アジサイ

紫陽花 ミズキ目/アジサイ科/アジサイ属 花期/5月下旬~6月 見頃/6月中旬
学名(ホンアジサイ)/Hydrangea macrophylla (Thunb.) Ser. form. macrophylla

有毒改良種

アジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

#アジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

公園や民家の庭、寺境内などを彩る梅雨(6月~7月中旬)の主役たる落葉低木。一般には、日本自生のヤマアジサイ(山紫陽花)およびガクアジサイ(額紫陽花)などと、その多彩な園芸品種をひっくるめて(広義の)アジサイと呼ぶ。近頃はアジサイ属に分類される植物の総称を意味するハイドランジアという名前で呼ばれることも。現在四千もの品種があるとかどうとか。※ヤマアジサイとガクアジサイは別個に頁を設けてあるので、本頁では主にテマリ咲きのアジサイを扱う。近年は母の日(5月第2日曜日)にカーネーションに代わってアジサイを贈る傾向が強まっており、アジサイの商戦はその直前のゴールデンウィーク(4月末~5月上旬)が主。(せっかちな園芸店では3月半ばから、)一般的なホームセンターの園芸コーナーでは4月中旬から鉢植えが並び始めるため、ゴールデンウィーク直前に買いに出ると良い。テマリ咲きアジサイでいえば’舞姫’、’エレガンス’、’マジカル’、’クレイジーテンシア’など、毎年たくさんの華麗な新品種が生み出されている(花付きの鉢植えで5,000円以上の予算が必要)。中でも’万華鏡’という品種が目を見張るほど美しい。なお高度に改良された昨今の新しい品種は繊細な(弱い)ため、地植えにはせず鉢植えのまま育て、西日には当ててはいけない、などの制約は伴う。

テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2009/06/11

#テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2009/06/11

ホンアジサイ

日本に自生していたテマリ咲きのアジサイをいう。元からテマリ咲きの品種なのだとか、ガクアジサイ(額紫陽花)が突然変異した変種だとか、人為的に作出された園芸種なのではないかとかいわれるが、その出自はよくわからない。いずれにせよ、古い時代(最古の史料は室町時代)から既にテマリ咲きであったもの。なお現在見られるテマリ咲きのアジサイがすべてホンアジサイというわけではもちろんない(というより、ホンアジサイとして存在しているものには滅多にお目にはかかれない)ので注意。単に(狭義の)アジサイといった場合、厳密にはホンアジサイのみを指すことがある。

ホンアジサイは、江戸時代にシーボルト(独)がハイドランジア・オタクサ(Hydrangea otaksa)という学名を付けてヨーロッパに紹介したことがよく知られている。シーボルトの愛人となった”お滝さん(楠本滝)”に因んだものという。


セイヨウアジサイ

日本のホンアジサイがヨーロッパへ渡って、主に1900年代前半に盛んに品種改良された園芸品種群。これがのちに日本へ逆輸入されてセイヨウアジサイ(西洋紫陽花)と呼ばれるようになった。一般的にはテマリ咲きのアジサイすべてがセイヨウアジサイと呼ばれてしまうこともあるが、そうではない。現在は日本国内でも盛んに品種改良が進められており、セイヨウアジサイとの区別はできるものではなくなっている。セイヨウアジサイという呼称自体が消滅しかかっている状態か。

その辺に植えられているテマリ咲きのアジサイが正しくは何という品種名でどのような系統のものなのか(セイヨウアジサイなのかどうか)は、見たところでてんでわからないため、本頁では基本的にセイヨウアジサイの呼称は使用しない。


テマリ咲きのアジサイには上記の通り、ホンアジサイ、セイヨウアジサイ、そして日本で作出されたためセイヨウアジサイと呼ぶのは不適切なもの、更にそれらが相互に交配されたものが存在することになる。これらをまとめてテマリアジサイと呼ぶ、といえればよいのだが残念ながらそのような呼称はまったくもって定着していない。

ガク咲き

両性花を装飾花で囲うような咲き方をいう。ガクは額縁(がくぶち)のこと。ガク咲きするアジサイを総称して(広義の)ガクアジサイと呼ぶ。


テマリ咲き

両性花がなくすべてが装飾花となる咲き方をいう(⇒参照/テマリ咲きアジサイの真花)。テマリは手毬。花序が丸っこくなることから。前述の通り、テマリアジサイという呼称は定着を見ない。

ガク咲きとテマリ咲き

低山に囲まれ湿りがちな鎌倉の町並みにはアジサイの花がよく似合う。開花の知らせはテレビ・新聞・雑誌をはじめ、多くの(ツイッターやフェイスブックなどの)SNSが伝えてくれることだろう。美しく咲いて見られるのはおよそ十日間。しとしと雨降る梅雨のアジサイを楽しんでいただきたいものだが、観光客が多いのはやはり快晴の土曜日・日曜日。花期前半は満開であっても色付きがまだ物足りないこともあるので注意したい。どこよりも先取りして開花を伝えようとするメディアに釣られてはいけない。鎌倉のアジサイは6月中旬が見頃。

テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・円覚寺白鷺池 2016/06/12

#テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・円覚寺白鷺池 2016/06/12

テマリ咲きアジサイ 鎌倉市坂ノ下・力餅家 2010/06/24

#テマリ咲きアジサイ 鎌倉市坂ノ下・力餅家 2010/06/24

アジサイ 鎌倉市・極楽寺 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・極楽寺 2010/06/28

アジサイ 鎌倉市・導地蔵 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・導地蔵 2010/06/28

アジサイ 鎌倉市・極楽寺切通 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・極楽寺切通 2010/06/28

アジサイ 鎌倉市・成就院虚空蔵堂 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・成就院虚空蔵堂 2010/06/28

テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・光明寺 2010/07/01

#テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・光明寺 2010/07/01

テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・極楽寺 2010/07/01

#テマリ咲きアジサイ 鎌倉市・極楽寺 2010/07/01

アジサイ 鎌倉市常盤・八雲神社 2010/07/01

#アジサイ 鎌倉市常盤・八雲神社 2010/07/01

アジサイ 鎌倉市・覚園寺 2010/07/01

#アジサイ 鎌倉市・覚園寺 2010/07/01

ただしアジサイの花はかんかんに照りつける太陽光が大の苦手で、花期後半の気温30℃を超えるような快晴日は花を一発で弱らせてしまうおそれもあるので注意したい。花期後半は雨後の夕暮れがもっとも味わい深い。なお薄暗い曇天日や夕方近く、あるいは日陰多い場所はヤブカ(藪蚊)対策(虫除けスプレー、蚊取り線香、かゆみ止め塗り薬)が絶対に必要であるのでくれぐれも忘れないよう。

鎌倉のアジサイの名所は数多けれど、やはり抜きに出ているのはいずれも”あじさい寺“として名を馳せる長谷寺(特に”規模”が優れる、晴天でもよい)、成就院(遠くに海を見下ろす”風景”が人気 ※後述)、明月院(谷戸深く”風情”に趣きあり、薄暗いほどよい)の三ヶ寺。今更そんな目新しさのない三ヶ所を挙げてくれるなと嫌味をいわれてしまうかもしれないが、そうはいってもこの三ヶ所はやはり別格なのである。異なるあしらいを楽しみたい。

アジサイ 鎌倉市・長谷寺 2009/06/16

#アジサイ 鎌倉市・長谷寺 2009/06/16

アジサイ 鎌倉市・長谷寺 2009/06/16

#アジサイ 鎌倉市・長谷寺 2009/06/16

アジサイ 鎌倉市・長谷寺 2009/06/16

#アジサイ 鎌倉市・長谷寺 2009/06/16

アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市・成就院(あじさい寺) 2010/06/28

次いで人気なのが、鎌倉市坂ノ下にある御霊神社(ごりょうじんじゃ)。権五郎神社(ごんごろう-)とも呼ばれるこの神社境内のすぐ目の前を江ノ電が通り抜けてゆく──

アジサイ 鎌倉市坂ノ下・御霊神社(権五郎神社)・江ノ電・極楽寺1号踏切 2010/06/24

#アジサイ 鎌倉市坂ノ下・御霊神社(権五郎神社)・江ノ電・極楽寺1号踏切 2010/06/24

アジサイ 鎌倉市坂ノ下・御霊神社(権五郎神社) 2010/06/28

#アジサイ 鎌倉市坂ノ下・御霊神社(権五郎神社) 2010/06/28

私たちがアジサイを楽しめるのも、そこにアジサイを植えて、剪定したり、落ち葉を片づけたり、害虫を駆除したり、水を撒いたり、一年間管理してくださった方がいるから──。気持ちよく写真を撮れるのも、朝早くから道を掃き、ゴミを拾ってきれいにしてくださっている人がいるから。
そうした目には映らないところにもちょっと思いを馳せてみれば、アジサイの花はもっときれいに見えるはず。

紫陽花小道(掃除されているのは宮司(当時)) 鎌倉市坂ノ下・御霊神社(権五郎神社) 2010/06/24

紫陽花小道(掃除されているのは宮司(当時)) 鎌倉市坂ノ下・御霊神社(権五郎神社) 2010/06/24

アジサイの生垣 横須賀美術館 2022/06/13

#アジサイの生垣 横須賀美術館 2022/06/13

土手を彩るアジサイ 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/06/07

土手を彩る#アジサイ 茅ヶ崎市萩園・小出川 2018/06/07

境川アジサイロード 藤沢市・大清水 2010/06/24

境川アジサイロード 藤沢市・大清水 2010/06/24

小出川「花とせせらぎの道」 藤沢市遠藤 2010/06/24

小出川「花とせせらぎの道」 藤沢市遠藤 2010/06/24

小出川「花とせせらぎの道」 藤沢市遠藤 2010/06/24

小出川「花とせせらぎの道」 藤沢市遠藤 2010/06/24

アジサイ 藤沢市・新林公園古民家(市指定重要文化財「旧小池邸」)前 2022/07/11

#アジサイ 藤沢市・新林公園古民家(市指定重要文化財「旧小池邸」)前 2022/07/11

アジサイ 川崎市麻生区・浄慶寺 2016/06/20

#アジサイ 川崎市麻生区・浄慶寺 2016/06/20

アジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

#アジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

アジサイ 小田原城址公園 2017/06/11

#アジサイ 小田原城址公園 2017/06/11

三月、開く若葉が美しい。

アジサイの若葉 横浜市南区・こども植物園 2018/03/15

#アジサイの若葉 横浜市南区・こども植物園 2018/03/15

アジサイの葉の虫食い

アジサイの葉が食害に遭っていたら、3月から4月上旬のクワゴマダラヒトリ(桑胡麻斑灯蛾)の幼虫(葉にところどころ穴を開ける程度)、および4月中旬~5月のアジサイハバチ(紫陽花葉蜂)の幼虫(葉脈だけを残して食べ尽くし、ときに一株丸禿げに至らしめる)が犯人だろう。逆に言うと、これくらいしか害虫はいない。病気もさしてなし。従って、かなり栽培しやすい植物といえる。

アジサイにカタツムリ

アジサイの葉にカタツムリ

しとしと雨降る梅雨の季節には、アジサイの葉や花にとまるカタツムリ(蝸牛)がとってもよく似合う──。

ガクアジサイの花にカタツムリ

が、これはまさしく”梅に鶯(ウメにウグイス)”現象。梅雨といえば雨、アジサイ、カタツムリ、これらを人が都合よく組み合わせただけの理想的な想像図に過ぎず、カタツムリがアジサイに付くことは現実にはまずない。カタツムリはアジサイの葉や花をまったく食べないからだ。カタツムリは、アジサイがぜんぜん好きじゃない。アジサイの葉や花に乗るカタツムリ、という構図の写真や映像を見かけたら、それらはほぼすべて人為的に仕込まれた演出によるものである。なお梅雨に濡れたかのような葉もじつはしゅしゅしゅっと霧吹きしたものだったりするので悪しからず。

アジサイは人体に有毒なので要注意。料理を飾るために添えられたアジサイの葉を誤って食べてしまった人が食中毒(嘔吐等)を起こした事故も発生している。イヌ(犬)・ネコ(猫)にも有毒という。

アジサイの花

小さな花のように見える個々を装飾花といい、花弁に見える部分は学術的には萼。従って薄っぺらいものではないので、すぐには傷まず花持ちが良い。また開花中には色がよく変化することでも知られる。アジサイにシチヘンゲ(七変化)の異名があるのはこのため。加えて、土壌酸度によっても花色が変わることは有名。

テマリ咲きアジサイの咲き始め 小田原城址公園 2017/06/11

#テマリ咲きアジサイの咲き始め 小田原城址公園 2017/06/11

テマリ咲きアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

#テマリ咲きアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

テマリ咲きアジサイの真花


テマリ咲きのアジサイの花はすべて装飾花であると既に記したがじつは正確ではなく、両性花も少ないながら密かに咲いている。装飾花をかき分けてみれば、装飾花に隠れるようにその下に両性花が──。これを”本当の花”という意味で「真花(しんか)」と呼ぶことがある。元はガクアジサイ(額紫陽花)だった名残なのかもしれない。

テマリ咲きアジサイ

すべての小花が装飾花に見えるテマリ咲きアジサイだが…

テマリ咲きアジサイにある両性花(真花)

装飾化をかき分けてみれば両性花(真花)があることがわかる

テマリ咲きアジサイにある両性花(真花)

テマリ咲きアジサイの両性花(真花)

アジサイの花の色

土壌の酸度が、酸性なら青色に、アルカリ性なら赤く、色付く傾向がある。
土壌が酸性であると、土に含まれているアルミニウムがよく溶け出してアジサイのアントシアニンという色素と反応して青くなる。土壌がアルカリ性だとアルミニウムが溶け出さないため根から吸収されず、花は赤色に染まるという仕組み。
ちなみに日本の土壌は酸性寄りになる傾向があるため、アジサイの花も青色のものを多く見かけるはずである。

買ってきたアジサイを植え替えたら(翌年咲いた)花色が変わってしまった、という事件も、まずは土壌の酸度が変わってしまったことが原因ではないかと疑いたい。実際には酸度を合わせさえすればまったく同じ花色を再現できるという単純な話ではないとは思うが。酸度で色が変わらない品種も。

アジサイの仲間は、早いもので5月中旬から、ヤマアジサイ、ガクアジサイ、テマリ咲きアジサイ(セイヨウアジサイ)の順に開花する。特にテマリ咲きアジサイは6月に入ってしっかり色付いてからが見頃といえる。

テマリ咲きアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

#テマリ咲きアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

最新のテマリ咲きアジサイ('万華鏡') 茅ヶ崎市浜之郷 2023/04/29

最新の#テマリ咲きアジサイ(’万華鏡’) 茅ヶ崎市浜之郷 2023/04/29

最新のテマリ咲きアジサイ('万華鏡') 茅ヶ崎市浜之郷 2023/04/29

最新の#テマリ咲きアジサイ(’万華鏡’) 茅ヶ崎市浜之郷 2023/04/29

ウズアジサイ 鎌倉市・成就院 2010/06/28

#ウズアジサイ 鎌倉市・成就院 2010/06/28

ウズアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

#ウズアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

ウズアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

#ウズアジサイ 横浜市瀬谷区・あじさいの里「白鳳庵」 2016/06/20

開花から長い時間が経過すると、花色は渋みを増す。アンティークカラー(古びた色)、秋色アジサイと呼ばれる。雰囲気が秋っぽいという話であって、秋色になるのは夏。秋に入れば単純に茶色く枯れてくる。昨今は咲き始めからそのような渋い色味をしている品種も登場している。なおアジサイ葉化病(ようかびょう)には留意する。

アジサイの咲き終わり 平塚市榎木町 2021/06/21

#アジサイの咲き終わり 平塚市榎木町 2021/06/21

咲き終わっても剪定されずに放置されたアジサイ(秋色アジサイ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園外 2021/07/26

咲き終わっても剪定されずに放置された#アジサイ(秋色アジサイ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園外 2021/07/26

咲き終わっても剪定されずに放置されたアジサイ(秋色アジサイ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園外 2021/07/26

咲き終わっても剪定されずに放置された#アジサイ(秋色アジサイ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園外 2021/07/26

咲き終わっても剪定されずに放置されたアジサイ(秋色アジサイ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園外 2021/07/26

咲き終わっても剪定されずに放置された#アジサイ(秋色アジサイ) 横浜市戸塚区・俣野別邸庭園外 2021/07/26

アジサイは、花の見頃が過ぎたら間髪入れずに選定作業を行うことがあるので気をつけたい。あんまりのんびり構えていると、花は既にことごとくはさみでちょんと切られたあと、という哀しい光景だけが広がっているという事態も発生しかねない(特に鎌倉市・成就院)。花後すぐに適切な位置で剪定すれば翌年もまた豊かな花を楽しめるというアジサイの習性があるための措置。剪定作業は遅くとも7月中旬までには終わらせたい。

狂い咲きかと思いきや、秋口までぽつりぽつりと咲き続ける四季咲きの品種も出回ってきている。


千葉県大多喜町
麻綿原高原(まめんばら-、妙法生寺天拝園他、ホンアジサイ、7月)

東京都調布市

#神代植物公園(あじさい園に70種200株、ホンアジサイ)

川崎市麻生区

#浄慶寺(6月15日頃、日陰多く生育やや不良・だいたい徒長、かながわの花の名所100選「浄慶寺(アジサイ)」)

横浜市金沢区
横浜・#八景島シーパラダイス(ガクアジサイ含めて20,000株、新金沢八景)

横浜市都筑区
#正覚寺

横浜市瀬谷区

#あじさいの里「白鳳庵」(個人宅、6月15日頃、3,000株)

横須賀市
#横須賀美術館、#くりはま花の国(四季咲きの品種エンドレスサマー、アジサイハバチによる食害目立つ)

三浦市

葉山町
#葉山あじさい公園(かながわの花の名所100選「葉山・あじさい公園(アジサイ)」、近年はアジサイハバチによる食害ひどい)

逗子市
#まんだら堂跡(発掘・史跡公園化に伴い滅失、かながわの花の名所100選「まんだら堂跡」)

#飯島トンネル(小坪側

鎌倉市
#長寿寺(山門前、鎌倉街道沿い、亀ヶ谷切通沿い)、#明月院(あじさい寺、6月は 08:30-17:00 拝観料高校生以上500円、アジサイは基本的にすべて青色の(じつはヤマアジサイ系の)ヒメアジサイでその色は”明月院ブルー”と称される、満開直後は色付き具合が十分か確認を、ハナショウブ・アジサイの開花期間は後庭園も公開=別途500円 ※明月院通りは6月の土日 09:00-17:00 車両通行止めの交通規制あり、かながわの花の名所100選「明月院(アジサイ)」)、#東慶寺(山門外、境内)、#円覚寺、#長谷寺(あじさい寺、静岡県掛川市・加茂花菖蒲園作出長谷寺命名の鉢植’長谷の祈り’・’長谷の潮騒’・’長谷 四片(よひら)’・’かまくら’も)、#極楽寺2号踏切(坂ノ下・御霊神社の1つ東側、アジサイは御霊神社周辺のみ)、坂ノ下・#御霊神社(江ノ電線路沿い、社殿裏に「紫陽花小道」)、#成就院(あじさい寺、花が傷み始めると真っ先に剪定開始=平成25年(2013)道路側植込消滅および若木養生、平成26年(2014)7月1日剪定、平成27年(2015)-28年(2016)参道整備工事のためアジサイは一時消滅 後述、かながわの花の名所100選「成就院(アジサイ)」)、#極楽寺(主に山門外、境内参道沿い ※境内撮影禁止)

#報国寺(花持ちよく遅くまで開花)、#鎌倉宮(ヤマアジサイの若木の他150種1,000株、10:00-16:00、花期普通)、#妙本寺(山門前・遅咲き)、#建長寺(国宝梵鐘裏)、JR横須賀線沿い(浄智寺向かい)、#英勝寺(山門外、通用門内)、#葛原岡神社(若木)、#大仏隧道、#鎌倉四葩(よひら)長谷店前(早咲き・6月7日頃)、#光則寺(ホンアジサイの鉢植え)、#鎌倉海浜公園稲村ガ崎地区、今泉・#白山神社(参道)、#小動神社(参道)

成就院のアジサイについて


創建八百年を迎える令和元年(2019)に向けて、アジサイが両側に咲き誇っていた名所の参道を再整備することに。平成28年(2016)アジサイ262株は、東日本大震災に見舞われた宮城県南三陸町に寄贈された。

令和3年(2021)6月現在、参道のアジサイは50株ほど。従って、アジサイの名所と知られたかつての参道両側からこぼれんばかりの状態には戻さないことにしたとのこと。代わりにハギ(萩)が植えられている。

鎌倉市内の交通規制


鎌倉宮・覚園寺・瑞泉寺

通年 路線バス・タクシー・二輪を除く日曜休日 10:00-16:00 県道204号(六浦道)からの車両進入禁止 ※平成28年12月より、「岐れ道」交差点の規制解除。鎌倉宮・覚園寺・瑞泉寺方面への進入が可能になった。

明月院

6月の土曜・日曜 09:00-17:00 明月院通り(北側:山ノ内215番(「珈琲と音楽の店 笛」前)、南側:山ノ内184番(JR横須賀線線路突き当たり))車両通行止め ※平常は 07:00-09:00 一方通行(南下のみ進行可)

銭洗弁財天・葛原岡神社

通年 市役所通り「佐助一丁目」交差点北側は二輪・自転車を除き一方通行・進入不可(南下のみ進行可)、「くずきり みのわ」前~源氏山・葛原ヶ岡は軽車両を除く土曜・日曜・休日及び祭礼実施日(巳の日)の10:00-17:00 車両進入禁止

藤沢市
#江ノ電石上駅(南方西側)、#江ノ電湘南海岸公園駅東側善乃園周辺、#小出川「花とせせらぎの道」(500株、えびす橋~大黒橋、6月中旬の日曜日に「遠藤あじさいまつり」)、大清水・#境川アジサイロード(大清水橋~鷹匠橋・藤沢清流高校近く、1,000株、6月中旬の日曜日に「アジサイまつり」)、#引地川親水公園

#新林公園(保存古民家旧小池邸を背景に、アジサイハバチによる食害ひどい)

寒川町

茅ヶ崎市

#小出川(萩園橋上流、6月中旬に「小出川紫陽花まつり」)

平塚市
#河内川(こうちかわ、鎌倉橋~下河原橋、6月下旬の日曜日に「河内川あじさいまつり」=行事会場は旭北公民館)

#馬入・光と風の花づつみ、#湘南平(車道沿いガクアジサイ中心に、車道頂上付近、千畳敷南面、テレビ塔下)、御殿三丁目・#渋田川(大縄橋下)

大磯町

二宮町
#せせらぎ公園(ハナショウブも)

相模原市南区
#相模原麻溝公園(200種7,400株、管理事務所前花壇向かいにホンアジサイ=樹名板あるがどの株を指しているのか不明、アジサイハバチの食害多い、管理不足で生育不良・雑草まみれも)

相模原市緑区
#相模原北公園(アジサイ園に200種10,000株、ホンアジサイ)

伊勢原市

#日陰道(300株)

開成町
#あじさいの里(かながわの花の名所100選「あじさい農道(アジサイ)」、6月に「開成あじさい祭」開催・足柄ばやし(かながわの民俗芸能50選)も、7月上旬に「あじさい剪定ボランティア」事業開催)

南足柄市

#大雄山最乗寺(見所は仁王門前のみ、車道を中心に参道沿い=日当たり悪く成育にかなり難、上境内に見るものなし、かながわの花の名所100選「最乗寺(アジサイ)」、開成町「あじさいの里」の帰りに寄るとよい)

小田原市
#小田原城址公園

箱根町
#箱根登山鉄道沿線(主に塔ノ沢駅~強羅駅、かながわの花の名所100選「箱根登山鉄道沿線(アジサイ)」)

参考資料

『アジサイの話』 山本武臣著 八坂書房発行(1981)

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