テイカカズラ

定家葛 リンドウ目/キョウチクトウ科/テイカカズラ属 花期/5月中旬~6月 結実期/12月

有毒自生種

テイカカズラ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/05/17

テイカカズラ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/05/17

丘陵地などの林内でそこら中にたくさん生える常緑の蔓性藤本(とうほん)。草ではなく木。葉は対生。地面を這うか、スギ(杉)など他の樹木の幹に絡み付いて高所まで登る。姿はツルマサキ(蔓柾)によく似る。

テイカカズラとツルマサキの違い

ともに日陰の林床にあって、蔓性で、地面を這い、葉の形状もそっくり。花はまったく異質なものなので咲いているなら一目瞭然ながら、どちらも花付きがよろしくない。


テイカカズラ

葉に鋸歯がない。茎はふつうの木の幹の色(灰褐色、なお花期の若い枝は緑色)。

テイカカズラの葉 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08


ツルマサキ

マサキの仲間なので葉に鋸歯がある。茎は緑色。

ツルマサキの葉 鎌倉市・葛原岡ハイキングコース 2017/02/28


イタビカズラ

ついでに申せば、特にテイカカズラと紛らわしいイタビカズラというのも。ただし本種は葉が互生なので、しっかり確認すれば判別は容易。

イタビカズラ 大磯町・高麗山公園 2018/03/31

イタビカズラ 大磯町・高麗山公園 2018/03/31

木が若いうちは地面を這い、葉には斑(ふ)が入る。林床に無数にあり。

テイカカズラの幼木の斑が入る葉 横須賀市・前田川源流 2017/01/03

テイカカズラの幼木の斑が入る葉 横須賀市・前田川源流 2017/01/03

テイカカズラの若木の斑が消えかかっている葉 横須賀市・前田川源流 2017/01/03

テイカカズラの若木の斑が消えかかっている葉 横須賀市・前田川源流 2017/01/03

テイカカズラは他の樹木や壁面を登ってこそ成木となる。茎からこまめに気根を出してがっしりへばり付く。

苔むした岩壁を登るテイカカズラから伸びた気根(白色矢印) 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

苔むした岩壁を登るテイカカズラから伸びた気根(白色矢印) 横須賀市・くりはま花の国 2018/02/08

テイカカズラの成木の葉 小田原市・石垣山農道 2017/01/05

テイカカズラの成木の葉 小田原市・石垣山農道 2017/01/05

横須賀市・猿島には近似種のサカキカズラ(栄木葛)(神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」)あり。

テイカカズラの花

送風ファン形の白花。テイカカズラはふつう林の中の日陰に分布するが、花は日当たりある場所に生えたもので多く見かける。日陰に生えるのに日陰ではなかなか花が咲かないという妙な性質。人目に触れやすいテイカカズラはハイキングコース沿いのもっぱら日陰の地表を這う育ちの悪い、あるいは若い株なので、花や実が付いていることはまずないだろう。スギに絡みついて大きく成長した株では日陰でも花を見るが今度はかなりの高所で咲くことになり、やはり観察に難がある。意外と花は稀少。

テイカカズラ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/05/17

テイカカズラ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/05/17

テイカカズラ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/05/17

テイカカズラ 横浜市戸塚区・俣野園 2017/05/17

テイカカズラの実

実は細長すぎるインゲンマメ(隠元豆)のようなものが一対。あの花がどうなればこんな実に変わるというのか。

テイカカズラの実 小田原市・石垣山農道 2017/09/09

テイカカズラの実 小田原市・石垣山農道 2017/09/09

テイカカズラの実 小田原市・石垣山農道 2017/09/09

テイカカズラの実 小田原市・石垣山農道 2017/09/09

テイカカズラの虫こぶ

虫こぶまたは虫癭(ちゅうえい)とは、植物に小さな虫の幼虫などが寄生することによってできる不思議なこぶ状の膨らみのこと。


テイカカズラミサキフクレフシ

テイカカズラの実の先端が(融合し)膨れて節になるもの、の意。テイカカズラっぽい謎の蔓性の木に赤くて丸いヒメリンゴ(姫林檎)の実のようなものがぶら下がっていたらきっとコレ。テイカカズラミタマバエの幼虫が寄生している。

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉中央公園 2017/11/16

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉市十二所・吉沢川源流入口 2017/11/21

テイカカズラミサキフクレフシ 鎌倉市十二所・吉沢川源流入口 2017/11/21

実が熟せば、中から綿毛付きの種子が放出され風に乗って遠くへ遠くへ飛んでゆく。

テイカカズラの実 横須賀市東浦賀・叶神社の社叢林 2017/12/05

テイカカズラの実 横須賀市東浦賀・叶神社の社叢林 2017/12/05

空から降ってきたテイカカズラの種子 鎌倉中央公園 2016/12/23

空から降ってきたテイカカズラの種子 鎌倉中央公園 2016/12/23

テイカカズラの種子 鎌倉中央公園 2016/12/23

テイカカズラの種子 鎌倉中央公園 2016/12/23


横浜市戸塚区・俣野園

観音崎公園(三軒家砲台跡上)、勝長寿院舊蹟(の一本東の路地)、高麗山公園

横須賀市秋谷・前田川団地(大楠山ハイキングコース入口への車道分岐の川側、やや遠い)、吉沢川源流入口、光則寺(山門入って左前)

小田原市・石垣山農道(海蔵寺北側)

トウキョウチクトウ

唐夾竹桃 リンドウ目/キョウチクトウ科/テイカカズラ属 花期/5月中旬

外来種

中国などを原産とする、テイカカズラ(定家葛)の外来種。トウテイカカズラ(唐定家葛)、英名でスター・ジャスミン(Star jasmine)などとも。全体的にほぼ無毛なためつるっとした印象で見栄えがよい。葉は大きめ。成長が早いため、こんもりふさふさよく繁る。花はきれいな白で、ジャスミンに喩(たと)えられているように香りが強め。花数は非常に多く、短期間に一斉に満開する。花の形状はテイカカズラによく似ているものの、上記のようなテイカカズラではない”異質な感じ”が漠然ながらも全体的に感じられるのではないか。民家を囲うフェンスなどに絡ませて栽培されているのは本種だろうと思われる。

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