オギ

荻 イネ目/イネ科/ススキ属 花期/9月~10月中旬 結実期(穂の見頃)/9月中旬~11月
学名/Miscanthus sacchariflorus (Maxim.) Benth.

自生種

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2018/10/02

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2018/10/02

河川敷や湿地に生える多年草で、よく群生する。荻野(おぎの)さん、荻原(おぎわら)さんのオギ。漢字表記はハギ(萩)と混同しないよう。荻と萩は書き間違える人がとても多い。ススキ(芒)に比べて知名度が格段に落ちるオギであるが、じつはその辺にふつうに生えている。つまり、ススキだと思われているそれはじつはオギである可能性が大いにあるということ。ススキとオギはきちんと見分けられるようにしておきたい。

河原に大群生したオギ(背景は大山) 寒川町・相模川・神川橋下流 2021/10/11

河原に大群生したオギ(背景は大山) 寒川町・相模川・神川橋下流 2021/10/11

ススキは乾燥した道端や公園に、オギはやや湿った場所を好むので河川敷や湿地あるいは田んぼに、アシ(葦)は完全に水気のある湿地や水中(海水にも耐える)に生える。やや乾き気味の場所に生えているオギはススキと、水辺に生えるオギはアシと混生することがあるため、見分けが少々厄介である。ススキ・オギ・アシのうち、一地点にこんもりと叢生(そうせい、株立ち)するのはススキのみで、オギとアシは間隔を空けてまんべんなく生える。

オギの群生(黄色はセイタカアワダチソウ) 平塚市・馬入水辺の楽校 2017/10/10

オギの群生(黄色はセイタカアワダチソウ) 平塚市・馬入水辺の楽校 2017/10/10

大根川土手のオギ(背景は大山) 平塚市真田 2021/11/05

大根川土手のオギ(背景は大山) 平塚市真田 2021/11/05

オギ 寒川町・相模川・神川橋下流 2022/11/08

オギ 寒川町・相模川・神川橋下流 2022/11/08

オギ 寒川町・相模川・神川橋下流 2022/11/08

オギ 寒川町・相模川・神川橋下流 2022/11/08

オギの秋の群落 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

オギの秋の群落 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

オギの秋の群落 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

オギの秋の群落 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

晩秋の河川敷、手前の白穂がオギ、奥の汚らしい茶色穂がアシ 茅ヶ崎市・小出川 2020/11/28

晩秋の河川敷、手前の白穂がオギ、奥の汚らしい茶色穂がアシ 茅ヶ崎市・小出川 2020/11/28

葉はススキと同様に、中心に一本の白色の脈がくっきり通る。アシの葉には葉脈は見られない。

オギの秋の葉 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

オギの秋の葉 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

オギの花

ススキと同様に、雄蕊と雌蕊をちょろっと出しているだけの姿がオギの花が咲いている状態という扱いになる。

オギの花 寒川町田端 2018/10/15

オギの花 寒川町田端 2018/10/15

オギの花 寒川町田端 2018/10/15

オギの花 寒川町田端 2018/10/15

オギの花 藤沢市大庭・引地川流域の田んぼ 2018/10/16

オギの花 藤沢市大庭・引地川流域の田んぼ 2018/10/16

ぶらぶら垂れ下がっている赤紫色が花粉を放出する雄蕊。ススキの葯(やく)は黄色だが、オギの葯は赤紫色である。同じく赤紫色ながらケムシ(毛虫)みたいな姿のものがにょろっと飛び出ていたらそれが雌蕊である。

オギの雄蕊と雌蕊 寒川町田端 2018/10/15

オギの雄蕊と雌蕊 寒川町田端 2018/10/15

オギの雄蕊と雌蕊 寒川町田端 2018/10/15

オギの雄蕊と雌蕊 寒川町田端 2018/10/15

オギの穂

穂はススキに比べて白っぽく、ときに純白でススキよりも美しい。近寄ってよく見れば、ススキの小穂(しょうすい)に見られる芒(のぎ、ちょろ毛)がオギにはないことが確認できる。アシの穂は茶色みが強くふかふか感も物足りないためあまりきれいには感じられず、見分けられるだろう。

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2018/10/02

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2018/10/02

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2018/10/02

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2018/10/02

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2016/10/27

オギの穂 藤沢市・引地川親水公園湿性植物園 2016/10/27

オギの穂 寒川町・相模川・神川橋下流 2022/11/08

オギの穂 寒川町・相模川・神川橋下流 2022/11/08

オギらしい、白くてふさふさした穂 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

オギらしい、白くてふさふさした穂 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19

秋深まって枯れてくると実の茶色っぽさが際立つようになり、アシと紛らわしくなってくる。

オギの熟した穂 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/11/24

オギの熟した穂 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/11/24

オギの熟した穂 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/11/24

オギの熟した穂 藤沢市・引地川親水公園大庭遊水地 2018/11/24


小網代の森(「やなぎテラス~えのきテラス」間の湿原に群生、アシも群生、ススキはえのきテラス周辺に少数株あるのみ)、馬入水辺の楽校(大群生)

引地川親水公園湿性植物園(北側半分に群生、南側はアシの群生)

関連記事 – 仲間・似ている・紛らわしい

ススキ

ヨシ(アシ)

ツルヨシ

セイバンモロコシ

パンパスグラス

ダンチク

『オギ』へのコメント

  1. ケンモチナオミ 投稿日:2021/11/07(日) 10:28:34 ID:616d06f74 返信

    ススキとオギ、そしてアシ。
    mirusiru.jp さんの記事に出会えてラッキー!
    秋が深まるにつれ いつも疑問に思っていた、、

    私は調べずに自己解決
    全部ススキ、ぜーんぶススキで、、生育場所で個体差があり
    フサフサ具合や色合い、背丈が違うって思いを馳せては
    環境で成長に変化が出る 環境って大事な要素だと(笑)

    身近な自然の事をもっと知りたいなって思いました。
    私の過去の秋の風景で白い美しい穂だと見ていたのは、オギ。
    今日から ススキとオギ、そしてアシ
    見分けながら歩いたら楽しいな。

    大根川土手のオギ(背景は大山) 平塚市真田 2021/11/05
    県民の心の故郷、大山と美しいオギは飾りたいくらい素敵ですね。
    オギらしい、白くてふさふさした穂 茅ヶ崎市行谷 2019/11/19も綺麗。
    カメラレンズも使い分けてますか?

    今日も宝探しに行けそうにない、、
    夕方に近所を歩いて ススキとオギを見分けながら歩こう

    • mirusiru.jp 投稿日:2021/11/07(日) 11:38:30 ID:baede9056 返信

      ケンモチナオミさん、こんにちは。
      子供の頃に、親や小学校の先生、あるいはテレビからススキは刷り込まれるのですが、そのまま大人になってしまうと”全部ススキ”になりますよね。なんか白っぽいのがあるな、なんか茶色くて汚いのがいるな、と薄々気づきはしつつも”全部ススキ”、私がそうでした。

      白くきらきら輝く穂は、じつはだいたいはオギですね。若いカップルが「わー、ススキがきれいだよー」なんて声上げているのは結構オギです。が、ススキの黄金色に輝くはずの穂も時期や光加減によっては白く見えることもあり、判別が厄介なものがままあります。株立ちしているかどうかをはっきり視認できれば良いのですが、そうでないときは、確定的な判断は”近寄って芒の有無をまじまじ確認”する必要があり意外と面倒。よくわからないやつは”見なかったことにする”手を使ってください。三年くらい眺めていれば大方はわかるようになるかと思います。

      県北西部の山々が背景になる里山地帯、出かけるのにちょうど良い季節ですね。カキの葉と実も色付いて。近所歩きでもイエギクがちょうどきれいに満開していてきれいです。行ってらっしゃいまし。

      >カメラレンズも使い分けてますか?

      いいえ、ほぼまったく。掲載している写真はほぼすべて標準ズームレンズ(声に出しては言えないかなりの安物、しかも壊れている)です。