センニンソウ

仙人草 キンポウゲ目/キンポウゲ科/センニンソウ属 花期/8月中旬~9月上旬 結実期/10月中旬~11月

有毒薬用自生種保護

センニンソウ 葉山町上山口 2017/08/24

センニンソウ 葉山町上山口 2017/08/24

林縁部などに生える蔓性の多年草。湘南・鎌倉・三浦半島では緑地が残る丘陵地周辺で見ることができ、特に三浦半島に多い。蔓植物なので刈払い被害に遭いやすく花はきれいなため盗掘されて数を減らしそうだが、意外にもしぶとくあちこちに生えている普通種。なお箱根にはたいへん多いので、避暑で訪れた際には確実に目にできるのでは。

近似種にボタンヅル(牡丹蔓)コボタンヅル(小牡丹蔓)コバノボタンヅル(小葉の牡丹蔓)がある。見分けのポイントは葉の生え方と形状(と、蕾の形状、花の形状)の違い。

センニンソウの葉 逗子市・池子の森自然公園 2017/08/27

センニンソウの葉 逗子市・池子の森自然公園 2017/08/27

センニンソウの葉は、小葉(しょうよう)がふつう五枚(ときに三枚ないし七枚)の奇数羽状複葉(茎から分岐した柄の先に”小葉3枚×1セット、+2枚”の計5枚の葉が付く)。小葉は鋸歯ない全縁(ぜんえん)。実際のところは葉柄がぐにゃっと曲がって変形し、ごちゃごちゃごちゃっと絡み合いながら藪を形成している。

センニンソウの葉 平塚市高根・湘南平への登坂路沿い 2017/08/19

センニンソウの葉 平塚市高根・湘南平への登坂路沿い 2017/08/19

クレマチス(Clematis)とはセンニンソウ属のこと。センニンソウやボタンヅルの仲間は、日本に自生する小型のクレマチスなのである。

センニンソウの花

四枚の純白花弁(のように見える萼片)と蕊(しべ)が美しい。花弁は蕊の長さより明らかに長く(長さには個体差あり)、花が大きく豊かに見える。蕾は先端がやや尖っている。

センニンソウ 平塚市高根・湘南平への登坂路沿い 2017/08/19

センニンソウ 平塚市高根・湘南平への登坂路沿い 2017/08/19

センニンソウ 箱根町・湖尻園地 2017/10/27(咲き遅れ)

センニンソウ 箱根町・湖尻園地 2017/10/27(咲き遅れ)

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

海辺に分布するセンニンソウはハマセンニンソウ(浜仙人草)と呼ばれる変種である。とかいう話はまったく聞いたことはないが、沿岸部で強烈な海風に晒されているセンニンソウには確かに葉が硬くなり縁(ふち)はよく縮れる傾向がみられるものがある。

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型) 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型)の硬い葉 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型)の硬い葉 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型)の硬い葉 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

センニンソウ(海岸型)の硬い葉 三浦市・黒崎の鼻 2017/08/29

少し離れた場所から花を見るとほぼ真っ白に見えるのがセンニンソウ。ボタンヅル系はちょっと黄色っぽい感じがする。

センニンソウ 葉山町上山口 2017/08/24

センニンソウ 葉山町上山口 2017/08/24

センニンソウの実

冠毛が仙人の髭(ひげ)のようでおもしろい。タネは思いのほか軽量なので、強い風に吹かれればふわふわっと風に乗って遙か遠くまで飛んでゆくことができる。

センニンソウの実 葉山町上山口 2017/11/05

センニンソウの実 葉山町上山口 2017/11/05

種子はまだ完熟していないのではないかと思われるような明るい茶色の状態で風に飛ばされ少しずつなくなってゆく。

センニンソウの実(背景の山は葉山アルプス) 葉山町上山口 2017/11/05

センニンソウの実(背景の山は葉山アルプス) 葉山町上山口 2017/11/05

センニンソウの実 葉山町上山口 2017/11/05

センニンソウの実 葉山町上山口 2017/11/05

センニンソウの実 箱根町・湖尻 2017/11/17

センニンソウの実 箱根町・湖尻 2017/11/17


葉山町上山口(棚田の西、棚田の上)、池子の森自然公園、衣張山公園、東慶寺、光則寺

天神島臨海自然教育園、宅間ガ谷、広町緑地、極楽寺坂切通、平塚市高根・湘南平への登坂路沿い(「湘南平富士見」バス停付近に少数)

ボタンヅル

牡丹蔓 キンポウゲ目/キンポウゲ科/センニンソウ属 花期/8月中旬~9月上旬 結実期/11月中旬~12月中旬

有毒自生種稀少保護

センニンソウ(仙人草)の仲間。葉がボタンのような形状であるとのことから名前が違う。なお茎が木質化するため、多年草ではなく蔓性の落葉低木という分類になる。神奈川県内では丹沢周辺を中心に広く自生が見られるというが数は少なく稀。湘南・鎌倉・三浦半島にもあることはある。

ボタンヅルの葉はその形状に加え、一回三出複葉(茎から分岐した柄の先に”小葉3枚×1セット”の計3枚の葉のみが付く)であることが最大の特徴。コボタンヅル(小牡丹蔓)に比べれば小葉はかなり大きいものである。小葉(特に頂小葉)には深い切れ込みが入り、三裂に近い形状になる傾向がみられる。

コボタンヅル

小牡丹蔓 キンポウゲ目/キンポウゲ科/センニンソウ属 花期/8月中旬~9月上旬 結実期/10月中旬~11月

有毒自生種保護

コボタンヅル 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/19

コボタンヅル 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/19

ボタンヅルの変種。ボタンヅルとは異なり、葉がふつう二回三出複葉(茎から分岐した柄の先に”小葉3枚×3セット”の計9枚の葉が付く)。ボタンヅル系の三種で最も多いのは本種。山地に多く、神奈川県内では丹沢や箱根で普通種。湘南・鎌倉・三浦半島では大磯丘陵や三浦半島の付け根の地域で稀に見かける程度。

コボタンヅルの葉 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/19

コボタンヅルの葉 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/19

名前が紛らわしいが、コバノボタンヅル(小葉の牡丹蔓)は別の近似種。コバノカモメヅル(小葉の鴎蔓)はまったくの別種。ややこしい。

コボタンヅルの花

花弁(に見える萼)が短く、蕊(しべ)の長さとだいたい同等。よって、やや黄色みがかった蕊のもしゃもしゃ感がよく強調されて見える。蕾は先端に丸みがあり尖らない。

コボタンヅル 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/27

コボタンヅル 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/27

コボタンヅル 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/19

コボタンヅル 大磯町高麗・高麗山公園入口 2017/08/19

コボタンヅルの実

冠毛が短い。なかなか熟さないが、油断していると10月下旬あたりからにわかに黒っぽく変色して風に飛ばされなくなってしまう。

コボタンヅルの未熟な実 横須賀市山中町 2017/10/24

コボタンヅルの未熟な実 横須賀市山中町 2017/10/24

コボタンヅルの未熟な実 横須賀市山中町 2017/10/24

コボタンヅルの未熟な実 横須賀市山中町 2017/10/24

コボタンヅルの完熟した実 山北町・丹沢湖 2017/10/27

コボタンヅルの完熟した実 山北町・丹沢湖 2017/10/27

コボタンヅルの完熟した実 横須賀市山中町 2017/11/12

コボタンヅルの完熟した実 横須賀市山中町 2017/11/12

コボタンヅルの完熟した実 横須賀市山中町 2017/11/12

コボタンヅルの完熟した実 横須賀市山中町 2017/11/12

コボタンヅルの完熟した実 横須賀市山中町 2017/11/12

コボタンヅルの完熟した実 横須賀市山中町 2017/11/12


横須賀市・鷹取山公園(展望台への階段入口)、横須賀市山中町(塚山公園西方農地フェンス)、大磯町高麗・高麗山公園入口(レモンガス南側の園縁部で石垣に垂れて・夏の刈払いで丸刈りされる

箱根町・湖尻(県道75号沿い箱根パウエル前、花期同じ)

コバノボタンヅル

小葉の牡丹蔓 キンポウゲ目/キンポウゲ科/センニンソウ属 花期/9月中旬 結実期/11月中旬~12月

有毒自生種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧IA類」

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

四国や九州などに分布するボタンヅルの仲間。神奈川県内では大磯丘陵で”発見”され、唯一の生息地となっている。分布が局地的すぎるので栽培ものの逸出か何かではないのか、それともよく探せば大磯町・鷹取山などにも自生しているのだろうか。

葉はコボタンヅル(小牡丹蔓)と同じ二回三出複葉。小葉(しょうよう)が小さめ。

コバノボタンヅルの葉 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅルの葉 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅルの葉 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅルの葉 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅルの花

花は多数が密生せず、ぽつりぽつりと付く程度。

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

蕾は先端が尖り、ぺこりと首を垂れる。

コバノボタンヅルの蕾 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅルの蕾 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅルの開きかけの葉、花弁ではなく萼片なのがよくわかる 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅルの開きかけの葉、花弁ではなく萼片なのがよくわかる 高麗山公園 2017/09/14

花弁(に見える萼片)が短くコンパクトな印象を受けるコボタンヅルに比べればかなり大きく立派。カールしているため尖って見える。

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/09

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅル 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅルの花弁が落ちたもの 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅルの花弁が落ちたもの 高麗山公園 2017/09/14

コバノボタンヅルの実

冠毛が長く豊かでふわふっわ。実はなっかなか熟さず、葉も枯れてきた冬本番を迎えた12月15日あたりからようやく風に吹かれて飛び始めるようだ。

コバノボタンヅルの若い実 高麗山公園 2017/10/10

コバノボタンヅルの若い実 高麗山公園 2017/10/10

コバノボタンヅルの若い実 高麗山公園 2017/10/27

コバノボタンヅルの若い実 高麗山公園 2017/10/27

コバノボタンヅルの熟した実 高麗山公園 2017/12/14

コバノボタンヅルの熟した実 高麗山公園 2017/12/14

コバノボタンヅルの熟した実 高麗山公園 2017/12/14

コバノボタンヅルの熟した実 高麗山公園 2017/12/14

コバノボタンヅルの熟した実 高麗山公園 2017/12/14

コバノボタンヅルの熟した実 高麗山公園 2017/12/14


高麗山公園

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