シモクレン

紫木蓮 モクレン目/モクレン科/モクレン属 花期/3月末~4月
学名/Magnolia liliiflora Desr.

外来種改良種

シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

中国原産の落葉低木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。濃い紫色の花を咲かせるモクレン。単にモクレンといった場合も元来は本種を指す。俗にハクモクレン(白木蓮)などの近似種を含めてモクレンと呼んでしまうことも多いが、総称するときはモクレン属に分類される植物を意味するマグノリア(Magnolia)の名称を用いる方向になっている。シモクレンはかつて昭和時代(-1989)は人気があり盛んに栽培されたようだが、近年シモクレンを見かける機会はなかなか得られなくなってきた。残っているのは古めかしい和風建築のお屋敷を構えた旧家か寺の庭くらいか。紫色が濃く、花色が重厚で渋すぎるからだろう。現代ではもっとポップなかわいらしいピンク色が好まれる傾向がある。

シモクレンの特徴


株立ち

幹が何本も集まって生えるいわゆる株立ちの状態になる(庭木としては煩雑な印象になってしまうことから、整理のため主たる幹一本を残して他は切除して栽培することはある)。対して、カキノキ(柿の木)のようなふつうの樹形になるものはハクモクレンなどの血が入っている証拠。

低木

大きく育っても樹高は3m少々と、明らかな低木である。株立ちで低木なので枝は細めで頼りなく、”まだ若い木なのかな”という印象を受けるかもしれない。

4月中旬

とっくのとうから咲いているハクモクレン(白木蓮)より花期が明らかに(一ヶ月程度も)遅く、湘南・鎌倉・三浦半島では見頃は4月中旬。キモクレン(黄木蓮)類の直前に開花する。

葉も一緒

開花と同時に葉も開いている。

濃い紫

花弁の色は、花弁外側は(どう考えてもこんなの園芸種だろうよと勘違いしてしまいそうなほどの)かなり濃い紫色で、花弁内側も紫色である。ただしまったくの同色ではなく内側の紫はやや淡く、日光などが当たるとすこし白っぽくは見える(薄暗い日陰で見る分にはほぼ同色に感じられる)。対して、花弁外側が白っぽい紫色、あるいは、内側が明確に白色を帯びているものは、ハクモクレンなどの性質が入っている交配種である。

細めの花弁

花弁の形状はやや細め。ハクモクレンほどふっくらした幅広なものではない。ただし明確に細いものはシデコブシとの交配種である可能性がある。

紛らわしいことに、シモクレンと総称して何ら問題なさそうなカラスモクレン(烏木蓮)というのがある。シモクレンの園芸種という。シモクレンの花が暗紫色なのに対しカラスモクレンは黒紫色。黒っぽいのでカラス。このカラスモクレンは古くから日本でも栽培されてきたという。微妙な差異なのでシモクレンとの違いは不明。※本頁では、樹名板にカラスモクレンと明記されていたりしない限りシモクレンとして扱う。またシモクレンの変種ないし園芸種というトウモクレン(唐木蓮)なるものもあり。花色はシモクレンより(特に花弁内側が)薄めで、但し個体差があり、交配種のマグノリアと区別しがたし。

シモクレンの開花時の葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレンの開花時の葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレンの若葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/14

#シモクレンの若葉 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/14

シモクレンの株立ち状の幹 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレンの株立ち状の幹 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレンの花

木としては高木になるハクモクレンより明らかに小型であるが、花は意外にも見劣りしない立派な大きさを誇る。

シモクレンの蕾 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/03/30

#シモクレンの蕾 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/03/30

シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市・氷室椿庭園 2018/04/03

シモクレン 茅ヶ崎市東海岸南 2018/04/03

#シモクレン 茅ヶ崎市東海岸南 2018/04/03

カラスモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2014/04/21

#カラスモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2014/04/21


東京都文京区・#小石川植物園(シダ園近くのC13に立派な木あるも近くで見れない・樹名板あり、分類標本園に樹名板「Magnolia quinquepeta (Buchoz) Dandy モクレン」として)、東京都調布市・#神代植物公園(マグノリア園にトウモクレン多め)、東京都調布市・#京王フローラルガーデン アンジェ(シモクレンあり、4月~5月無休・入園料500円・3月最終日曜日または4月第1日曜日 開園記念感謝祭=入園無料、令和3年(2021)閉園)、横浜市戸塚区・#舞岡公園(小谷戸の里に2本)

#妙本寺、#大巧寺、鎌倉市植木・#龍宝寺、#氷室椿庭園(樹名板「紫木蓮」あり、入口東向かいの民家にも)

大船フラワーセンター(園芸種のみでシモクレンと呼べるものはない)、平塚市・#総合公園(香りの森、傷み激しく開花ないか)、#花菜ガーデン(カラスモクレン(Magnolia liliiflora ‘Nigra’)1本=花弁内側がやけに白い疑念あり)

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