シモバシラ

霜柱 シソ目/シソ科/シモバシラ属 花期/9月下旬~10月 結実期/11月中旬~12月上旬 氷柱見頃/12月中旬~1月中旬
学名/Keiskea japonica Miq.

稀少

シモバシラが作り出した中規模な氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

#シモバシラが作り出した中規模な氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

低山の林内に生える大型の多年草。冬になると枯れた茎の根元に氷の結晶を作ることが知られる。神奈川県内では丹沢の山内に分布があるらしい。近隣では東京都八王子市・高尾山に自生し冬の見物(みもの)となっている。湘南・鎌倉・三浦半島に自生はないが、公園などで稀に栽培されている。

シモバシラ 茅ケ崎里山公園 2016/09/25

#シモバシラ 茅ケ崎里山公園 2016/09/25

シモバシラ 茅ケ崎里山公園 2016/09/25

#シモバシラ 茅ケ崎里山公園 2016/09/25

シモバシラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/06

#シモバシラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/06

シモバシラの花

シソ科の白い花。

シモバシラ 箱根湿生花園 2017/10/01

#シモバシラ 箱根湿生花園 2017/10/01

シモバシラ 茅ケ崎里山公園 2016/09/25

#シモバシラ 茅ケ崎里山公園 2016/09/25

シモバシラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/06

#シモバシラ 鎌倉市・大船フラワーセンター 2020/10/06

シモバシラの実

秋に熟す。外観からは種子がどこにあるのかよくは見えず、種子はもう落ちてしまったあとなのではないかとさえ感じる(シソ科にありがちな)様子であるが、萼の奥底に眠っている黒っぽいものが熟した種子である。指でつまんでみれば種子らしき硬い粒の感触が確認できるだろう。

シモバシラの熟した実と種子 茅ケ崎里山公園 2018/11/24

#シモバシラの熟した実と種子 茅ケ崎里山公園 2018/11/24

シモバシラの氷柱

水気を多く含んだ地表が0℃以下になると柱形の氷ができる、これを霜柱(しもばしら)という。

地面にできた霜柱 箱根町・駒ヶ岳山頂 2017/02/21

地面にできた霜柱 箱根町・駒ヶ岳山頂 2017/02/21

同様に、気温が氷点下まで下がるとあたかも霜柱を立てるかのように枯れた茎の周辺に氷の結晶を作り出す草があり、この植物もまた名をシモバシラという。シモバシラという草が、氷花(ひょうか)とも呼ばれる美しい氷柱(ひょうちゅう)を造形する。冬なのでもう枯れて死んでしまっているように見えるものの根がまだ地中で生きていて水を吸い上げ続けるため、茎の中の水分が外に漏れ出て結晶化し氷の芸術をこしらえるのだという。その姿からユキヨセソウ(雪寄草)の別名も。

シモバシラが作り出した小規模な氷柱 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

#シモバシラが作り出した小規模な氷柱 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29 07:47

シモバシラが作り出した小規模な氷柱 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

#シモバシラが作り出した小規模な氷柱 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29 07:49

シモバシラが作り出した中規模な氷柱 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

#シモバシラが作り出した中規模な氷柱 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29 07:55

12月中旬に冬将軍が到来して初霜を記録したような朝、家の屋根や畑が一面真っ白く粉吹くように霜が降りているきんきんに冷えた朝が見頃。時期始めの氷柱は地面から30cm程と大きく育ち、きめ細かな細工も美しい。ただし、神奈川県南部(湘南・鎌倉・三浦半島)は温暖なため、霜が降りるようになるのは年末年始の頃がふつう。あまり時期が遅くなると水を吸い上げる力は弱まり茎の傷みがひどくなってしまうため氷柱は小さくなってしまうかもしれない。氷柱ができる目安は、予想最低気温が3℃ないし2℃の朝では微妙、1℃なら期待大、氷点下ならほぼ確実に観察できるだろう。氷柱ができるのに時間がかかるため、深夜のうちから早々と気温が1℃以下に下がっているとよい。晴れの予報では日の出から(特に日照ある場所では)気温がぐんぐん上昇してしまって氷が溶けやすくなるので要注意。なお気温が下がりすぎると今度は、路面凍結のため早朝から観察に出るのが危険になってしまう(車はノーマルタイヤのみではスリップする危険あり・バイクは無謀、公共の交通機関は遅延する)問題も。雨や雪の日はだめ。
※数年前の”予報に反して首都圏が大雪に見舞われてたいへんな混乱を招き、気象庁が大いに批判を浴びた”一件以来、気象庁のみならず気象予報士は軒並み”事を大袈裟にいう”癖が付いており、「たいへんな寒波に見舞われる可能性」等々の表現があっても実際はたいして寒くならないこともあるので注意したい。朝の気温が1℃予想だったはずも直前になってこっそり3℃に変更されているなどは、ざら。日の出前に、地面に霜柱は発生しているか、屋根や畑は霜で白く染まっているか、頬がひりひりちくちく傷むほど空気が冷えきっているか、などを自分の目と肌で実際に確認した上で観察に出かけた方が吉。(屋外の水道は気温2℃くらいで早々と凍るものがある。バケツの水は氷点下にならないと凍らない。)

シモバシラが作り出した氷柱 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/01/10 09:06

#シモバシラが作り出した氷柱 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/01/10 09:06

シモバシラが作り出した氷柱 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/01/10 09:13

#シモバシラが作り出した氷柱 鎌倉市・大船フラワーセンター 2021/01/10 09:13

シモバシラが作り出した氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

#シモバシラが作り出した氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

シモバシラが作り出した中規模な氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

#シモバシラが作り出した中規模な氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

シモバシラが作り出した中規模な氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

#シモバシラが作り出した中規模な氷柱 茅ケ崎里山公園 2019/01/11

シモバシラが作り出した霜柱はがっちりとした硬い氷なので日の出と共に瞬時に溶けてしまうものではないものの、太陽が昇って気温が上がれば当然ながらじきに溶解してなくなってしまう。観察はできるだけ朝早い時間(目安として日の出(06:50頃)~09:00)に。

シモバシラの氷柱が溶けたあとの茎 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29

#シモバシラの氷柱が溶けたあとの茎 秦野市・葛葉緑地 2018/12/29 11:54

なお氷柱を作り出す植物は他にもカシワバハグマ(柏葉白熊)サルビアなどが知られている。


横浜市泉区・#天王森泉公園(野の花苑、09:00-、第2・第4火曜日定休、12月29日~1月3日休園)

#光の丘水辺公園(入口~管理棟間、08:30-、12月29日~1月3日休園)、#東慶寺、#円覚寺松嶺院、#光則寺、#大船フラワーセンター(つつじ・しゃくなげ園の南東角=規模大きいがよく日が当たり暖かい、第2展示場向かいのもみじ山=規模小さい、第2・第4月曜定休、12月29日~1月3日休園)、#茅ケ崎里山公園(谷の家(やとのいえ)柵内・門入りすぐ右の花壇=比較的寒冷で観察しやすい、09:00- ※08:30頃に開門することも、12月29日~1月3日休館 ※柵外から見ることは可能)

大和市・#泉の森(郷土民家園、09:00-、12月29日~1月3日休館)、秦野市・#葛葉緑地(くずは野外展示場 ※神奈川県南部の平地より1℃ないし2℃低い、#小田原フラワーガーデン(梅園、09:00-、月曜定休、12月29日~1月3日休園)