アシタバ

明日葉 セリ目/セリ科/シシウド属 旬/3月~4月 花期/8月~10月 結実期/11月~1月
学名/Angelica keiskei (Miq.) Koidz.

食用薬用自生種稀少保護

春のアシタバの葉 横須賀市・子安の里 2017/02/27

春の#アシタバの葉 横須賀市・子安の里 2017/02/27

海に面した林縁部に生える常緑の多年草。日本固有種。成長すると草丈1m近くにもなる大型な野草である。二十年間手つかずで放置された薄暗い私有の林内で、2m級の栽培放置もの巨大お化けアシタバを見たことがある。神奈川県では主に江の島や三浦半島、真鶴半島に自生があるが、あまりお目にはかかれないか。過去に栽培されていたものの放ったらかしないし逸出が海から離れた里山地域に生えていたり、市民農園等で栽培されることもあるので、(天然ものでなければ)意外と身近なところにある植物である。

アシタバの種子(裏表で線の本数が異なる) 2020/08/09

#アシタバの種子(裏表で線の本数が異なる) 2020/08/09

アシタバの発芽(4株あり) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/22

#アシタバの発芽(4株あり) 茅ヶ崎市浜之郷 2020/04/22

若いアシタバ 鎌倉市・建長寺回春院 2017/03/05

若い#アシタバ 鎌倉市・建長寺回春院 2017/03/05

アシタバ(花を付けない一年目の株)の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/28

#アシタバ(花を付けない一年目の株)の葉 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/28

葉の若葉は食用に。体に良い健康食品と知られる。(東京都・伊豆諸島の)八丈島の特産品。アシタバという名前は、葉を摘んでも明日にはまたすぐ切り口から新芽が伸びてくる(のではないかと思いたくなるほど生命力が強い)の意とされる。私的には、明日には葉となって開きそうな芽を摘み取って食用にするのがちょうどよいの意、だと思っているがそのような話はどうも耳にしない。

春のアシタバ 横須賀市・子安の里 2017/02/27

春の#アシタバ 横須賀市・子安の里 2017/02/27

若いアシタバ 小田原市根府川 2017/03/03

若いアシタバ 小田原市根府川 2017/03/03

アシタバの若葉 小田原市根府川 2017/03/03

アシタバの若葉 小田原市根府川 2017/03/03

セリ科の植物なので、キアゲハ(黄揚羽)という大型なチョウ(蝶)の幼虫が付くかもしれない。生まれたばかりの頃は黒色、のち黒白、大きくなると黄緑色と黒色のツートンにオレンジ斑が入るという、嫌いな人からしたら鮮やかすぎて気持ち悪いばかりだろう芋虫となる。体側面に「UNITED COLORS OF BENETTON」とでも銘打ってやれば若い子からも人気が出ちゃうかも。お食事中に触ったりするとオレンジ色をしたくさい角(つの、臭角(しゅうかく)という)をにょきっと突き出して戦闘を挑んでくることがある。毒はないようだが、強烈にくさいので要注意(石鹸等で良く手洗いすればにおいはだいたい落ちる)。体はぷにぷに。刺されたり咬まれたりもしないので、人体には無害。ただし、初齢幼虫の頃から大食漢なので、葉の食害はかなりのレベルに及ぶ。終齢までに一匹が葉を丸々一枚食べてしまうくらいに。

アシタバの葉にまばらに産み付けられたキアゲハの卵 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/28

#アシタバの葉にまばらに産み付けられたキアゲハの卵 茅ヶ崎市浜之郷 2020/06/28

アシタバに付いたキアゲハの若い幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/18

#アシタバに付いたキアゲハの若い幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/18

アシタバに付いたキアゲハの終齢幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/17

#アシタバに付いたキアゲハの終齢幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/17

アシタバに付いていたキアゲハの終齢幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/12

#アシタバに付いていたキアゲハの終齢幼虫 茅ヶ崎市浜之郷 2020/07/12

海辺には同属のハマウド(浜独活)があり、見慣れるまではややこしい。丘陵地や山地にはシシウド(猪独活)も。見慣れるまでは結構混同しがちかも。

アシタバの芽

主に食用にされるのは葉の新芽。完全に展葉してしまう直前に摘み取るとよい。摘み取りは必ず三枚目の葉から行う(二枚の葉は株の成長を維持するための親葉として必ず残す)。

アシタバの摘み取り方 鎌倉市山ノ内 2017/03/05

#アシタバの摘み取り方 鎌倉市山ノ内 2017/03/05

アシタバの芽 小田原市根府川・静岡県熱海市下多賀 2017/03/03

アシタバの芽 小田原市根府川・静岡県熱海市下多賀 2017/03/03

軽く下茹でして灰汁(あく)抜きをし、ごま油で炒めたりして頂くとよい。味には多少の癖があるため好みが分かれそう。食後は、アマチャ(甘茶)を飲んだ後のような不思議な清涼感あり。

アシタバとハマウドの見分け方

アシタバとハマウドの新芽 2017/03/03

アシタバとハマウドの新芽 2017/03/03


アシタバ

アシタバの葉 小田原市根府川 2017/03/03

葉は、”これならばおいしく食べられそうだ”と感じられるほど柔らかく、ふわりとした手触り。縮れない。

アシタバの(赤みを帯びた)茎 小田原市根府川 2017/03/03

茎にストライプ模様は入らない。寒いうちは茎全体が赤みを帯びていることはある。

アシタバの茎の切り口からにじみ出る黄色(レモン色)の液 小田原市根府川 2017/03/03

茎を切断すると、鮮やかな黄色(レモン色)の液体がにじみ出てくる。この黄色が決定的な判別点となる。なお切り取ったときに確認すること。持ち帰ったものを切ってみても黄色い汁は出てこない。


ハマウド

ハマウドの葉 静岡県熱海市下多賀・小山臨海公園 2017/03/03

葉には硬さがあり、どことなくキャベツに通じる、ぱりっと、ごわっとした手触り。葉の縁(ふち)は縮れることが多い。

ハマウドの茎に入った赤紫色のストライプ模様 熱海市下多賀・小山臨海公園 2017/03/03

茎に赤紫色のおしゃれなストライプ模様が入る。アシタバのように茎全体が赤みを帯びることはない。

ハマウドの茎の切り口からにじみ出る白い液 静岡県熱海市下多賀・小山臨海公園 2017/03/03

茎を切断すると、純白色の液体がにじみ出てくる。

アシタバとベーコンのごま油炒め

アシタバとベーコンのごま油炒め

アシタバの花

アシタバ 横須賀市・子安の里 2017/09/05

#アシタバ 横須賀市・子安の里 2017/09/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

アシタバ 横須賀市・荒崎 2017/10/05

花序周辺の茎に大きな鞘(さや)がとても目立つのがアシタバの特徴。この鞘は葉身(ようしん)が退化してなくなり、葉柄が袋状に膨らんだものという。

アシタバ 茅ヶ崎市・藤沢土木事務所汐見台庁舎 2018/09/24

#アシタバ 茅ヶ崎市・藤沢土木事務所汐見台庁舎 2018/09/24

アシタバの袋状の鞘 茅ヶ崎市萩園 2019/10/30

#アシタバの袋状の鞘 茅ヶ崎市萩園 2019/10/30

アシタバの袋状の鞘 茅ヶ崎市萩園 2019/10/30

#アシタバの袋状の鞘 茅ヶ崎市萩園 2019/10/30


猿島、#子安の里(直売所で販売も)

観音崎公園(海岸園地のある外周路沿いなど)、横須賀市西浦賀・燈明堂海岸(不衛生か)、千代ケ崎砲台跡(軍用道の坂道沿い、汚染の恐れ)、鎌倉市西御門・#八雲神社、#建長寺回春院、鎌倉市山ノ内・#八雲神社江の島(植物生える岩場は崖上がほとんどで観賞に向かない)

真鶴町・三ツ石海岸(潮騒遊歩道)

私有地・寺境内などではいずれも地権者の許可ない採取はできない。

『アシタバ』へのコメント

  1. ケンモチ ナオミ 投稿日:2022/07/16(土) 21:57:34 ID:4c24e2529 返信

    出会いは 冬の海に面した林縁部でした。

    背丈は私より高くて 威風堂々とした佇まいに一目ぼれして
    種子を少し分けて貰いました。

    その種子を育苗しています、今は発芽して可愛い三つ葉で
    私は“浜ウドくん”と名付け成長を楽しみにしています。

    こちらの画像の種子、発芽を見ると家の”浜ウドくん”にそっくりです、、
    仮に家の“浜ウドくん”が明日葉でキアゲハの幼虫が沢山ついても
    実はシシウドでも立派に育てようと決めました。

    明日葉は常緑とありますね、、
    種子を貰った時の記憶では全体に冬枯れしてました。
    気になるので同じ場所に見に行って手掛かりを探そうかな?
    mirusiru.jp さんの明日葉は大きくなりましたか?

    こんな風に植物の事を考えたり想像するのは楽しいですね

    • mirusiru.jp 投稿日:2022/07/17(日) 00:15:57 ID:4b3b70fdb 返信

      海に面した林縁部でよく見るのは、‥アシタバ!たぶんそれアシタバ!
      シシウドのタネとしていただいて(よく確認せずに植えて)苦心して二年も育てたうちのも、アシタバでした!ギャー‥

      >威風堂々

      アシタバは葉が薄くて葉先が尖るので、スマートな雰囲気です。ハマウドは葉が分厚くてごわごわしているので、ごつい印象です。阿部寛とガッツ石松って感じでしょうか‥。
      できるだけ太いところをちょん切って汁の色を確認するという手が簡単ですが、幼株ではわかりづらい可能性もありますね。小さなうちはちょん切る気になれないかもしれません。同じ場所に見に行って手掛かりを‥、探した方がスッキリしてよいかもしれませんね。スナビキソウとかハマナタマメとか、オナモミとかハマアザミとかも探しつつ。

      >冬枯れ

      アシタバは確かに真冬でも条件次第ではぴんぴんしてますが、かなり傷んでぐったりなるものも。海辺の真冬はどうなんでしょうね、かなり厳しい環境だと思いますから、もしかしたら地上部は、かりかりに茶色く枯れるというよりは腐ってしまう可能性はあるかもしれませんね。海辺の真冬のアシタバ、気にしたことなかったですね。どうなってるんでしょう‥。

      >立派に育てようと決めました。

      大丈夫でしょうか、直径1m以上のスペースを占拠することになる連中ですが。もうシンボルツリーですよ。
      株が若いうちは成長止まっちゃいますから、キアゲハは殲滅した方がよいかもしれません。甘い顔してると調子に乗って次々と卵を産み付けていきます。一匹でも遠慮がないのでかなり食います。だいぶ汚らしくなって見栄えは悪くなります。ハマウドだったら成長記録を見せてくださいー。

      ケンモチさんて、植物大好きですよね。温かな気持ちが伝わってきます。私みたいに植物と戦ってない。笑 心が洗われます。アシタバには用はないので燃えるゴミに出しちゃったなんて、言えない‥。

      • ケンモチ ナオミ 投稿日:2022/07/17(日) 11:13:13 ID:266d8c44d 返信

        お忙しいと分かっていても ついつい話しかけてしまします、、
        mirusiru.jpさんは植物と戦っている 全くその通りだと思います。

        私は気軽に分かりやすく記載された知識の宝庫を見ては読み物として楽しみ 
        宝探しに出かけたりもしています。

        家のアシタバも オオオナモミも大きくなるといいな(笑)
        ハマウド、スナビキソウとかハマナタマメとか、オナモミとかハマアザミ・・・。
        生育環境を(日照や土壌)出来るだけ再現して
        家で観察出来たら最高に楽しいですね。(もちろん種子の拡散とか注意で)
        今現在ならシンボルツリーを数本増やせる環境を受け継いでるので 家族に感謝です。

        そろそろ成長記録なども手掛けたい、、ブログの立ち上げ初期設定が難関ですが
        夏休みに着手してみたいものです。
        mirusiru.jpさん 興味深い記事をありがとうございます。

        • mirusiru.jp 投稿日:2022/07/18(月) 00:21:45 ID:7508f4ced 返信

          私的にはウエルカムです。こちらこそ楽しませていただいています。

          さて、お屋敷にお住まいのお嬢様でしたか。お庭様の私設植物園化計画、進めてください。庭にイネ科とカヤツリグサ科がぜんぶ揃ってるとか、凄そう‥。通行人から「なに?あの家」って囁かれちゃうような、変なのばっかり植わってる頭おかしい植物園、期待してます。入園料100円以下、撮影可、でお願いします。
          オオオナモミ、忘れてました。これも横にでかいですよ‥。まだ草丈20cmとか30cmとかそんなもんですかね。アシタバも放っておけばどでかくなります。ハマウドだったら、どうなんでしょうね、生えている場所に癖があるので、土とか水やり頻度とかちょっと気難しい可能性も?
          ちなみに、うちの極狭庭もどきにはいまシシウド(野山ではちょうど開花時期です)とイガオナモミがいます‥。

          ブログ、やってないのですか。それは残念。たくさんイイモノを見ているはずなので、私にも見せつけていただきたいものです。教えていただくこともたくさんあるはずです。
          私がこのようなサイトを開設したのは、歴史・伝統・民俗行事の分野で方々を廻っている際に、鎌倉の江上尚志さん(ブログ「鎌倉個道」)から「お前が知識を得たって何の意味もないんだよ。社会に還元しなさい。」と言われたことが後押しになっています。
          期待してます。公言しちゃったのでもう後戻りはできません。ブログもまた、終わりのない沼です。ようこそ。

  2. Chocobo 投稿日:2021/03/27(土) 08:38:17 ID:695c6d61f 返信

    知多半島の丘陵地帯で、野生のアシタバを発見。今夜は天ぷら食べます!

    • mirusiru.jp 投稿日:2021/03/27(土) 21:09:13 ID:1f4d94703 返信

      春の贅沢ですねー。アシタバは味にちょっと癖があるので、お口に合うかどうか‥。ユキノシタの葉っぱも大きく広がって、畑ではアスパラガスがにょきにょき生え出て来ました。やっぱり天ぷらが一番ですね!

  3. あけちゃんです。 投稿日:2020/11/01(日) 07:15:04 ID:fa0d1d038 返信

    今から42年前頃伊豆七島の神津島に行きました。朝食に必ず明日葉のお浸しが付いていました。実は、くさやが好きで行ってたのですが、民宿の料理がとても、美味しく品数もかなり有りました。女将さんが明日葉の話しをしてくれだい好きになり毎年行ってましたが、噴火があり行けなくなりました。今は、明日葉の苗を育てて神津島の思い出になってしまいました。又神津島に行きます!明日葉大好きです!

    • mirusiru.jp 投稿日:2020/11/01(日) 20:42:18 ID:4753b23cb 返信

      神津島の朝食に出てくるアシタバのお浸しですか。おいしそうですね。私も苗を育てているので、来春はアジタバ料理にチャレンジしてみたいと思っています。神津島の味付けを再現できるといいのですが。