ハマボウフウ

浜防風 セリ目/セリ科/ハマボウフウ属 旬/3月~4月 花期/5月~6月 結実期/6月~7月中旬

食用薬用自生種保護

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

海岸に生える多年草。土や岩場ではなく必ず砂地に生える海浜植物である。海からの強風を避けるためかまったく立ち上がることなく、砂浜にべったり張り付くようにロゼット状の葉を広げ、花も咲かせる。ハマウド(浜独活)をぺしゃんこにしちゃったやつ、といった感じ。春の柔らかい茎と若葉はいわゆる”山菜”として食用に、根は生薬に利用できる。神奈川県内では元来は砂浜あるところに広く分布していたはずも、大きく数を減らしてしまった。近年は保護活動もあり減少傾向に歯止めがかかっているように感じられないでもないが、ヨモギ(蓬)のようにその辺にいくらでも生えているものでは決してないので、株を傷め廃らせるような方法で身勝手な摘み取りを始める人間が現れたならひとたまりもないだろう。

ハマボウフウ、江の島を背景に 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ、江の島を背景に 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

花が咲く頃の葉は、海浜植物らしい光沢ある硬いもの。ぱりぱりした感じ。

ハマボウフウのやや若い個体 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウのやや若い個体 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

名前が紛らわしいものに、ハマボウ(浜朴)ハマゴウ(浜栲)ボタンボウフウ(牡丹防風)がある。

ハマボウフウの花

種子が発芽して花を咲かせるようになるのに三年以上かかる。

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウ 茅ヶ崎市・汐見台海岸 2018/05/01

ハマボウフウの咲き終わり 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの咲き終わり 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実

ふわふわのぼんぼん、のように見えてじつはセメントで固めたようなかっちこちな実。

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/04

ハマボウフウの熟しかけた実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/26

ハマボウフウの熟しかけた実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/26

ハマボウフウの完熟した実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/26

ハマボウフウの完熟した実 藤沢市辻堂西海岸 2018/06/26


藤沢市辻堂西海岸(辻堂海浜公園下)、茅ヶ崎市・汐見台海岸、平塚市・高浜海岸(R129下~湘南ひらつかビーチパーク)、大磯町・北浜海岸(東町一丁目下、ハマヒルガオハマニガナ・コウボウムギも)

参考資料

『日本の海岸植物図鑑』 中西弘樹著 トンボ出版発行(2017)

『ハマボウフウ』へのコメント

  1. 近藤智敏 投稿日:2019/08/27(火) 12:28:11 ID:f11776b16 返信

    8/25に静岡市の三保で「ハマボウフウを守る会」の勉強会に参加し、茅ヶ崎汐見台海岸5月のハマボウフウの写真で神奈川の状況を紹介してきました。毎朝ジョギングする茅ヶ崎の海岸で四季おりおりの植物を楽しんでいます。今回は富士山の東西、相模湾と駿河湾の浜を愛する同胞として楽しい文化交流が出来ました。今後こちらのサイトも楽しませていただきます。

    • mirusiru.jp 投稿日:2019/08/28(水) 14:41:34 ID:2c737d5ee 返信

      近藤智敏さん、こんにちは。「ハマボウフウを守る会」の活動をなされている方でしょうか。人が荒廃させてしまった砂浜の植生を保護回復させている方々のご努力にはいつも痛み入っている次第です。にしても、三保まで出向かれるなんて。筋金入りですね。
      毎朝海辺でジョギングとは、羨ましい環境で生活なさっていますね。海辺は富士山も丸っと見えますし、今日のような暴風雨があれば一発で環境が激変しますから、悪しきも含めて楽しみは多いでしょうね。もしかしたら夏休み終わりの今の時季はゴミだらけですかね。
      スナビキソウやウンラン、グンバイヒルガオなどいまだ出遭えていない植物がありますから、私も来年また海辺にお邪魔するつもりです。どこかですれ違っているかもしれませんね。ハマボウフウやハマヒルガオ、ハマニガナなどの花が季節ごとに迎えてくれることを楽しみにしております。
      勉強会お疲れさまでした。

      • 近藤智敏 投稿日:2019/09/11(水) 12:03:37 ID:41c3ed56b 返信

         更新された「コミカンソウ」よく見ます、たぶん雑草と一緒に抜いていたと思います。実が生っているところは見たことがありません、今の時期に生るのですか?今度よく観察してみます。可愛いですね!
        さてハマボウフウですが、三保は世界遺産のためボウフウを勝手に取ったり移植したり出来ないそうです。エエッーそうなの!! で、辻堂茅ヶ崎の種を採取して送ってあげようかと思い浜を見たら種は殻だけのようになって散乱していました。遅かったようです。先日三保での懇親会で来春是非こちらのボウフウを見学したいとのことでしたので楽しみにしています。

        • mirusiru.jp 投稿日:2019/09/11(水) 17:29:40 ID:e905dea12 返信

          近藤智敏さん、こんにちは。

          >コミカンソウ

          ほとんどの人はなんとなく”かわいらしい葉だな”とは思いながらもひょいと引っこ抜いて捨てて終わりでしょう。花や実はなっていて視界に入っていても意識しては見ていないので記憶には一切残っていないのだろうと思われます。まさか小さな花や実が枝葉に隠れて下向きに付いているなんて考えも気にもしていないでしょうし。

          >世界遺産

          文化財指定されると何をするにも事前に許可を得ることが義務付けられます。勝手に原状の変更をしてくれるなということです。ユネスコの世界遺産ともなるとかなりうるさそうな印象があります。「勝手に取ったり移植したり」ができないだけで、事務局や市(担当課・観光協会)に状況を説明して理解と許可を得て行えばよろしいかと。公的に行った方が活動されている方々の社会的な立ち位置もより良好なものとなり、やりがいにも繋がってゆくのではないかと思います。世界遺産は世間からの注目度が突出して高いので、ちょっとした手続き上の不備が露見しただけでも”炎上”一直線かもしれません。いろいろ面倒くさいのは文化財や世界遺産の宿命ですね。

          >辻堂茅ヶ崎の種を採取して送ってあげようか

          三保のハマボウフウと辻堂茅ヶ崎のハマボウフウが完全に同一のものであるとよいのですが、その辺りは科学的に調査された上でのことでしょうか。伊豆半島を隔ててお隣同士の地域なので種子は海流に乗って融通し合っている関係、であれば問題ないでしょうが、伊豆半島というやや特殊な地を境に地域性が認められるような場合ですと移植は「人為的な遺伝子の攪乱(かくらん)」になります。要するに、三保のハマボウフウを中心に考えたなら辻堂茅ヶ崎のハマボウフウは「国内外来種」であって侵略を受ける可能性がある、ということです。植物に関してこの辺りは多くの方が無頓着で、神奈川と静岡ですからさほど違いはなかんべえとも思いますけれども、場合によっては純粋な「三保のハマボウフウ」を絶滅に追いやる行為にもなりかねません。「三保のハマボウフウ」を保全し増やしたいのであれば、わざわざ辻堂茅ヶ崎のハマボウフウなんかを持ち出さずに「三保のハマボウフウ」の種子を用いて行っていただけないものかなぁというのが率直な感想です。また辻堂茅ヶ崎のハマボウフウの減少に繋がる行為ですので、特に現地で保護活動をされている方々が何と仰るか。

          参考)環境省自然環境局生物多様性センター「遺伝的多様性とは何か」
          http://www.biodic.go.jp/reports2/parts/5th/5_gdiv/5_gdiv_02.pdf

          保護する意識や保全方法等の共有はすばらしいと思います。双方共に少しでも自然が豊かに保たれている環境とならんことを切に願っております。