カリン

榠樝 バラ目/バラ科/カリン属 花期/4月~5月 結実期/10月~12月
学名/Pseudocydonia sinensis (Thouin) C.K.Schneid.

食用薬用外来種

カリン 茅ケ崎市東海岸南 2018/04/03

#カリン 茅ケ崎市東海岸南 2018/04/03

園芸栽培される中国原産の落葉高木で、雌雄同株(しゆうどうしゅ)。弘法大師空海が中国から持ち帰ったという伝承がある。別名唐梨(からなし)が転じてカリンだろうか。牧野富太郎は木理(もくり、木目)がカリン(花櫚)という別種の木に似ていることが名前の由来らしいと述べている。”咳止めのど飴、カリンエキス配合”のあのカリンで、ナシ(梨)とかリンゴ(林檎)とかの仲間の果物である。果実の成分に喉(のど)の炎症を抑える効果があり、果汁がのど飴に配合されるのはこのため。カリンの実が大きくプリントされているロッテ「のど飴」はもちろんのこと、龍角散「龍角散ののどすっきり飴」もカリンを主成分の一つにしている。湘南・鎌倉・三浦半島では民家や寺境内に一本植えられているものを希に見る程度。”(カネは)借りん”、つまりおカネに困って借金することがないよう願を掛けた縁起物として植えられることもあるとかどうとか。

開花中のカリン 茅ヶ崎市・コンフォール茅ヶ崎浜見平 2022/04/08

開花中の#カリン 茅ヶ崎市・コンフォール茅ヶ崎浜見平 2022/04/08

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

熟した実を付けたカリン 茅ヶ崎市西久保 2022/11/25

熟した実を付けた#カリン 茅ヶ崎市西久保 2022/11/25

熟した実を付けたカリン 茅ヶ崎市西久保 2021/12/13

熟した実を付けた#カリン 茅ヶ崎市西久保 2021/12/13

カゴノキ(鹿子の木)リョウブ(令法)ヒメシャラ(姫沙羅)やプラタナスのように樹皮が剥落して迷彩柄になっているのが特徴。

カリン 鎌倉市西御門 2012/04/21

#カリン 鎌倉市西御門 2012/04/21

葉の縁(ふち)には細かく鋭利な鋸歯がある。

カリンの花

サクラ(桜)が終わったあと、他のバラ科果樹と同様の花が咲く。枝が上へ上へと伸びる高木のため、花は(実も)高所。しかも上向きに咲く。花を間近で目にする機会はあまりないかもしれない。

カリン 茅ヶ崎市・コンフォール茅ヶ崎浜見平 2022/04/08

#カリン 茅ヶ崎市・コンフォール茅ヶ崎浜見平 2022/04/08

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

#カリン 藤沢市・長久保公園 2017/04/17

カリンの実

はじめ緑色で、10月頃から黄色に熟す。表面はぼこぼこで見た目はいびつな洋梨のよう。あまり美しい姿とはいえない。完熟した実の表皮は、糖でもしみ出しているのかべったべた。洋梨のようなたいへんよい甘い香りが強く、実を一つ二つ玄関にでも置いておけば芳香剤いらずだろう。

カリンの実 藤沢市・長久保公園 2018/11/27

#カリンの実 藤沢市・長久保公園 2018/11/27

甘い香りは最高級、これはもうぜったいおいしい果物に違いないと思うのだが、硬く、渋く、すっぱく、残念ながらとても生で食べられる代物ではない。ジューシーさを魔女に奪われた未熟なリンゴ、とでもいおうか。というわけで、ハチミツ(蜂蜜)漬けやカリン酒に加工するのがふつう。風邪で喉を痛めたときのために常備しておくとよい。
しかしまあ、加工してでも食べようと思い立った人がよくもいたものだと思う。それくらいにカリンの果実はおいしくない。

カリンの完熟した実 藤沢市 2016/12/21

#カリンの完熟した実 藤沢市 2016/12/21

タイワンリスにかじられたらしいカリンの熟した落果 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

タイワンリスにかじられたらしい#カリンの熟した落果 鎌倉市・大船フラワーセンター 2019/01/29

カリンの実だけを撮った写真を見せられると、ボケ(木瓜)の実と見紛いそうになることがある、くらい意外と似ている。


横浜市金沢区・#太寧寺

葉山町・#大昌寺(本堂前)、#極楽寺、#常楽寺(北条泰時墓脇、11月に熟したカリンを文殊堂廻縁で配布することも)、鎌倉市植木・#龍宝寺(旧石井家前駐車場)、#長久保公園

参考資料

『牧野日本植物図鑑』 牧野富太郎著 北隆館発行(1940)

『カリン』へのコメント

  1. 里山ライフ 投稿日:2023/04/13(木) 15:02:44 ID:d9ad00e4e 返信

    眼下の斜面に存在する直立樹形の落葉性高木(樹高8㍍ほど)が、
    今朝、若葉に満ちた枝一杯に「ピンクの可憐な花」をびっしりと付けていた。
    樹皮の特徴から「見事なナツツバキ」だと思っていたが、
    mirusiru.jp で照合してみると、正に「カリンの花」そのものでした。

    カリンの実 >
    完熟した実の表皮は、糖でもしみ出しているのかべったべた。洋梨のようなたいへんよい甘い香りが強く、実を一つ二つ玄関にでも置いておけば芳香剤いらずだろう。

    その実を楽しみに待望することにします。