鉄の獅子舞

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

県指定無形民俗文化財「鉄の獅子舞」

「鉄の獅子舞(くろがねのししまい)」は、神奈川県横浜市青葉区鉄町(くろがねちょう)の鐵神社(くろがねじんじゃ、鉄神社)で受け継がれている伝統行事で、10月第1日曜日の秋季例大祭で二年に一度奉納されている。神奈川県で”一番カッコイイ”ど派手な獅子舞三頭が舞い踊ります。

鉄神社

祭神/伊弉諾尊(いざなぎのみこと)、五十猛尊(いそたけるのみこと)
横浜市青葉区鉄町の鎮守

桐蔭学園キャンパスマップ / 画像は学校法人桐蔭学園公式HPから(一部改変)
桐蔭学園キャンパスマップ
/ 画像は学校法人桐蔭学園公式HPから一部改変して使用
鉄神社、現在はなんだか不思議なことになっている。神社の左右も後方も、そのすべてが桐蔭学園のキャンパスなのだ(⇐画像に示した赤色★印が鉄神社の境内地)。
まるで桐蔭学園に飲み込まれたような場所に神社が建っています。

鉄の獅子舞の歴史

江戸時代初頭の慶長年間(1596-1615)から行われているという。当時上鐵村(かみくろがねむら)に疫病が流行ってしまったため、これを鎮(しず)めるために領主の加藤権右ェ門景正が他所より獅子舞を招いて舞わせたというもの。以来この地に約400年に渡って伝えられているいわゆる一人立三匹獅子舞(ひとりだちさんびきししまい)である。

昭和39年(1964)を最後に断絶。昭和61年(1986)再興。

登場人物

主に獅子三頭と天狗。これにひょっとこが賑やかしのような立場で加わる。唄い手、笛方、ささら引きの奏楽が付く。

獅子

獅子は、雄獅子(おじし)二頭、雌獅子(めじし)一頭の計三頭。他所の一人立三匹獅子舞と同様に、腹に太鼓を付ける。構成自体は一般的なもの。鉄の獅子舞はなんといっても県内随一を誇るこの獅子の格好良さが最大の魅力だ。

獅子頭はいずれも黒の漆(うるし)塗り。扇形に広がる大きな眉毛や口ひげの彫刻が力強い。たいへん目を引く鳥の羽根はキジ(雉)のものだそうだ。昔は何かの白っぽい羽根だった。目には蝶貝がはめ込まれている。

頭髪は鐵神社などの紙札(かみふだ)が紙垂(しで)に加工されたもので、これに細長い色紙が混じる。

鉄の獅子舞・巻獅子の頭髪 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・巻獅子の頭髪 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

雄獅子「剣獅子」

角(つの)が剣の形をしているので剣獅子(けんじし)。角の色は金。やや目が吊り上がっており勇ましい。行事の主役を張る。

鉄の獅子舞・雄獅子「剣獅子」 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・雄獅子「剣獅子」 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

雄獅子「巻獅子」

角が螺旋(らせん)を巻いた形をしているので巻獅子(まきじし)。角の色は黒。

鉄の獅子舞・雄獅子「巻獅子」 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・雄獅子「巻獅子」 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

雌獅子「玉獅子」

頭上に宝珠(ほうじゅ)を乗せるので玉獅子(たまじし)。ヤシ(椰子)の実のように見えるが宝珠。宝珠は如意宝珠(にょいほうじゅ)ともいい、仏教に登場する”すべての願いがかなう不思議な玉”のこと。仏堂の天井画に描かれることが多い龍が手に持っているアレで、わかりやすくいえばドラゴンボール。色は金。目が丸っこくかわいらしいヒロイン役。舞の後半では二頭の雄獅子がこの雌獅子を巡って奪い合いの喧嘩を始める”雌獅子隠し(めじしかくし)”が見所となる。

鉄の獅子舞・雌獅子「玉獅子」 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・雌獅子「玉獅子」 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

天狗

三頭の獅子と一緒に舞う天狗。相撲でいうところの行司のような存在で、獅子の間に入って賑やかに踊る。腰にヒョウタン(瓢箪)を付ける。ヒョウタンの中には切麻(きりぬさ)がたくさん入れられており、中入り後の舞の最中に撒く。

鉄の獅子舞・天狗 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・天狗 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

ひょっとこ

軍配を持つ。舞には参加せず、周囲で自由に動き子供たちに菓子を配るなどして場を楽しませる役。

鉄の獅子舞・ひょっとこ 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・ひょっとこ 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

奏楽

唄い手、笛、ささらの三役でバンド演奏を行う。この歌と演奏に合わせて獅子が舞う。

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

獅子舞の歌


これの御庭へ来て見れば小金小草(こがねこぐさ)が足にからまる
京から下る唐絵の屏風一六(いちろく)ささりと引き廻された
此の宮は何たる番匠が建てたやら四方四面にくさび一つで
あまりの高さが立ちすぎて落ちる木の葉が軒に止まらぬ…

行事日程

09:00- 鉄囃子連が(トラック荷台で)町内巡行
10:00- 秋季例大祭
11:00- 子供会模擬店(子供向けのもの)、子供みこし巡行(境内のみ)

以下、掲載した時間はおよそ。本来は11:30を過ぎたあたりから準備が整い次第開始ということになっている。

鉄の獅子舞・鉄文化会館での準備風景 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・鉄文化会館での準備風景 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

獅子舞はふつう体力のある20代から40代の男性が行うところが多いが、鉄の獅子舞は高齢者が全部やる。獅子舞のお一方は80代なのだそうで、このあと舞奉納の最中に体調を崩して途中で離脱した。鉄古典獅子舞保存会は後継者不足が深刻。若い男性の姿は境内に一人も見られなかった。

12:00-練り上げ

神社鳥居前から出発。先導に金棒曳二名、花籠(はなかご)二名、法螺貝(ほらがい)を吹く唄い手、蠅追い(はいおい、幣追い)としてひょっとこ、露払いに天狗、獅子三頭、笛方、ささら引き、この隊列で鳥居をくぐり石段をのぼって境内へ。

鉄の獅子舞・練り上げ 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・練り上げ 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

12:05-12:40獅子舞奉納

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞は途中で中休みが入る。休憩を取り衣装を整え再開。

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・雌獅子隠し 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・雌獅子隠し 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・笛 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・笛 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・ささら 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・ささら 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・記念撮影 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞・記念撮影 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

鉄の獅子舞 横浜市青葉区・鉄神社 2016/10/02

何度見ても獅子頭が立派。三頭の獅子舞に、唄、笛、ささらが揃った素晴らしい伝統芸能は横浜が誇る鉄町の宝としてぜひ絶やすことなく後世に引き継いでいっていただけたらと願うばかりです。

行事案内

行事名 鉄の獅子舞
-よみ くろがねのししまい
異名 鐵古典獅子舞
文化財指定等 神奈川県指定無形民俗文化財「鉄の獅子舞」 平成13年(2001)2月13日指定
日時 隔年の10月第1日曜日 12:00-12:40
会場 鐵神社
住所 神奈川県横浜市青葉区鉄町1553
電話番号 志村幸男宮司(本務/川崎市麻生区・琴平神社) 044-988-0045
公式サイト http://kotensisi.zouri.jp/
駐車場 なし / 神社関係者は神社西側道路(桐蔭学園私有地)に路駐
駐輪場 なし / 神社周辺適切に
トイレ 隣接する鉄文化会館屋外に簡易トイレあり
備考