シマテンナンショウ

島天南星 オモダカ目/サトイモ科/テンナンショウ属 花期/2月中旬~4月 結実期/11月
学名/Arisaema negishii Makino

有毒自生種稀少保護

シマテンナンショウ 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウ 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

テンナンショウの仲間の多年草で、雌雄異株(しゆういしゅ)。名は伊豆諸島に分布するため。縞々模様になるわけではない。湘南・鎌倉・三浦半島に分布するテンナンショウ類では本種がいち早く咲く。仏炎苞は緑色で、まるでウラシマソウ(浦島草)のように”釣り糸”を伸ばす。ウラシマソウと異なる点は、茎が二分して葉が二枚付くこと(それぞれが切れ込んで多数の小葉に分かれる)。1月中旬あたりから発芽し、仏炎苞がしっかり形作られるのは2月下旬、見頃は3月中旬から。神奈川県内では大磯丘陵でのみ確認されているが、『神奈川県植物誌2018』では”伊豆諸島に分布するものである”として掲載が見送られた。人為的な移入という判断か(であれば外来種としての掲載があっても良さそうなものであるが)。

仏炎苞がまだ痩せているシマテンナンショウ 平塚市・高麗山公園 2017/02/19

仏炎苞がまだ痩せているシマテンナンショウ 平塚市・高麗山公園 2017/02/19

シマテンナンショウの仏炎苞と付属体 平塚市・高麗山公園 2017/02/19

シマテンナンショウの仏炎苞と付属体 平塚市・高麗山公園 2017/02/19

小雪も春一番も経験してなお美しい葉を保っているのは頼もしい。そろそろ、葉を食い荒らす虫が湧き出てくる時期に。

シマテンナンショウの二枚の葉 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの二枚の葉 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの仏炎苞 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの仏炎苞 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの仏炎苞 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの仏炎苞 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの小群生 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの小群生 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの小群生 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの小群生 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの茎(黒っぽいのも) 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの茎(黒っぽいのも) 平塚市・高麗山公園 2017/03/08

シマテンナンショウの仏炎苞 平塚市・高麗山公園 2018/03/31

シマテンナンショウの仏炎苞 平塚市・高麗山公園 2018/03/31

シマテンナンショウ 平塚市・高麗山公園 2018/03/31

シマテンナンショウ 平塚市・高麗山公園 2018/03/31

平成17年(2005)頃から高麗山にはニホンイノシシ(日本猪)が出没するようになり、神奈川県・平塚市・大磯町の行政が何ら対策を講じないため頭数は増加の一途を辿り、平成30年(2018)4月現在なおイノシシの楽園になってしまったままである。高麗山では餌を探すイノシシが毎日地面を掘り起こすことによって貴重な野草が数多く失われてしまったが(土砂崩れも多発するようになった)、幸いにしてシマテンナンショウを狙って土耕する様子は確認できない。どうもイノシシはシマテンナンショウは食べないようだ。

三宅島では飢饉のときなどにシマテンナンショウの球茎から団子を作って食べていたとか(救荒植物)。独特の加工技術でもあったのだろうか。シマテンナンショウは毒草。コンニャク(蒟蒻)の仲間ではある。


高麗山公園

参考資料

『神奈川県植物誌2018』(電子版を含む) 神奈川県植物誌調査会編 神奈川県植物誌調査会発行(2018)

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