ハクモクレン

白木蓮 モクレン目/モクレン科/モクレン属 花期/3月中旬~下旬 結実期/9月~10月

外来種改良種

モクレン(木蓮)とはモクレン属の総称。主にシモクレン(紫木蓮)とハクモクレン(白木蓮)のこと。かつてはシモクレン(の園芸種)が一般的であったためモクレンといえばシモクレン(の園芸種)を指したようだが、現在はハクモクレンが主流。両者の交配種はサラサモクレン(更紗木蓮)という。海外でも人気が高いため園芸種が多く、ひっくるめてモクレン属を意味するマグノリア(Magnolia)と呼ぶことも。中国原産。ハクモクレンは高木で、花の時期には葉はまだなく、花弁は豊満な幅広。

ハクモクレンの花

モクレンの蕾は、陽の当たる南面がふっくらと膨らみ、その反動で蕾の先っぽが皆、北を向く。ゆえに「磁石の木」と呼ばれることがある。

葉のない大樹にハクモクレンの純白の花は、青空を背景になかなか見応えがある。ただしその白い花弁は少しでも傷がついてしまうとほんの数分で茶色く変色してしまう。つまり風雨一発で見事に傷み、折れ汚れた花を晒し続けるという欠点も併せ持つ。

ハクモクレン 鎌倉市笛田住宅前 2011/03/26

ハクモクレン 鎌倉市笛田住宅前 2011/03/26

同時期に雰囲気が似たコブシ(辛夷)も開花。明らかに花期が遅く6月中旬に咲くタイサンボク(泰山木)もよく似る。

モクレンにヒヨドリ


見た目がかわいらしくなく、鳴き声がうるさく、他の小鳥を追いかけまわしていじめる様子などから人に嫌われてばかりのヒヨドリ(鵯)であるが、憎たらしいことにモクレンの花まで(蕾のうちから)食べてしまう。所によっては膨らんだ蕾をすべてつつかれてしまって木一本丸ごと一切花が咲かないという悲惨な事態になることも。

ヒヨドリに食べられたマグノリアの蕾 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/18

ヒヨドリに食べられたマグノリアの蕾 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/18

見るからに汚らしく、無残な姿としかいいようがない。ここまでの悪さをするのは花蜜を狙ったタイワンリス(台湾栗鼠)に違いないと疑ってみたのだが、専門家によればヒヨドリの仕業で間違いないとのこと。ヒヨドリがついばんで花びらその物を食べてしまっているようだ。

ヒヨドリに食べられたマグノリア 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/18

ヒヨドリに食べられたマグノリア 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/18

ヒヨドリに食べられたマグノリア(4日後) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/22

ヒヨドリに食べられたマグノリア(4日後) 横浜市金沢区・金沢自然公園 2017/03/22

ハクモクレンの実


横浜市金沢区・金沢自然公園(なんだろ坂、マグノリア育種家眞垣哲男氏(マグズ・ピルエット(’Mag’s Pirouette’)開発者)コレクションのもの)、横浜市旭区・白根東公園(マグノリア育種家眞垣哲男氏コレクションのもの)

横須賀市・坂本芦名線(大楠隧道東側)、岩殿寺(本殿向って右手)、明王院(※境内撮影禁止)、宝戒寺(本堂向かい)、明月院、円覚寺佛日庵(山門入ってすぐ左、魯迅寄贈、やや遅咲き)、長谷寺(妙智池南側に中国原産の近似種ミヤマガンショウ(深山含笑)も=カワヅザクラ(河津桜)のピーク過ぎ・ハクモクレン咲き始めの頃に満開、白梅の残骸・紅梅の残り・散る前のカワヅザクラ・ミヤマガンショウとハクモクレンの白・サンシュユ(山茱萸)オウバイモドキ(黄梅擬)の黄・アカバナミツマタ(赤花三椏)の朱・ツバキとカンヒザクラの赤が3月15日前後に揃えば長谷寺で一番の華やぎに)、鎌倉市植木・貞宗寺(サラサモクレン、わずかに遅め)、遊行寺(放生池、東国花の寺百ヶ寺)

鶴岡八幡宮(平家池入口、平成16年(2004)に故横山隆一邸から移植されたもの ※平成24年(2012)開花せず枯死のおそれ、平成25年(2013)滅失)、別願寺(参道左手のマツの隣)、浄智寺、東慶寺、浄光明寺(不動堂前)、笛田住宅前(鎌倉中央フローリスト、目を見張る大樹だったが台風塩害で樹勢衰え、のち枝落とし)、大船観音下(県道402号沿い民家)、花菜ガーデン(「往にし方の小庭」区にマグノリア各種)

シモクレン

紫木蓮 モクレン目/モクレン科/モクレン属 花期/4月中旬

外来種改良種

中国原産の、紫色の花を咲かせるモクレン。なお公園や民家の庭で一般的に目にする紫花のモクレンはハクモクレン(白木蓮)シデコブシ(紙垂辛夷)との交配種であって、真のシモクレンではないので注意が必要。なお「シモクレン」をGoogle画像検索すると、検索結果に表示されるのはほとんどが交配種の写真である。

シモクレンの特徴


株立ち

幹が何本も集まって生えるいわゆる株立ちの状態になる。対して、カキノキ(柿の木)のようなふつうの樹形になるものはハクモクレンなどの血が入っている証拠。

低木

大きく育っても樹高は2m少々から3m程度までと、明らかに低木である。まだ若い木なのかな、という印象を受けるかもしれない。

4月中旬

花期が明らかに遅く、湘南・鎌倉・三浦半島では4月中旬。キバナモクレン(黄花木蓮)の直前に開花する。

葉も一緒

開花と同時に葉も開いている。

濃い紫

花弁の色は、(どう見ても園芸種だろうと勘違いしてしまいそうなほど)濃い紫色で、花弁の内側も紫色である。対して、花弁外側が淡い紫色、内側が白色になっているものは、ハクモクレンなどの性質が入っている交配種である。

細めの花弁

花弁の形状はやや細め。ハクモクレンほどふっくらした幅広なものではない。ただし明確に細いものはシデコブシとの交配種である可能性がある。

マグノリア('レッド・ラッキー') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

マグノリア(’レッド・ラッキー’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ガールマグノリア('アン') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

ガールマグノリア(’アン’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

カラスモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2014/04/21

カラスモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2014/04/21


東京都調布市・京王フローラルガーデン アンジェ(シモクレンあり、4月~5月無休・入園料500円)

大巧寺、鎌倉市植木・龍宝寺

フラワーセンター大船植物園(ない可能性が高い)、平塚市・総合公園(香りの森、傷み激しく開花ないか)、花菜ガーデン(ない)

キバナモクレン

黄花木蓮 モクレン目/モクレン科/モクレン属 花期/4月中旬

改良種稀少

キバナモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

キバナモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

北米原産で黄緑色の花を咲かせるマグノリア・アクミナータとハクモクレンの交配品種’エリザベス’とその仲間で、やや黄緑がかった黄色ないしやや薄めでレモンに近い色の花を咲かせるハクモクレンの仲間の総称。キモクレン(黄木蓮)とも。

キバナモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

キバナモクレン 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

キバナモクレン アーミッシュ・クッキング・鎌倉 2017/04/14

キバナモクレン アーミッシュ・クッキング・鎌倉 2017/04/14

キバナモクレン アーミッシュ・クッキング・鎌倉 2017/04/14

キバナモクレン アーミッシュ・クッキング・鎌倉 2017/04/14

キバナモクレン アーミッシュ・クッキング・鎌倉 2017/04/14

キバナモクレン アーミッシュ・クッキング・鎌倉 2017/04/14

キバナモクレン('ゴールドスター') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

キバナモクレン(’ゴールドスター’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

キバナモクレン('ゴールドスター') 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

キバナモクレン(’ゴールドスター’) 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

マグノリア 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

マグノリア 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

マグノリア 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21

マグノリア 平塚市・花菜ガーデン 2017/04/21


横浜市金沢区・金沢自然公園(なんだろ坂)

アーミッシュ・クッキング・鎌倉、円覚寺松嶺院(マグノリア・アクミナータ、5月上旬)、花菜ガーデン

参考資料

『NHK趣味の園芸 よくわかる栽培12か月 モクレン、コブシの仲間』 倉重祐二 NHK出版発行(2014)

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする