ニホンヤマビル

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日本山蛭 環形動物/顎ヒル目/ヒルド科/ヤマビル属 活動時期/4月~11月

在来種外来種駆除

環形動物(かんけい-)と呼ばれるミミズの仲間。アスリート系のゴム製ナメクジ(蛞蝓)にも見える。一般には単にヤマビルと呼ぶ。日本国内では唯一の陸生吸血ヒルで、じめじめした山林に棲む。乾燥が苦手なので、雨後など湿っているとき(特に6月中旬~7月中旬の梅雨の時期)に活発に活動する。通常2~3cmだが、びよーんと8cm程度にまで伸びる。とにかく気色悪い。強靭な筋力が自慢で、引っ張っても千切れない、踏みつけても潰れない。

頭を持ち上げて周囲を探るニホンヤマビル 秦野市・蓑毛自然観察の森

頭を持ち上げて周囲を探るニホンヤマビル 秦野市・蓑毛自然観察の森 2016/06/16

全身を自在に操りちょこまかとよく動く。動きはまるでゾウ(象)の鼻のよう。移動するときはシャクトリムシ(尺取虫)のごとく伸び縮みしながら歩く。カ(蚊)と同様に、人や動物の体温や二酸化炭素などを感知すると素早く集まってくるとされ、標的の足にぴょんと飛びつきよじ登り、30~60分間吸血をする。血を吸っているヤマビルを発見したら速やかに引き剥がして(マダニ(真蜱)は剥がしてはダメ)抹殺すべしの事。ヤマビルに噛み付かれた瞬間はチクっと痛むが、痛みを感じない人も。ヤマビルに吸血されると血が固まらなくなる成分ヒルジンを注入されるため、一時間以上出血が止まらない。それより何より、かゆくなることがあるので厄介だ。草刈りが不十分な山道をハイキングすると、足首周辺に多数のヤマビルが付着しやすいので注意したい。山道をたった5分歩いただけで10匹付着してきたことも(ヤブカより多い)。

平成(1989-)に入ってから日本各地でヤマビル被害が深刻に。シカ(鹿)イノシシ(猪)の生息数が増えた時期に符合することから、シカなどが運び屋となって活動域を広げているのではないかと疑われている。高齢者ハイカーや山ガールの出現時期とも重なっており、人間がヤマビルを増やしている可能性も。
ヤマビル駆除のために山道沿いの強力な草刈りが実施されており一定の効果を上げているが、稀少な山野草を減少させてしまう心配も。シカ柵の設置、薬剤散布、バーナーでの焼き殺し、落ち葉かき等も行われているという。
神奈川県内では、宮ヶ瀬湖・大山を中心に丹沢周辺でヤマビル被害が甚大にあり。ちなみに丹沢にあるその名も蛭ヶ岳(ひるがたけ、1,673m)は神奈川県内で最も高い山である(伊勢原市の大山は1,252m)。湘南・鎌倉・三浦半島周辺では今のところ目立った被害なし。箱根も少ないという。

ヤマビル対策


予防 -ヤマビルに吸い付かれないために-

梅雨の時期、雨の後など、ヤマビルが生息する地域の山道に入らないのが一番。

山道に入るときは服装に注意。靴(ゴム長靴推奨)、靴下、ズボン(ヤマビルが侵入できないように裾は靴下の中に押し込む)その他、よじ登ってきたヒルが皮膚に付着できないよう隙間を塞ぐ。ただし現実的には、シャツのボタンの間や、袖口、首周りなどからも侵入してくるため完全防御は難しい。ヒルが付いてないかこまめに足を確認する。なお頭部を細く変形させて靴下の編み目に突撃してくるので注意。普通の靴下一枚では突破されて噛み付かれる可能性が高い。

ヤマビル忌避剤(ヤマビル除けスプレー、なければ蚊除けのものでもよい)を靴などに塗布する。皮膚にではなく、足をよじ登って来ないよう靴や靴下に塗るのがポイント。消毒用エタノール(スプレーボトルに入れて持参するとよい、持っていればウェットティシューも活用できる)、塩水なども苦手なので、靴や靴下などにスプレー散布しておく。

吸い付いてきたヤマビル殺すための塩を持参する。


対処 -ヤマビルに血を吸われてしまったら-

1)引き剥がす。ただし吸盤で張り付いているため振りほどくことは困難。うにょうにょ動く気色悪いヤマビルを指でつまむのはなかなか度胸がいるが、やるしかない。ナメクジ退治の要領で塩を直接振りかけるのがよい。

2)傷口から血(に混じっているヒルジン)をできるだけ出し、傷口に清潔な絆創膏などを当てて上から強めに圧迫する(直接圧迫止血法、注射後の止血方法に同じ)。

3)絆創膏はこまめに替える。かゆみは抗ヒスタミン剤(ウナコーワなど)で抑える。アンモニアを含むもの(キンカンなど)はかえって症状を悪化させるとか。

マダニと異なり、感染症はいまのところ報告されていない。

他に代表的なヒルとして、水生で血を吸うチスイビル(血吸蛭、水田などに生息、緑色を帯びる)がいる。陸生で血を吸わないコウガイビル(笄蛭、紐のように長く頭がTの字、黄土色など)は扁形動物(へんけい-)の一種でサナダムシ(真田虫)などの仲間。


厚木市・県立自然環境保全センター自然観察園、秦野市・蓑毛自然観察の森

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