7月の生き物

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1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 生き物

上旬

ミンミンゼミ

みんみん蝉 昆虫/カメムシ目/セミ科/ミンミンゼミ属 成虫期/7月~8月

在来種

「ミーン、ミンミンミンミン、ミー」と鳴く大型のセミ。梅雨明けが近づく7月中旬あたりが盛り。アブラゼミ(油蝉)の独壇場となる8月中あたりには鳴く勢いが衰える。
湘南地方では昭和(-1989)の頃はたいへん稀少で年に数匹しか遭遇できなかったため、ミンミンゼミの鳴き声が聞こえたら授業を中断させてまで捕りに行くほど人気が高かった。地球温暖化が騒がれ始めた頃から普通に見られるようになり、現在はアブラゼミ同様どこにでもいる普通種に。
体色は黒と孔雀緑(やや青みがかった緑)。翅は透明。ヒグラシ(日暮)にやや似る。

ミンミンゼミの雄 旧和田家住宅 2016/08/26

ミンミンゼミの雄 旧和田家住宅 2016/08/26

ヒグラシ

日暮 昆虫/カメムシ目/セミ科/ヒグラシ属 成虫期/7月~8月

在来種

甲高く「カナカナカナ‥」と鳴く中型のセミ。この声を聞けば気分はたちまち志賀高原か軽井沢だが、三浦丘陵や大磯丘陵のみならず清水谷や茅ケ崎里山公園周辺など低山や丘陵ともいえないちょっとした高台にも生息している。しかし完全な平地には一匹たりともいないから不思議。ほんのわずかでもいいから地面が傾斜していないと嫌だ、という強いこだわりを感じる。そのためか、人家の庭などで大声で鳴き喚くことがないというのはありがたい。

鳴き声がうるさいと嫌われるセミの中では唯一、人々に愛されるセミ。避暑に出かけた山間部などの豊かな自然とイメージが重なるためだろうか。声はどこかさびしく、はかなげで、懐かしい、幼少を過ごした田舎の風景を思い起こさせる。夏の終わりの夕暮れを連想させるが、本当のところは夏の始めからがんがん鳴いている。鳴く時間は朝と夕。真昼間は鳴かない。

落下したヒグラシ 静岡県駿東郡小山町竹之下 2016/08/08

落下したヒグラシ 静岡県駿東郡小山町竹之下 2016/08/08

ヒグラシの見分け方

体に緑色が混じるのはヒグラシかミンミンゼミ(みんみん蝉)。茶色に緑ならヒグラシ、黒に(青みがかった)緑ならミンミンゼミである。

ジュンサイハムシ

蓴菜葉虫 昆虫/コウチュウ目/ハムシ科/イチゴハムシ属 成虫期/7月~9月

在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「絶滅危惧I類」

ジュンサイ(蓴菜)やヒシ(菱)などを食害する体長5mm程の小さな甲虫。神奈川県ではそのジュンサイやヒシが生息する池がほぼ皆無となったためこの虫も絶滅間近。


新横浜公園(減勢池のヒシに群生)

クワコ

桑蚕、野蚕 昆虫/チョウ目/カイコガ科/カイコガ属 幼虫期/5月下旬~8月 成虫期/7月~9月

在来種

詳細を見るクワコ 鎌倉中央公園産 2017/08/12クワコ 鎌倉中央公園産 2017/08/12クワコ 鎌倉中央公園産 2017/08/12

スズムシ

鈴虫 昆虫/バッタ目/コオロギ科 孵化/4月下旬~6月 成虫期(鳴く時期)/7月~10月初旬

在来種外来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」

詳細を見るスズムシの雄 2017/09/02スズムシの雄 2017/09/02スズムシの雄 2017/09/02

バッタ

飛蝗 昆虫/バッタ目 出現期/7月~10月

在来種

草むらに生息する後肢が大きな昆虫の総称。翅がない幼虫が蛹(さなぎ)を経ない不完全変態を行い成虫に変化する。幼虫と成虫の違いは、体の大きさを除けば翅があるかないか程度。体色は、同種でありながら緑色と薄褐色(薄茶色)の二系統あり。

バッタ、イナゴ、キリギリス、コオロギの違い


バッタ

キリギリスに比べて、触角が短い。すぐ逃げる。


イナゴ

生物学的にはバッタに含まれる。主に田んぼ周辺に生息し、大量発生して群れ、イネ(稲)の葉を食害する。バッタと区別して呼ばれるのは、イネの害虫だから。見た目の違いでバッタと区別できるものではない。


キリギリス

バッタに比べて、触角が長い。キリギリスとコオロギの耳は前肢にある。すぐ隠れる。


コオロギ

体型体色が明確に異なる。スズムシ(鈴虫)はコオロギの仲間。

オンブバッタ

負飛蝗 昆虫/バッタ目/オンブバッタ科/オンブバッタ属 成虫期/7月~10月

在来種

詳細を見るオンブバッタ 茅ヶ崎市・清水谷 2017/09/29薄黄褐色のオンブバッタ 茅ヶ崎市・清水谷 2016/09/09(画像準備中)

ショウリョウバッタ

精霊蝗虫 昆虫/バッタ目/バッタ科/ショウリョウバッタ属

在来種

日本最大のバッタ。インターネットが普及する以前は、湘南地方ではショウジョウバッタ(霄壤蝗虫)と呼ばれる方が普通だったと思われる。体が大きすぎる故に近いうちに絶滅してしまうのではないかと子供ながらに心配していたが、現在に至るまで数を減らしているようには思われない。おそらくは、イネ科の植物を食草とするため多様性が失われたどうしようもない荒れ地や公園、河川敷でも生息できるからだろう。普通種。オンブバッタ(負飛蝗)のように小さなオスが大きなメスの背中に乗ることも。体は大きいが、飛翔は得意。オスの成虫は飛翔するときチキチキチキチキと音を出すため、チキチキバッタとも。

ショウリョウバッタ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

ショウリョウバッタ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

ヒシバッタ

菱飛蝗 昆虫/バッタ目/ヒシバッタ科

在来種

ヒシバッタ 清水谷 2016/09/05
ヒシバッタ 清水谷 2016/09/05
ハラヒシバッタ(原菱飛蝗)やコバネヒシバッタ(小翅菱飛蝗)などの総称。上から見ると菱形体型である。体長は大きくなっても10mm程。原っぱに足を踏み入れると力強くぱちんと飛び跳ねる黒っぽい小さな物体はおそらく本種だろう。多く見られる普通種。体色は変異大きい。

トノサマバッタ

殿様飛蝗 昆虫/バッタ目/バッタ科/トノサマバッタ属

在来種稀少保護

イナゴ(蝗)体型のバッタとしては最大。原っぱや河川敷に比較的多く分布する。飛翔能力がとても高く、人が近づくと20mを優に超えて飛んで逃げて行ってしまうことが多い。

トノサマバッタ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

トノサマバッタ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

力んだらウ○コを漏らしたトノサマバッタ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

力んだらウ○コを漏らしたトノサマバッタ 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

昭和の仮面ライダー(石ノ森章太郎原作)のモデルにもなった顔。

トノサマバッタの顔 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

トノサマバッタの顔 茅ヶ崎市柳島 2016/09/14

胸部(目と翅の間の部分)側面に黒っぽい斑紋が大きく入っていればトノサマバッタの偽物?影武者?のクルマバッタ(車飛蝗)ないしクルマバッタモドキ(車飛蝗擬)だろう。

イボバッタ

疣飛蝗 昆虫/バッタ目/バッタ科/イボバッタ属

在来種

比較的よく見る普通種。地面にいる。トノサマバッタ(殿様飛蝗)の仲間だが小さく、イナゴ(蝗)程度。

イボバッタ 新林公園 2016/09/27

イボバッタ 新林公園 2016/09/27

ぶつぶついぼいぼでバッタ界一汚らしいビジュアル。

イナゴ

蝗、稲子 昆虫/バッタ目/イナゴ科/イナゴ属 成虫期/7月~10月

食用在来種

バッタ(飛蝗)の仲間であるイナゴ科の総称。イネ(稲)の葉が大好物のため、田んぼ周辺に大量発生する害虫。ただし近年は水田そのものの極度の減少、農薬(殺虫剤)の進歩で急速に数を減らしており、田んぼの近くを歩いてみてもイナゴの大群生が異常発生しているような光景はなかなか見かけなくなった。とはいえ、植物の多様性が完全に失われている(ほとんどすべての大規模な)公園にはイネ科の雑草ばかりが生い茂るため、イナゴが絶滅するようなことにはならないだろう。

佃煮にすれば食用になる。いわゆるタンパク源として食べられてきたのだが、虫を口にする抵抗感が増した現代では最早珍味かゲテモノ料理といった扱いか。内臓も含めて丸ごと食べるため少々苦いなど雑味ややあり。なんか口の中に硬いものが残るなぁと取り出してみればイナゴの後肢、というのもちょっと嫌な感じ。冷静に考えれば小魚の佃煮と大差ないのだが。


光明寺十夜法要(10月12日~15日、最終日を除き境内に佃煮の露店が出る)

コバネイナゴ

小翅稲子

食用在来種

最も普通に見られるイナゴで、イナゴといったら大抵は本種を指す。体長は4センチ程度。翅の長さはまちまちだが、翅よりも腹先の方が少し長くて後ろにはみ出る感じ。翅の方が明らかに長ければハネナガイナゴ(翅長稲子)である。
イネ科の雑草ばかりが茂る草地に生息。人が踏み込むとすぐに飛んで逃げる。飛翔距離は短めで、数メートル飛んだら着地し葉に隠れる。

コバネイナゴ 新横浜公園 2016/08/31

コバネイナゴ 新横浜公園 2016/08/31

ハネナガイナゴ

翅長稲子

食用在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「準絶滅危惧」

腹よりも明らかに翅の方が長く、燕尾服(えんびふく)を着ているように見えるイナゴ。神奈川県内では丹沢周辺の山間の田んぼなどにわずかに分布するのみという。

キリギリス

螽蟖 昆虫/バッタ目/キリギリス科/キリギリス属 出現期/7月~10月

在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」

昔はひとまとめにキリギリスと呼んでいたが、現在は東日本に生息するヒガシキリギリス(東螽蟖)、西日本のニシキリギリス(西螽蟖)に大別されている。紋様の変異なども多く、今後は地域差ある個体群でより細分化されてくるのではないか。関東型は翅が短めで黒色の斑が入るなどの特徴がみられる。

ヒガシキリギリスのメス 茅ヶ崎市柳島 2016/09/26

ヒガシキリギリスのメス 茅ヶ崎市柳島 2016/09/26

ヒメクダマキモドキ

姫管巻擬 昆虫/バッタ目/キリギリス科/ツユムシ属

在来種

キリギリス(螽蟖)系のツユムシ(露虫)の仲間。管巻は機械式の糸巻きのことでがちゃがちゃがちゃがちゃうるさい音を立てるもの、つまりガチャガチャ鳴くクツワムシ(轡虫)を指す。そのクツワムシになんとなく姿が似ていて、サトクダマキモドキ(里管巻擬)のより小型の虫、という名前。普段は樹上で生活をしており、逃げるときはよく飛翔する。

樹上から落下してきたヒメクダマキモドキのオス 新林公園(長屋門裏) 2016/09/27

樹上から落下してきたヒメクダマキモドキのオス 新林公園(長屋門裏) 2016/09/27

ヒメクダマキモドキのオス 新林公園 2016/09/27

ヒメクダマキモドキのオス 新林公園 2016/09/27

中旬

タマムシ

玉虫 昆虫/コウチュウ目/タマムシ科/ルリタマムシ属 見頃/7月中旬~8月初旬

在来種稀少保護

神奈川県レッドリスト2006「要注意種」

詳細を見るヤマトタマムシ 藤沢市 2017/07/27エノキに止まったヤマトタマムシ 藤沢市 2017/07/29(画像準備中)

クマゼミ

熊蝉 昆虫/カメムシ目/セミ科/クマゼミ属 成虫期/7月中旬~8月

在来種外来種

普通種では日本最大のセミ。昭和時代(-1989)は湘南地方には一匹もいなかったが、地球温暖化に伴い生息域を広げ、現在では普通に見られるようになった。

幼虫はアブラゼミに似ているが比較的大きく太っており、後頭部が明らかに黒い。
成虫は頭が黒色で、羽根は透明に緑の筋(ミンミンゼミと真逆)。鳴き声は「ゲースゲースゲース」と聞こえるが、人により「シャアシャアシャア」とか「ジイジイジイ」「シンシンシン」などとも表現される。

アブラゼミ

油蝉 昆虫/カメムシ目/セミ科/アブラゼミ属 成虫期/7月中旬~9月

在来種

代表的な大型のセミ。梅雨が明けると大量に出現し、夏を通して大音量で鳴き続ける。最盛期は8月中旬。最も身近なセミなのでセミといえば”翅は茶色い”ものというイメージがあるかもしれないが、アブラゼミ以外のセミの翅はみな透明。茶色い翅はなかなかの珍種だったりする。成虫は樹液を吸って命を繋ぐため事実上飼育はできず、小学生らの虫取り網にかかってしまったセミはほぼすべてが虫かごの中で干乾び息絶える。

横浜地方気象台が観測している「あぶらぜみの初鳴日(しょめいび)」は例年7月10日前後。鳴かなくなるのは8月末から9月にかけて、台風が直撃すると一気に激減するようだ。

セミの命は儚くない?!

たった一週間で死んでしまう──、と命の儚さが憐れみを誘うセミ。セミといえば短命のイメージが強い。
セミの成虫が本当に一週間で死んでしまうのかどうかはじつはまったくわかっていないのだが、それはさて置くとしても、幼虫として数年(種によっては10年以上ともいわれる)もの長い年月を地中で過ごしていることを考えれば、じつはセミは虫にしてはかなりのご長寿だ。ぜんぜん、儚くもなんともない。幼虫は日の当たらない地面の中でかわいそうな下積み人生を暗く送ってきて、やっとおてんとうさまの当たる地上で素晴らしき成虫としての人生を送れると思ったらすぐに死んでしまってかわいそう──、なんて、ちょっと人間の価値観を押し付けすぎなのではないだろうか。気温40℃近い炎天下で体力を消耗しながら鳴き続けて交尾をしたら死ぬだけ、そういう意味では憐れな成虫生活なのかもしれないが──。

下旬

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