ヘビ

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蛇 爬虫類/有鱗目 見頃/4月~11月

肉食の爬虫類(はちゅうるい)。手足がないのにするすると高速移動できる、口を開けることなく舌をちろちろ出せる、自分の頭より大きな獲物に食らいついて丸呑みできる、など得体が知れない。気色が悪いと、カエル(蛙)と並んで嫌われる傾向が強い。大嫌いなくせに、ヘビを見かけるとみんな棒で突(つつ)きたがるのはなぜか。

湘南・鎌倉地方でも開かれた住宅地以外で稀に見る。種によって生息場所は異なるが、自然豊かな場所には何らかのヘビが必ずいると思ってよい。

コブラ(日本にはいない毒ヘビ)をイメージしてもらえばわかりやすいが、ヘビは遠くにいる敵に急に飛びかかって噛みつくことがあるので注意したい。基本的にヘビの側から好んで襲ってくることはないが、棒で突いたりちょっかいを出せば攻撃される可能性は出てくる。窮ヘビ人を噛む。

ニホンマムシ

日本蝮 爬虫類/有鱗目/クサリヘビ科/マムシ属

猛毒危険在来種駆除稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」
くさりへび科全種=動物愛護管理法「特定動物」

単にマムシとも。基本体色は褐色で銭形の斑模様が入る。頭が三角形で、胴が太めなメタボ体形。あるいはガリガリに痩せてしまったツチノコに見えないでもない。初めて野山でマムシに遭遇した人は、昭和時代(-1989)によくテレビに出てきたニシキヘビ(日本に生息しない巨大ヘビ)と勘違いするかもしれない。

神奈川県では最も危険なヘビで、湘南・鎌倉地方でも林野が残る地域に生息。
ハイキングコースなどでぼーっとひなたぼっこするマムシあり。臆病なため人の気配を感知すると慌てて逃亡を図る。大抵はこちらが発見するより先にかさこそ音を立てて逃げ出している。茂みに迂闊に手足を突っ込むとじつそこにマムシが潜(ひそ)んでいて、がぶりと噛まれる危険もある。猛毒があるため、ハイキングや草木の手入れなどの際には要注意。林業に携わる人などは毒抜きを行うための吸引器具を携帯しているほど。全国で毎年10人程がマムシの毒で命を落としているという。

マムシに噛まれてしまったら


マムシ(蝮)に噛まれてしまった場合は、応急処置として、患部より心臓に近い部分をタオル等で軽く縛って毒が体中に循環するのを和らげ、患部を心臓より低い位置に下げておく。噛まれて約30分で腫れがひどくなるようだ。救急車(119番)は、ためらわずただちに呼びたい。毒を口で吸い出す処置もあるが、人の口内は案外傷だらけなので吸引役の人が毒に侵(おか)される危険を伴う。
心拍数を上げてしまうと毒が全身に回りやすくなるので安静を保つべしといわれてきたが、早く救急車や病院に辿り着けるよう走った方が比較的軽症で済むことが救命救急医らの調査で判明したと平成27年(2015)に報じられている。いずれにせよ、一週間前後の入院は必要になる。

マムシは日中にも見かけるが、じつは夜行性らしい。カブトムシ(甲虫)採集に出かけるときは注意したい。
湘南・鎌倉地方にハブ(波布)はいない。

ヤマカガシ

山楝蛇 爬虫類/有鱗目/ナミヘビ科/ヤマカガシ属 見頃/4月~10月

有毒危険在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」
ラブドフィス属(ヤマカガシ属)全種=動物愛護管理法「特定動物」

詳細を見るヤマカガシ 山北町・旧丹沢湖ビジターセンター 2017/07/03(画像準備中)(画像準備中)

アオダイショウ

青大将 爬虫類/有鱗目/ナミヘビ科/ナメラ属

在来種

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」

体色は緑褐色からオリーブ色。光沢モスグリーンといった方がわかりやすいか。ときに2mを超えて大型化する。無毒。人里近くにも多い。ヘビの中では最も目にする機会が多い普通種。昼行性で、地表のみならず生垣など樹上にも姿を現す。性格は比較的温厚で、好んで人に攻撃を仕掛けてくることはなく逃げてゆく。大好物はネズミ(鼠)。昔アオダイショウが”家の守り神”のようにいわれていたのは、農作物を食い荒らすネズミを食べてくれていたから。

ツツジの生垣に潜んでいたアオダイショウ 鎌倉中央公園 2012/05/05

ツツジの生垣に潜んでいたアオダイショウ 鎌倉中央公園 2012/05/05

アオダイショウの幼体(子供)にはマムシ(蝮)柄あり(白目が赤ければシマヘビ(縞蛇)の幼体の可能性)。逆にいえば、小さなアオダイショウに見えるヘビはアオダイショウの子供でなく、ヒバカリ(日計)など別種である可能性が高い。

マムシ柄を持つアオダイショウの幼体 神奈川県自然環境保全センター自然観察園 2016/05/01

マムシ柄を持つアオダイショウの幼体 神奈川県自然環境保全センター自然観察園 2016/05/01

シマヘビ

縞蛇 爬虫類/有鱗目/ナミヘビ科/ナメラ属

危険在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」

大きさは普通。体色は淡黄色(茶色、金色っぽい)。成体は体に沿って黒系の筋が四本入る。白目が赤味を帯びるため、”悪い顔”に見えるかもしれない。昼行性で、地表に生息。やや気が荒く攻撃的というが、逃げ足も速い。無毒。

シマヘビ 静岡県熱海市上多賀 2016/09/06

シマヘビ 静岡県熱海市上多賀 2016/09/06

幼体にはマムシ(蝮)のような斑紋が入るものもいるが、やはり赤色をした白目で判別できる。


光の丘水辺公園

清水谷(平成29年(2017)9月19日 アオダイショウ級のシマヘビ模様を目撃)

ジムグリ

地潜 爬虫類/有鱗目/ナミヘビ科/ナメラ属

在来種稀少保護

大きさは普通。基本体色は赤系で、黒い斑紋が目立つ。うっすら赤っぽかったらヤマカガシ(山楝蛇)、だいたい赤ならジムグリの可能性が高いか。特に幼体は毒ヘビのような見るからに危険な色合いをしているが、大人になるにつれ赤色は弱まっていく。頭部と胴体の境目にくびれがない寸胴体形なのが最大の特徴。無毒。おとなしくて神経質という。滅多に見ない。地中に潜ってモグラを食べるという。


平塚市土屋(平成28年(2016)5月 路上で斑紋ない赤ジムグリに遭遇)

ヒバカリ

日計、日量 爬虫類/有鱗目/ナミヘビ科/ヒバカリ属

在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「準絶滅危惧」

大人になっても最大60cm(成人男性の”肩から手首”の長さ)にしかならないやや小型のヘビ。頭部と胴体の境目側面に白色の斜線が入るのが最大の特徴。マフラーを巻いているかのように白色模様がぐるりと首を一周していたらヤマカガシ(山楝蛇)の幼体である可能性あり。ヤマカガシ同様、ヒバカリの胴体にも赤色(オレンジ色)の斑がぽちぽちと入る。昼行性だが太陽光は苦手で、主に朝と夕に活動し昼間は日陰で休む。

ヒバカリの若い個体 茅ヶ崎市浜之郷 2016/07/26

ヒバカリの若い個体 茅ヶ崎市浜之郷 2016/07/26

舌を出すヒバカリ 茅ヶ崎市浜之郷 2016/08/05
舌を出すヒバカリ 茅ヶ崎市浜之郷 2016/08/05
ヒバカリはよくちろちろと舌を出す。これは舌で空気中の臭い粒子を掻き集めて口の中にあるヤコブソン器官に送り、近くに獲物はいないか天敵はいないかと嗅ぎ分けているのだそうだ。人間が臭いを嗅ぐとき手のひらで空気を鼻の方へ煽ぐのと同じ。
口の先には元々小さな穴が開いていて、口を開けなくても舌の出し入れが可能だ。
鎌首をもたげるヒバカリ 茅ヶ崎市浜之郷 2016/07/26
鎌首をもたげるヒバカリ 茅ヶ崎市浜之郷 2016/07/26
緊張するとコブラのごとく鎌首をもたげて臨戦態勢を取るが、まず攻撃はしてこない。襲ってきたとしても”フリ”だけで、噛んでこないという。性格は日本のヘビの中でも最も温和。
危険を感じると臭いにおいを発するらしいが、一ヶ月ほど飼育したこの個体は出さなかった。ただし糞は刺激を伴う強いアンモニア臭を放ったため、毎日の掃除が苦痛‥。

カエル(蛙)が大好物なため、水田周りに生息するという。水中に入ってオタマジャクシや小魚も捕食する。バッタ(飛蝗)は食べてくれなかった。

アマガエルを捕食したヒバカリ 茅ヶ崎市浜之郷 2016/08/14

アマガエルを捕食したヒバカリ 茅ヶ崎市浜之郷 2016/08/14

ヒバカリという名は、猛毒があるため噛まれてしまった人はその”日ばかり”で息絶える、の意であるとされる。しかし、無毒のヘビに、しかもほとんど攻撃してこないヘビにそんな呼び名が付くだろうか。”ヒバ(ヒノキなどの別名)刈り(ヒバ枝の剪定、ヒバ林の下草刈り)”だとか、”柴刈り(燃料としての小枝採集)”の際に林床で見かけるヘビの意と考えた方が自然ではある。

シロマダラ

白斑 爬虫類/有鱗目/ナミヘビ科/マダラヘビ属

在来種稀少保護

大きさはヒバカリ(日計)程度のやや小型ヘビ。体色はウミヘビ(海蛇)のように白黒白黒の横縞模様。夜行性で体が小さいため人目に付きにくく、”幻のヘビ”と呼ばれる。

タカチホヘビ

高千穂蛇 爬虫類/有鱗目/タカチホヘビ科/タカチホヘビ属

在来種稀少保護

大きさはヒバカリ(日計)程度のやや小型ヘビ。体が黒っぽいのが特徴。頭部を中心に鱗が虹色に輝く。シロマダラ(白斑)同様。体が小さく夜行性のため人目に付きにくく、”幻のヘビ”と呼ばれる。姿が地味なせいか、インターネットが普及した今日でさえ発見報告がほとんど上がらない。地中に潜ってミミズを食べるという。名は発見者に因む。

神奈川県内で目撃する可能性のあるヘビは以上の8種と思われる。

『ヘビ』へのコメント

  1. 投稿日:2017/08/05(土) 09:41:59 ID:81f879b9c 返信

     昔、母が軒下に潜むヤマカガシと出会い頭の衝突をしたことがあります。蛇も仰天したのか、足の指に噛み付いたそうですが、靴下を通して軽く噛まれた程度だったので、指が少し腫れた程度で済みました。
     ここ数年はヤマカガシも青大将も姿を見せず、抜け殻もありません。もういなくなってしまったのかもしれませんが、蝦蟇さんだらけの家ですから、どこかに潜んでいてくれることを願っています。
     学生時代に先輩がある派手好きな男子を「ヤマカガシ的センス」と評し、大受けでした。派手なわりに大人しい蛇さんで、手さえ出さなければ大丈夫ですから、子供が噛まれたといって、撲滅大作戦など展開しないでおいてくれるといいな、と思っています。
     この、子供が噛まれた話をテレビでやっているとき、西の方のヤマカガシは紺だか黒だかに近い色をしていると言うので、驚きました。そういう土地でうっかり「ヤマカガシ的センス」と言うと、中学生の制服か就活スーツのイメージになってしまうのでしょうか。

    • mirusiru.jp 投稿日:2017/08/05(土) 12:33:26 ID:0c0a6dfe3 返信

      ヘビに噛まれるなんて珍しいですね。かなり臆病な連中ですからふつうは一生懸命逃げていきます(ヘビからしたら人間の方こそ気持ち悪くて恐ろしい)。よほど瞬間的に追い詰められたのでしょうね‥。花を見ようと覗き込んだら草むらに潜んでいたマムシと鉢合わせ、という話も聞きますが、こうなるともうどうしようもないですね‥。あとは運任せ。毒が回らなくてよかったです。一生使える話のネタにはなりました(笑)
      ヤマカガシはだいたい地面を這っていますので、宅地化が進むと厳しいかもしれません。田んぼや湿地が減ったことでヤマカガシも数を減らしているはずです。アオダイショウも餌となるネズミの減少で‥。どちらも周囲に林があって、草ぼーぼー地帯が広がっていて、その中に田んぼがあるような里山が大好きですから、Kさん宅周辺はちょっと住みづらそうです。
      “ヤマカガシ的センス”とは、すごい酷評(笑)。派手でださくて気持ち悪い?(笑)。プロ野球選手にそういうの多そう‥(笑)。絶対言われたくない‥(笑)。
      ニュース報道で”関西のヤマカガシは黒っぽい”ってやってましたね。私もヤマカガシはオレンジ色だとばかり。将来的にはカンサイヤマカガシとカントウヤマカガシに仕分けされるかも?
      ヘビは撲滅大作戦はされないと思います。たぶん大丈夫。ヘビを心底嫌がる人(若い女性)はヘビにまったく近づけませんから、殺しようがありません。行政はもっと何もやりませんので大丈夫。