肉眼では視認できずよくわからない感じ)。かわいらしい花なのだが、地面近くで咲き小さいので人から顧(かえり)みられることはほとんどなく踏みつけられていくだろう。

トキワハゼ 鎌倉広町緑地 2019/07/21

トキワハゼ 鎌倉広町緑地 2019/07/21

トキワハゼ 鎌倉市・浄妙寺 2017/05/08

トキワハゼ 鎌倉市・浄妙寺 2017/05/08

斑紋が色濃いトキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/05/08

斑紋が色濃いトキワハゼ 茅ヶ崎市浜之郷 2020/05/08

希に白花も。シロバナトキワハゼ(白花常盤爆)と呼び分けることがある。

シロバナトキワハゼ 鎌倉市・光則寺 2021/05/24

シロバナトキワハゼ 鎌倉市・光則寺 2021/05/24

シロバナトキワハゼ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01

シロバナトキワハゼ 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2019/09/01

トキワハゼとムラサキサギゴケの見分け方


トキワハゼとムラサキサギゴケの花の比較

トキワハゼの方が、花は小振りで、色薄い。


トキワハゼの上唇の小さな切れ込み

トキワハゼの上唇(じょうしん)の切れ込みは、肉眼では視認しがたい程度に小さい。

ムラサキサギゴケの上唇の大きな切れ込み

ムラサキサギゴケの上唇の切れ込みは、肉眼でもはっきりと視認でできる程度に大きい。


トキワハゼとムラサキサギゴケの花の付き方の違い

トキワハゼは、長い茎の基部に葉が、その先に花が付く。ムラサキサギゴケは長い茎に葉だけが付き、花は別途の茎に付く。


トキワハゼの毛が多い茎の基部

トキワハゼの茎の基部は、多毛。白色の毛がよく目立つ。

ムラサキサギゴケの毛がない茎の基部

ムラサキサギゴケの茎の基部は、ふつう無毛。


トキワハゼは地上に走出枝を出さない。ムラサキサギゴケは出す。とはいえ、ふつう他の雑草にまみれて生えているため、実際のところ走出枝の有無を確認するのは困難。


トキワハゼは一年草(越年草)。ムラサキサギゴケは多年草。

花が極小だったらアゼナ(畔菜)ウリクサ(瓜草)の可能性。もしかしたらカキドオシ(垣通し)や外来種ツタバウンラン(蔦葉海蘭)などとも混同しうるか。

トキワハゼの実

熟すとぱかっと口が開いて、中から種子がこぼれ出る。ぱちんと弾ける瞬間は見たことがない。弾けるような形状でない。弾けた痕跡も見たことない。よって、トキワハゼの”実は爆ぜる”には同意できない。なお実は小さいので、人目に留まるものでなし。ろくに見えやしないどうということのない実や種子が名前の由来になるとは考えにくい。

トキワハゼの実 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/07

#トキワハゼの実 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/07

トキワハゼの熟して口を開けた実とこぼれ出る種子 茅ヶ崎市浜之郷 2021/05/16

#トキワハゼの熟して口を開けた実とこぼれ出る種子 茅ヶ崎市浜之郷 2021/05/16

トキワハゼの種子 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/07

#トキワハゼの種子 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/07


衣笠山公園、浄妙寺、浄智寺谷戸、光則寺、鎌倉広町緑地(御所谷入口の入口広場、田んぼ周辺)、茅ヶ崎市浜之郷・浜之郷小学校南側田んぼ(畦に多い、ムラサキサギゴケも)、氷室椿庭園(ウリクサも多い)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

ムラサキサギゴケ

アゼナ

ウリクサ

カキドオシ

ツタバウンラン