トチノキ

栃、栃の木 ムクロジ目/ムクロジ科/トチノキ属 花期/4月末~5月上旬 結実期/8月~9月
学名/Aesculus turbinata Blume

食用自生種稀少

トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

#トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

山地に生える落葉高木。神奈川県内にも自生するらしい。湘南・鎌倉・三浦半島でふつう目にするのは公園などに植樹されたもの。

トチノキ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

#トチノキ 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

ホオノキの高木 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

#ホオノキの高木 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

冬枯れしたトチノキの高木 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11

冬枯れした#トチノキの高木 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11

葉は巨大な掌状複葉。付け根まで完全に切れ込む。ホオノキ(朴の木)の葉が紛らわしいが、ホオノキは小葉に明らかに柄(え)がある。

トチノキの葉 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

#トチノキの葉 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

トチノキの夏の葉 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

#トチノキの夏の葉 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

冬芽は赤茶色で、樹脂(ヤニ)に覆われたもの。キャラメルでコーティングされたように見える。触るとべったべた。

落葉した冬のトチノキ 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19

落葉した冬の#トチノキ 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19

トチノキの冬芽(クモが一匹貼り付いてしまっている) 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19 

#トチノキの冬芽(クモが一匹貼り付いてしまっている) 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19 

成長が早くて柔らかいため、一般的な木材として利用される。高村光雲の彫刻「老猿(ろうえん)」(東京国立博物館所蔵、国指定重要文化財)はトチノキの一木造(いちぼくづくり)である。

トチノキの幹(樹皮) 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19

#トチノキの幹(樹皮) 平塚市・花菜ガーデン 2021/01/19

トチノキの幹(樹皮) 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11

#トチノキの幹(樹皮) 東京都調布市・神代植物公園 2021/12/11

単純に考えれば、栃木県はこのトチノキがたくさん生えていたことに由来する名といえる(他説あり、正確には由来不明)。その真偽はともかく、トチノキが栃木県の県木に制定されている。

トチノキの花

高木で尚且つ花は上向きに付くためなかなか間近でお目にかかれる機会はないが、大きな円錐形の花序は結構な異彩を放って見る者を圧倒するだろう。

トチノキの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/04/15

#トチノキの蕾 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/04/15

トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

#トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

#トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

小花たちも異様。どうにもこうにも黄色、オレンジ色、赤色の目を持った火星人三兄弟にしか見えやしない。黄色が若い花で、あとはスイフヨウ(酔芙蓉)方式で赤みが強くなっていくのだという。どうやら葯(やく)が付いていない”足”が雌蕊のようだ。

トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

#トチノキ 横須賀市・くりはま花の国 2017/05/02

トチノキの実

トチノキの実はふつう”トチ(栃)の実”という。収穫は9月。高木なので木になっているものは手が届かない。早ければ8月末からぼとぼとと落ちてくるのでそれを拾う。表面の皮を剥ぐと、中からクリ(栗)にそっくりなものが一つ登場。可食部は更にその中。もち米と一緒に蒸して搗(つ)き、栃餅(とちもち)にするとよい。苦みなどが強いため必ず事前に灰汁(あく)抜きをすること。この灰汁抜き作業が厄介で、清流に数週間晒すなどしなければいけない。

トチノキの実 横須賀市・くりはま花の国 2017/08/04

#トチノキの実 横須賀市・くりはま花の国 2017/08/04

トチノキの実 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

#トチノキの実 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

トチノキの実 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

#トチノキの実 東京都調布市・神代植物公園植物多様性センター 2020/08/04

トチノキの(殻付きの)実 東京都調布市・神代植物公園「木の実・草の実展」 2021/12/11

#トチノキの(殻付きの)実 東京都調布市・神代植物公園「木の実・草の実展」 2021/12/11

小さなトチの実は‥

トチノキの下に小振りな実が転がっていたので、てっきり成熟前に落ちてしまったトチの実だと思いきや‥、割ってみたらばツバキの実だった。これは紛らわしい。

ツバキの実 くりはま花の国 2017/08/05

#ツバキの実 くりはま花の国 2017/08/05

トチノキの実 東京都調布市・神代植物公園「木の実・草の実展」 2021/12/11

#トチノキの実 東京都調布市・神代植物公園「木の実・草の実展」 2021/12/11

トチの実(色が薄茶色なのは乾燥しかけているもの) 横浜市金沢区釜利谷南・手子神社 2017/10/03 

#トチの実(色が薄茶色なのは乾燥しかけているもの) 横浜市金沢区釜利谷南・手子神社 2017/10/03 


東京都千代田区・#国道1号線(桜田通り「桜田門」~「霞が関二丁目」交差点間の約600mに73本のトチノキ並木、東京都内現存最古の街路樹、8月下旬 東京国道事務所「トチの実落とし」=実の配布あり)、東京都小平市・#東京都薬用植物園(有用樹木区4D)、東京都調布市・#神代植物公園(山野草園とはぎ園トイレの間に高木、隣にベニバナトチノキの高木、共に樹名板あり)、東京都調布市・#神代植物公園植物多様性センター(管理事務所前に高木)、横浜市西区・みなとみらい21・#とちのき通り(街路樹に若木・サルスベリと混生、実はごく僅かのみ)、横浜市中区・#根岸森林公園、横浜市金沢区釜利谷南・#手子神社(実は超高所のみたくさん、横浜市指定名木古木)

#くりはま花の国(樹木園)、#大船フラワーセンター(ピクニックグランド)、#花菜ガーデン(アグリステーション(触れん土ファーム前トイレ)の田んぼたんぼ側と田んぼ道に若木)

鎌倉市・#子ども自然ふれあいの森、#東慶寺(墓地に高木)、#散在ガ池森林公園、#長久保公園(西門入ってすぐ若木、更に進んでマユミ周辺にも、まだ開花結実しないか)

秦野市・#葛葉緑地(駐車場)、山北町・#頼政神社(県指定天然記念物「頼政神社のトチノキ」、かながわの名木100選「頼政神社のトチノキ」)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

ホオノキ

セイヨウトチノキ

西洋栃、西洋栃の木 ムクロジ目/ムクロジ科/トチノキ属 花期/4月末~5月上旬

外来種稀少

セイヨウトチノキ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09

#セイヨウトチノキ 東京都小平市・東京都薬用植物園 2017/05/09

ヨーロッパ原産の落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。フランス語でマロニエ(Marronnier)。稀に栽培される。

セイヨウトチノキ 鎌倉市植木・龍宝寺 2019/05/05

#セイヨウトチノキ 鎌倉市植木・龍宝寺 2019/05/05

セイヨウトチノキの葉 鎌倉市植木・龍宝寺 2017/05/07

#セイヨウトチノキの葉 鎌倉市植木・龍宝寺 2017/05/07

セイヨウトチノキの花

ぱっと見はトチノキのようだが、花がなんだか密集させすぎたヤエザクラ(八重桜)のようにくしゃくしゃっとなっていたらセイヨウトチノキ。

セイヨウトチノキ 鎌倉市植木・龍宝寺 2017/05/07

#セイヨウトチノキ 鎌倉市植木・龍宝寺 2017/05/07

セイヨウトチノキ 鎌倉市植木・龍宝寺 2017/05/07

#セイヨウトチノキ 鎌倉市植木・龍宝寺 2017/05/07


東京都小平市・#東京都薬用植物園

鎌倉市植木・#龍宝寺(参道沿い、5月10日頃、結実しない)

『トチノキ』へのコメント

  1. 里山ライフ 投稿日:2023/03/28(火) 10:22:50 ID:aee982a98 返信

    30年前、
    新居の記念樹かつシンボルツリーとして、
    ベニバナトチノキ「Briotii」の苗木を芝庭の西側にオフセットして植えた。
    幼木のため、花が咲くまで数年を要したが、期待通りに「赤みの強いローズピンクの花」が樹冠一杯に咲き誇り、格別な壮観さです。

    友人から『大きくはならず、手間がかからず、芝庭に好適だから』と、
    オオデマリの挿し穂をプレゼントされ庭の中央南端に挿したが、あにはからんや大木(単幹)になった。

    そのとばっちりもあり、
    夏季、樹高8㍍ほどに成長したベニバナトチノキの樹下は「木漏れ日も差さない」ほどで、かなり暗い。

    オオデマリとベニバナトチノキは、
    ともに枝が拡張し樹冠も大きいため、四季を通じて野鳥で大賑わい。
    当初は芝庭での点景ベニバナトチノキだったが、
    今ではベニバナトチノキの暗い林床に育まれた景色に様変わりしている(おそらく、現在進行形)
    https://mirusiru.jp/nature/flower/yabumyouga#comment-874